【感想】ホンダ新型フィット4 試乗徹底レビュー!乗り心地や安全装備は?【口コミ評価評判まとめ】

2020年2月にホンダ新型フィットが6年半ぶりぐらいにフルモデルチェンジしました。今回で4代目にあたるため「フィット4」と呼ばれることもあります。

そこで今回カーギークでは「ホンダ新型フィット4の試乗記事」を徹底的にレビューしたいと思います。果たして新型フィット4の評判や乗り心地は?

外観デザインの評価

まずは新型フィット4の外観デザインを評価していこうと思います。

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(ホンダ新型フィットホーム 外観デザイン)

結論から入ると、ホンダ新型フィット4のデザインは「まぁまぁ良い」と思います。

ホンダ曰く、柴犬をモチーフにデザインしたと語ってるそうですが、「愛嬌があって頼りになりそうな相棒」とはベストカーの試乗レビュー。モデルチェンジ前よりガラッと雰囲気は変わったこともあって、自分は正直ダサいと思ったんですが見れば見るほど意外と愛着が湧くデザイン。

さながらフランス車のようなフォルム感も含めて、新型フィット4はヨーロッパ車の匂いを感じさせます。ややもすると没個性的なデザインですが、顔付きはフォルクスワーゲンと比べても見劣り感はゼロ。

ヘッドライトを取り囲むようにデイライトが配されており、これも見栄えと実用性が両立されてて好印象です。テールランプやウインカーランプもほぼLEDが採用されるなど、実際にフィット4を目の当たりすると安っぽさはありません。

また2本の前後のピラーで衝突を分散させることで、ピラーそのものは極細デザインに設計。そのため新型フィットでは死角が削られ、前方視界性も至って良好。色んな試乗レビューを読んでも新型フィットの見晴らしの良さを評価する声は多い。走りの評価は後述。

フィットネスとフィットクロスターの違いは?

新型フィットはとにかくグレード展開が変に多いのが悩みどころですが、外観デザインだけで選ぶなら「フィット・ネス」と「フィット・クロスター」が中でも特徴的なグレードと言えそう。

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(フィットネス 外観デザイン)

中間モデルのホームにもツートンカラーは設定されてるものの、フィットネスのツートンカラーはライムグリーンの蛍光色が「差し色」として採用。本来は屋根の部分が塗り分けられてるんですが、それ以外の部分がツートンカラーとして採用されてる点が珍しい。

ただライムグリーンしか用意されていないなど好みは分かれそうか。わざわざ特定のグレードとして用意するほどでもないか。それでもシャークフィンアンテナが標準装備されてる数少ないモデルです。

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(フィットクロスター 外観デザイン)

一方、フィットクロスターは「SUV風」のグレード。樹脂製のアーチモールがあしらわれ、最低地上高も他のフィットと比べると+25mmほど高い。画像のモデルは鮮やかなブルーの車体色も重なって、スバル・XVなんかも彷彿とさせます。

他のグレードと違ってグリルも配されるなど、フィットクロスターが一番無難にカッコいい気がします。更に他のフィットと比べると意外と癖もない。ここにフィットネスのツートンカラーも組み合わせればもっとカッコよく仕上がりそうです。

内装インパネの感想

続いては新型フィットの内装インパネ周りを評価していこうと思います。

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(フィットベーシック 内装インパネ)

まずはエントリーモデルの「フィットベーシックの内装」をチェック。水平基調のデザインを採用し、全体的にスッキリとした印象を与える内装。ダッシュボードは前傾してるため、改めて新型フィットの視界性が上々であることが分かります。

助手席前には「グローブボックス」も復活。先代フィット3には何故か存在しなかったので、収納力は改善。新型フィットのダッシュボードは視界性が重視されてることもあって、決してボックス自体は大きくありませんがないよりはマシでしょう。

エアコンパネルも操作しやすく、それ自体の触り心地も上々。タッチパネル式を採用してる車種も増えてますが、新型フィットのアナログチックにカチカチと回す方が自然な印象。あと手垢や指紋が付かないのも地味に良い。

センターコンソール周りを更に見ると、新型フィット4には「オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ」が標準装備されてるのが嬉しい。その分、コンソール部分は広くてスッキリ仕上がってるのも好印象。他にもシフトレバーは前後に動かすタイプに変更され操作性も改善。

改めて安全装備はレビューしますが、ホンダセンシングの進化は内装面からも読み取れます。

○バイザーなしのメーターパネルはどう?

