ホンダの人気ミニバンがステップワゴン。
ステップワゴンは2015年にフルモデルチェンジしたものの、販売はやや不振気味でした。そこでホンダが2017年9月にステップワゴンをマイナーチェンジ。このテコ入れ策として導入したのが「ハイブリッドモデル」の投入。
そこで今回はホンダ新型ステップワゴンハイブリッドの試乗レビューをまとめてみました。
ちなみに、ハイブリッドモデルは「スパーダ」にしか設定されておりません。そのため厳密には「新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの試乗記事」とでも表現すべきだと思うんですが、8対2の割合でスパーダしか売れていないので特に問題ないと。
新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの内外装をチェック
まず簡単にホンダ新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの内外装をチェックしたいと思います。今回のマイナーチェンジで何か変更点はあったのか?
結論から書くと、ステップワゴンスパーダは非ハイブリッドも含めてフロントマスクが変更されております。全体的な雰囲気は、ややホンダ・オデッセイに近付いた感じか。ちなみに画像はガソリン車専用カラーの「パープル(アメジスト)」。
具体的にはフロントグリルのメッキ感が増して、ボンネットフードも先端が高くなったことでより1BOX感が強調されております(ちなみにハイブリッドエンジンを搭載するため、ボンネットフードの拡大はある意味必須だった)。他にもスパーダハイブリッド専用のLEDヘッドライトや5連フォグランプなど、確かに質感は高まっていると評価して良さそう。
ホンダ・ステップワゴンスパーダは見た目にインパクトが欠けた。それに対するテコ入れが施されたカタチ(ただそれ以前にノア・ヴォクシーもマイチェンで大胆に見た目が刷新されてたためインパクトは弱まった?)。
個人的には車体カラーがブラックの新型ステップワゴンスパーダが渋くて好きかも知れない。確かにステップワゴン以外のライバルミニバンと比較すると大人しさは未だ否めないものの、それでも万人受けしやすいカスタム系デザインではなかろうか。ハイブリッド専用カラーの「グリーン」も意外と渋い。
ちなみに新型ステップワゴンハイブリッドのリア周りは変更点が少ないため画像は割愛。
内装はハイブリッド専用だが…
新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの内装面はメーターやセンターコンソールなどはハイブリッド専用ものに変更されています。他にも「カーボンタイタニウム」と呼ばれる新柄が新たに用意されていたり、相変わらず水平基調の見晴らしに優れた内装インパネかなと思います。
ただノーマルのステップワゴンスパーダと大差はないと思います。
でもシートはヘッドレストのクッション性がアップされております。更にサスペンションもハイブリッド専用のものに変更されており、新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの「乗り心地」は更に劇的に改善されております。
一応、バッテリーなどを搭載したことでフロントシート下の床が盛り上がって、若干室内空間が犠牲になってるものの、ほとんど気になるレベルではないでしょう。オットマンと思えばむしろ快適と評価すると試乗レビューもあります。
だから新型ステップワゴンハイブリッドは乗降性に悪化なし。
ステップワゴンハイブリッドは走りも乗り心地もクラストップ!【試乗まとめ】
ということで試乗の本題。ホンダ新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの評価はどうなのか?
結論から書くと、新型スパーダハイブリッドの走りは相当に進化してます。
まず今回搭載されたハイブリッドエンジンはオデッセイと同じ2モーター式のハイブリッドシステムの「i-MMD」。ガソリンエンジンで発電し、電気モーターのみで走行する。最近だとノートe-POWERを想像するといいと思います。
新型ステップワゴンハイブリッドは、いわゆるレンジエクステンダー。しかも、この「i-MMD」はシステム総合出力は215PS、最大トルクは32.1kgmと3.5L V6エンジン並を誇るほど。
そのため「出足の1ステップから新しさが伝わるモデル」とハイブリッドスパーダを評価するのはベストカーの試乗記事。加速感に一切切れ目がなく、すんなりと立ち上がりは力強く発進できるのはミニバンを超えた気持ちよさ。
だから新型ステップワゴンハイブリッドは急加速が必要な高速道路での追い越しや合流、トルクが必要なワインディングロードや坂道でも意のままに走れる自由自在感はミニバンのくせに見事と言う他ない。
ハイテン鋼を多用することでHV化に伴う重量アップというデメリットを抑えてることも、スパーダハイブリッドの加速感に奏功。
スパーダハイブリッドは静粛性も大幅アップ!
