一昔前の車といえば、ドアミラーがなかった車種が多かった。残念ながら、画像のトヨタ新型センチュリーはフルモデルチェンジを機にドアミラーが装着されております。
ドアミラーがない代わりに装着されていたのが「フェンダーミラー」と呼ばれるもの。ボンネットの先っちょに付いてるミラー。最近はほとんどフェンダーミラーを見かけませんが、逆に考えたら何故昔はドアミラーが採用されていなかったのか?って話。
そこで今回カーギークでは「ドアミラーやフェンダーミラーの謎」について解説していこうと思います。なぜ昔はフェンダーミラーが多く採用され、現在はドアミラーが多く採用されているのか。
【ド違法】昔はドアミラーが法律で禁止されていた!
結論から書くと、非常にシンプルな答えになります。
実は、1983年までドアミラーの装着は法律(道路運送車両法)で禁止されていた。だから日本車にしろ輸入車にしろ、1980年代前半以前は問答無用でフェンダーミラーを装着せざるを得なかった。
今では当然考えられない話ですが、ドアミラーを装着したクルマは警察の取り締まりにもあっていました。今でも意味のない法律が多く存在しますが、ドアミラー規制は典型だったのでしょう。
そのためアメリカなどは激おこ。TPP問題などでも耳にする「非関税障壁」として日本政府に圧力をかけた結果、前述のようにドアミラーが解禁される運びとなりました。日本は昔から自動車関係に関して、法律に限らず様々な面で本当に劣っております。
ドアミラーとフェンダーミラーのそれぞれのメリットとは?
ただドアミラーの規制…というか「フェンダーミラーのみを認める法律」の根拠もそれなりに存在しました。そこで簡単にフェンダーミラーのメリットを解説してみようと思います。
簡単に言うと、フェンダーミラーはドアミラーよりも「死角が少ない」ことが挙げられます。ドアミラーよりも前方部分にミラーが設置されてるため、より多くの範囲の情報を反射できる。
一方、ドアミラーは格納できるのがメリット。最近はドアロックと連動させて自動的に格納してくれるドアミラーもすっかり定着しました。日本の狭い道路事情。駐車時などはドアミラーの方が有利。
現在でもタクシーなどがフェンダーミラーを採用する理由とは?
ただ未だにタクシーなどを筆頭に、フェンダーミラーを採用する車種は存在します。最近発売されたトヨタのミニバン型のタクシー(JPNタクシー)も、やはり同様にフェンダーミラーを採用しております。
じゃあ何故未だにフェンダーミラーを採用するのか?
答えはシンプル。フェンダーミラーの方がドアミラーよりも車幅を抑えることが可能。何故ならドアミラーはAピラーに設置しますが、フェンダーミラーはボンネットのやや内側に設置できる。あくまで、ドアミラーが格納できるのは停車時のみ。
その分だけ微妙な違いではあるものの、クルマの車幅が短くなる。タクシーは狭い路地を走行することも多い。そうすると車幅が狭めること自体に大きなメリットが存在し、フェンダーミラーの方が使い勝手の点ではやや上回るということ。
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