夏に活躍するカー用品といえば、スモークフィルム。
紫外線対策や車内温度上昇のために、自動車のガラスに貼る合成樹脂製の色付きのフィルム。効果はそれなりに大きい。ちなみに、JISによると正確な名称は「自動車窓ガラス用フィルム」とのこと。そのまんま。
スモークフィルムの価格はおよそ4000円前後。
決してお高くはないものの、いかんせん破れやすいためスモークフィルムを貼るのは難しい。自分も幼い頃に叔父のスモークフィルム貼りを手伝いましたが、かなり大変な作業だったことを覚えています。
ただスモークフィルムはフロントガラスやフロント側のサイドガラスに貼ることは法律(道路運送車両法)で禁止されています。そこで今更ながらスモークフィルムはフロント部分のガラスに貼ることを禁止しているのか解説したいと思います。
スモークフィルムを貼ってはいけない理由
結論から書くと、主に二点の理由が挙げられます。
それが「夜間時における交通事故防止対策」と「警察による取り締まり」。大体が予想される通りの理由で規制されております。
○夜間時は特に視界性が悪化する
前者の「や感じの交通事故防止」は詳しく説明するまでもないと思いますが、やはりフロントガラスにスモークフィルムを貼ると前方の視界性が極端に悪化してしまう。運転席助手席側のサイドガラスにスモークフィルムを貼っても、横から来る歩行者や自動車を確認できない。
実際、夜間はハイビーム常用を警察が促しているぐらい通常の状態でも、夜間では歩行者を発見しにくい。そこにスモークフィルムをガラスに貼れば、もはや何も見えなくなると言っても過言ではなさそう。
さすがに誰が考えてもスモークフィルムを貼るのは無謀。
○警察はいっぱい取り締まりたい
じゃあサイドガラスにスモークフィルムを張っても良さそうですが、そこは「警察の取り締まり」が関係してきます。
何故なら警察からすると、運転席のドライバーの状況を外から確認したい。
例えばスマートフォンをイジっているドライバーも世の中には多い。でも外から見えないと警察は動きようがない。もしフルスモークだとドライバーが武器らしきものを所持していた場合、対応に遅れる。
そのためフロントガラスに関しても、自動車ナンバー自動で勝手に読み取ってくれるNシステムも関係してくるのでしょう。
Nシステムは自動車ナンバーを撮影するという建前ではあるものの、実際にはドライバーや同乗者も同時に撮影されてる。そのためスモークフィルムでフロントガラスが外から見えないと「誰が乗っているのか」までは確認できない。
だから運転者の視界の確保を建前にしつつも、警察の視界の確保もしれっと盛り込まれているのが道路運送車両法らしい。まあ犯罪が多いインドなど海外でもフルスモークが禁止されている国も多いため、特に日本だけに限った強い規制ではありませんが。
フロントガラスにスモークフィルムを貼っても違法にはならない方法
だからフロントガラスやサイドガラスにスモークフィルムを貼ったままだと、当然車検には合格しません。
ただどうしてもフロントガラスにスモークフィルムを貼りたい方も世の中には多いはず。ヤンキー的なドレスアップ目的ではなく、純粋に紫外線や赤外線をカットしたい動機は決して不純ではない。
重要なのは光の透過率
結論から書くと、フロントガラスやサイドガラスにもスモークフィルムを貼ることは法律上可能です。
何故なら道路運送車両法で定められているのは、あくまで「光の透過率(スモークフィルムの暗さや濃さ)」のみに関するものだから。具体的には「可視光線の透過率が70%以上確保されていない車両」は違法。
逆に言えば、「光を透過する透明に近いフィルム」だったら車検もオッケーということ。実際、既に高いUV&IRカット機能を誇るほぼ透明に近いスモークフィルムが販売されており、そういう商品であればフロント部分のガラスに貼っても警察には怒られない。
ただし元々の車両のガラスの光の透過率が80%程度しか確保されてない場合など、もし透過率が高いフィルムであっても結果的に光の透過率が70%を下回る可能性もあるため注意は必要。カー用品店などで確認することをおすすめします。
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