続いては「メーターパネル」を評価。

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(driver4月号 八重洲出版)

新型フィットのメーターは全グレードで「7インチのデジタルメーター」が搭載されてます。文字も大きくて見やすく、デジタル感もあって好印象です。いわゆる針のメーターはなし。ホンダセンシング使用時なども画像のように表示されます。

ただし、あくまで時速しか基本的には表示されず、パワーメーターなどは表示されない。いささかシンプルすぎて見栄えに物足りなさは残るかも。またメーターに全て情報を表示することを考えたら、7インチのサイズ感はやや小さい印象。

またホンダ新型フィット4のメーターは「バイザー(メーターフード)」が付いてないのも特徴。いわゆる日除け機能が付いてない。前方視界性を考慮しての判断ですが、太陽光などが反射して見えなくなる心配は残ります。

でも結論から書くと、そこまで不安要素はありません。新型フィットの試乗レビューをいろいろ見てても批判的な声は少ないです。「ドライバーの目の前にはワイドな視界があるのみ」とはカートップの試乗記事。それでも状況によってメーターの見えづらさがあるのは否定できないか。

○グレードは「フィットホーム」以上がおすすめ

一方、フィットのハンドルにはHonda eに合わせて下側のスポークがない形状を採用。足元周りを確認しやすくなるように配慮されたデザイン。ただ試乗レビューの中には「ハンドルの向きが逆さなのか正常なのか分からなくなる」といった声も。

そこで個人的におすすめしたいモデルが「フィットホーム」。

ミドルグレードと位置づけていいかは不明ですが、ステアリングは本革製が採用されます。一方、フィットベーシックはウレタン素材が採用するなど質感は見劣り。とりわけフィットホームはダッシュボードやアームレスト部分にソフトパッドを採用してる点が特徴。

特にドライバーが触れる部分ですから、新型フィットの内装の質感の高さを演出。フィットホームの価格帯はガソリン車が170~185万円、ハイブリッド車は206~221万円。かなりお得感があります。

○残りのフィットのグレード別内装を比較

一方、他のグレードの内装を簡単に比較してみたいと思います。

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(フィットネス 内装インパネ)

続いてフィットネスの内装がこちら。外観デザインと同様に、エメラルドグリーンが差し色としてエアコンの吹出口などに使用されております。他にもフィットホームとの違いは、撥水性の高いソフトパッドを採用してること。

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(フィットクロスター 内装インパネ)

続いてフィットクロスターの内装がこちら。フィットネスより+7万円ほど割高ですが、差し色がなくなったこと以外はフィットネスとほぼ同じです。

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(フィットリュクス 内装インパネ)

最後はフィットリュクスの内装。これに関しては見るからに質感が高いです。

ツートン仕様の本革ステアリングや本革シートを標準装備。ただし、全面革張りではありません。エクステリアもドアミラーやガーニッシュ類はプラチナ調クロームメッキ加工され、価格帯はフィットネスより+10万円高に留まるものの約200万円台前半から。

正直コンパクトカーの部類として割高な値段ですが、フィットリュクスの内装であれば所有欲をほぼ確実に満たしてくれるはず。基本的にフィットホームを購入すれば損をせず、見た目重視ならフィットクロスター、内装重視でお金を出せるならフィットリュクスといったところか。

ただし、新型フィットの内装面も「装備面での不足」は見られます。例えば、セットオプションの9インチのナビ画面は基本的にサイズ感は必要十分。ナビ画面も操作しやすいようにヌルっと動くのが面白いんですが、リュクスであっても今どき軽自動車にも付いてる360度モニターは設定されてない。

新型フィットも所詮はコンパクトカーといえばそれまでですが、まだまだ改良の余地はありそうです。

室内の広さや荷室の大きさは?

続いては「室内や荷室の広さ」をレビューしたいと思います。新型フィットのシートアレンジなど使い勝手はどうなのか?

