【解説】軽自動車に4気筒エンジン搭載車は存在する?3気筒エンジンとの違いやメリットまとめ

軽自動車は庶民の足として親しまれて久しいです。車体サイズなど規格は決まっているものの、室内空間などは十分広い。使い勝手や維持費の点でも、軽自動車は非常に乗りやすいクルマ。

ただカーギークでは「軽自動車と普通車の違い」もかつて比較したように、どうしても軽自動車は普通車よりも乗り心地や走行性能が劣ります。理由は至ってシンプル。軽自動車に搭載されてるエンジンが「660ccの3気筒エンジン」だから。

軽自動車の排気量は法律で定められているにしても、じゃあ何故4気筒エンジン搭載の軽自動車は発売しないのか?最近の軽自動車は高級路線を歩んでいる以上、4気筒エンジンの搭載もあってもおかしくない。

そこで今回カーギークでは何故軽自動車に4気筒エンジンは搭載されていないのか?また4気筒エンジン搭載車は本当に存在しないのか?などを徹底的に解説していこうと思います。

かつて軽自動車に存在した4気筒エンジン搭載車種一覧まとめ

結論から書いちゃうと、実は4気筒エンジン搭載の軽自動車はかつて存在しました。中古車での購入を考えている方がいるかは別にして、そこでサクッと4気筒エンジン搭載車種の一覧をまとめてみました。

まずは1962年にマツダから発売された初代キャロル。現在はスズキ・アルトのOEM車として生き長らえておりますが、当時のキャロルは4気筒エンジン搭載によって軽自動車トップクラスの高性能を誇っておりました。

続いて、1963年にはホンダから4気筒のDOHCエンジンが搭載された軽トラック・T360が発売されました。軽トラで勝負するというのがいかにもホンダらしいというのか、「MM思想」を感じさせます。

ちなみにキャロルも含めて、当時の軽自動車の規格は360ccになります。

○バブル期に突入して高級路線として4気筒エンジンが復活

そこから時間がかなり空きまして、1989年にスバルが550ccの4気筒エンジン搭載の軽自動車を発売。具体的にはレックス(その後のヴィヴィオ)やサンバー。その後も軽自動車の規格が変更された後も660ccの4気筒エンジンをスバルは発売。

スズキも1990年にセルボに4気筒エンジン搭載の上級グレードを発売。一方、ダイハツは精力的。ムーヴ、ミラ、初代コペンのスポーツグレードでやはり4気筒エンジンを搭載しておりました。三菱自動車もパジェロミニに4気筒エンジンを搭載していたとのこと。

だから4気筒エンジン搭載の軽自動車の歴史は非常に古いものの、1990年代のバブル時代に「軽自動車の高級化路線」に伴って4気筒エンジンの復活傾向が見られた模様。2000年以降も4気筒エンジンの軽自動車は意外と発売されてる。

もし4気筒エンジン搭載の軽自動車を購入するのであれば、特にスバルやダイハツのスポーツグレードの中古軽自動車を探すのが一番手っ取り早いはず。軽商用車ではあるものの、スバル・サンバーは2012年まで販売されていたので割と状態が良い中古車も発見できるかも?

何故軽自動車から4気筒エンジンが消えたのか?

とはいえ、現在4気筒エンジン搭載の軽自動車は販売されておりません。

そこで続いては今後再び復活販売されるのかも含めて、何故4気筒エンジンが軽自動車から消えてしまったのか?という理由を3気筒エンジンとの比較を交えながら解説して記事を終わります。

○4気筒エンジンのメリットとは?

まずは4気筒エンジンのメリットから解説。

軽自動車でも普通車でも変わらないんですが、やはり4気筒エンジンのメリットは「静粛性」や「乗り心地」の二点が挙げられます。3気筒エンジンと比較すると、全体的に不快な振動が少ない。バイクが典型ですが、気筒が少なくなればその分だけ振動が増える。

普通車でも最近はダウンサイジングが進んでおり、3気筒エンジン搭載のコンパクトカーは輸入車でも増えておりますが、一番指摘されるのが「振動」や「騒音」といった類いの部分。言っちゃえば、最大のメリットはクルマとしての質感。

○4気筒エンジンと3気筒エンジンとの違い

他にも4気筒エンジンと3気筒エンジンの違いを比較すると、大きくは「コスト」。気筒が増える分だけエンジンの価格が上昇。

いくら軽自動車の高級路線が進んでるとはいえ、やはりコスト面は無視できない。ましてや軽自動車の規格で排気量は660ccと決められてる。1気筒あたりの理想的な排気量は400~500ccとされるため、いくら気筒を増やしても質感の向上には限界がある。

また3気筒エンジンは4気筒エンジンよりも「省燃費性」が高い。まさにダウンサイジングの主たる目的。軽自動車は燃費性能の良さも売りであるため、環境規制が厳しくなる中、なおさら4気筒エンジンを搭載するメリットがない。

そして気筒が増える分だけ、どうしても車内の室内スペースが犠牲になってしまう。最近の軽自動車は「室内の広さ」で勝負してるため、やはり4気筒エンジンを搭載することはメリットよりもデメリットが増える。

4気筒搭載の軽自動車は今後も発売されない!

つまり、今後も4気筒エンジンを搭載した軽自動車が販売される可能性は非常に低いはず。軽自動車の規格が800cc程度まで排気量が拡大されれば分かりませんが、現状だとほとんどメリットはなさそう。

最近の軽自動車のトレンドは4気筒化よりも「ハイブリッド化」。小型の電気モーターやバッテリーを搭載して、走りや実燃費を向上させてくる軽自動車が今後増えていくはず。電気モーターの方が確実に燃費や走りを改善できますから。

既にスズキの軽自動車の大半はハイブリッド化されてる。またダイハツ新型タントもフルモデルチェンジでハイブリッド化するのではないかとも予想されてる。コンパクトカーですら3気筒にダウンサイジングが進んでる現状、軽自動車が時代に逆行して4気筒化されることはまずないと思います。