新型ステップワゴンハイブリッド搭載のバッテリーも大容量であるため、時速70km/h程度で走行してもガソリンエンジンが始動しないこともあり、日常的に使うのであればEVそのもの。更にフロントガラスの板厚をアップさせたり吸音材を増やすなど、静粛性もテコ入れ。
結果、無音かつシャープに加速するモーター走行と相まって、新型ステップワゴンハイブリッドの走りはパワフルなくせに上質そのもの。さすがにアクセルをグイッと踏み込むと発電用ガソリンエンジンが始動するものの、決して耳障りではない。ブリジストン製の16インチタイヤも快適であり、少なくともライバルのハイブリッドミニバンと比較すると間違いなく静か。
また新型ステップワゴンハイブリッドはサイドシル断面を補強するなど、ガソリン車比でねじり剛性が8.5%アップ。そのため新型スパーダハイブリッドは重心が高いミニバンらしからぬ、クイックかつ確かなステアフィールが実現。前述のように足回りはハイブリッド専用のパフォーマンスダンパーが採用したことで、細かな凹凸の振動すら感じられない乗り心地は誰もが満足いく仕上がり。
「一躍クラストップへ」と新型ステップワゴンハイブリッドを評価するのは、driverの試乗記事。まさにハイブリッドが持ちうる潜在力を最大限までに引き出したミニバンが、このホンダ新型ステップワゴンスパーダハイブリッドと言えましょう。
新型スパーダハイブリッドは操縦安定性や乗り心地はさながら「高級セダン」を彷彿とさせ、そこに「SUVの見晴らしの良さ」も絶妙に両立させたようなワンクラス上のミニバンに仕上がっています。
ホンダ新型ステップワゴンハイブリッドの実燃費はどんなもん?
でも気になるのは実燃費。いくら試乗で走りが良くっても、実燃費が悪いんでは意味がありません。
結論から書くと、ホンダ新型ステップワゴンハイブリッドの実燃費は非常に優秀。他のハイブリッドミニバンと比較しても、間違いなく優位性を誇ります。
前に編集長直々に怒られたので画像は引用しませんが、マガジンXの試乗記事を参考にすると新型スパーダハイブリッドの市街地燃費は平均25km/L前後は出る模様。バッテリーの状況によって実燃費は変わってくるので一概に言えませんが、渋滞路でも安定して10km/L台後半は出そう。
ほぼ同条件で計測したノアハイブリッドの実燃費は20km/L前後だったことを考えたら、同じハイブリッドミニバンではあるものの実燃費は顕著に違ってくるらしい。
やはり「i-MMD」といったレンジエクステンダーは普通のハイブリッドと違って、アクセルの開閉度に関係なく安定して低燃費を出せるのが魅力。トヨタ式ハイブリッドの場合、アクセルを踏み込めば踏み込むほど燃費が悪化しがち。
そのため走りの気持ちよさも含めて総合的に評価するなら、ホンダ新型ステップワゴンハイブリッドに軍配が上がります。ちなみに高速域ではガソリンエンジンが始動するため、高速燃費はどっちも平均18km/L台前後とほぼ同程度だった模様。
新型ステップワゴンハイブリッド 試乗・評判・口コミ・レビューまとめ
以上、ホンダ新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの試乗レビューでした。
既に色んな試乗記事で評価されていますが、スパーダハイブリッドは同クラスミニバンの中で「トップクラスの実力」を誇ると評価して良さそう。
新型ステップワゴンとほぼ時を同じくしてノア・ヴォクシーは見た目を一新されましたが、中身は依然として古いまま。試乗すれば新型ステップワゴンHVとの違いは顕著に分かると思います。
全車にACC付きの自動ブレーキ(ホンダセンシング)が標準装備されており、新型ステップワゴンは「気がついたらプレミアムカーになっていた」というカートップの試乗記事が言い得て妙。
新型ステップワゴンハイブリッドの割高な価格設定
ただ新型ステップワゴンハイブリッドはやっぱり割高感が気になる。もちろんホンダ新型ステップワゴンHVの試乗評価は上々。ただ動的質感、静的質感がちゃんとアップしてることに比例して、しっかり価格も比例してくれちゃってる。
新型スパーダハイブリッドの価格は330~350万円に対して、ノアヴォクHVの価格は299~320万円。エスクァイアは310~325万円。数十万円の価格差がある。特にMクラスミニバンを購入するのはファミリー層。経済観念は強く働くと思うんです。
ましてや価格が350万円ぐらいまでなっちゃうと、もう一つ上のLクラスミニバンまで視野に入ってくる。例えばトヨタだとアルファードやヴェルファイア、ホンダだとオデッセイのガソリンモデルが購入できる。
じゃあそこまでしてハイブリッドモデルが欲しいかを考えると…うーん。
ただミニバンは言っても、一人で乗車することも多い。だから乗ってて楽しいことは、ママさんパパさんでも重要な要素。ミニバンだと日頃のストレス発散は難しい。でもホンダ新型ステップワゴンスパーダハイブリッドの動的質感なら可能。
お金さえ気にならなければ十分満足できる買い物であり、新型ステップワゴンスパーダハイブリッドは出来が良いからこそ悩ましい…
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