結論から書くと、新型フィット4の室内空間は依然として広いです。

シャシーは先代フィット3のものが流用されてますが、センタータンクレイアウトの飛び道具が依然として奏功。後部座席の足元空間は成人男性でも拳数個分の余裕。一昔前のコンパクトカーとは思えないほど、後席アームレストもガッチリ感がある。

ただし、新型フィットはハイト系軽自動車と違って全高が低いため、頭上空間は月並みです。先代フィットより全高が低くなったこともあって、むしろ室内は狭くなったか。もちろん不快になるほどの窮屈感や圧迫感はありませんが。

次は荷室空間。

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(新型フィット チップアップシート)

やはり目が引くのが「チップアップシート」。新型フィットの後席シートはN-BOXのように跳ね上げ式。画像のように座面部分だけを持ち上げることが可能。後席空間をそのまま荷室に仕立てることができる。

またチップアップシートを採用してる割にクッションの厚みは上々。またダイブダウンできるので格納すれば比較的フルフラットな荷室空間ができます。さすがに車中泊は厳しいですが、ちょっとした大きい荷物ならギリギリ許容範囲内でしょう。

それよりもシートを折りたたんだり動かしたりといった作業がボタンやスイッチひとつで簡単に動かせる方が魅力。女性でも困ることはないほど実用的。パッケージング的に過度な広さは得られないものの、新型フィットは良い意味でN-BOXほどオーバースペックすぎないのが良い。

ホンダ新型フィットの主要諸元まとめ

乗り心地といった走りのレビューに入る前に、まずは新型フィット4の主要諸元をまとめてみたいと思います。興味がある人だけチェックしてみてください。ちなみに【】の数字はフィットクロスターの数字になります。

○新型フィットの車体サイズ

  • 全長…3995mm
  • 全幅…1695mm
  • 全高…1515mm【1545mm】
  • ホイールベース…2530mm
  • 最小回転半径…4.9メートル【5.0メートル】
  • 最低地上高…135mm【160mm】
  • 室内長…1955mm
  • 室内幅…1445mm
  • 室内高…1260mm

○1300cc直4NAエンジン

  • 形式番号…L13B
  • 最高出力…72kW(98PS)/6000rpm
  • 最大トルク…118Nm(12.0kgm)/5000rpm
  • 車重…1090~1100kg【1100kg】
  • カタログ燃費(WLTC)…20.4~19.6km/L【19.4km/L】
  • 燃料タンク…40L

○1500cc直4ハイブリッドエンジン

  • 形式番号…LEB
  • 最高出力…72kW(98PS)/5600~6400rpm
  • 最大トルク…127Nm(13.0kgm)/4500~5000rpm
  • 電気モーター…80kW(109PS)/253Nm(25.8kgm)
  • 車重…1180~1200kg【1200kg】
  • カタログ燃費(WLTC)…29.4~27.4km/L【27.2km/L】
  • 燃料タンク…40L

新型フィットの「乗り心地」や走りはどうなん?

ということで試乗記事の本題。ホンダ新型フィット4の乗り心地などをレビューしていこうと思います。

まず「乗り心地」に関しては上々だと思います。

シャシーは先代フィットのものが流用されてるため剛性感で大きな進化は見られないものの、同じ車格のクルマの中では上質な部類でしょう。ボディの揺すられ感は薄く、「2つくらい上のクラスを感じる上質さ」とはレスポンスの試乗レビュー。

新型フィットの後席シートはクッションに厚みがあって座り心地も上質。最低地上高が高いフィットクロスターにしても乗り心地は快適。一方、車重が軽いこともあってガソリン車は「細かい荒れた路面を通過する時にバタバタする」とはベストカーの試乗レビュー。

ただ良好な視界も相まって、新型フィット4の体感的な取り回し性能は想像以上です。ハンドリングも相変わらず素直で扱いやすい。うねうねと曲がりくねったワインディングロードでも何の不安もなく走ってくれそう。端的に言えば、新型フィットの走りは「弱点がない」。

悪く言うとホンダ新型フィットの走りに特段ハッとさせられるような驚きもありませんが、優しい見た目さながら乗り味と走り味はマイルドそのもの。乗り心地のフラット感は言っても知れてますが、質感のある内装と相まって走ってて快適感は実感できます。

○e:HEVの加速性能や動的質感は?

一方、ホンダ新型フィットと言えば「e:HEV(旧i-MMD)」。なんと読むのか未だに判然としませんが、ガソリンエンジンで発電して電気モーターで走行するハイブリッドシステム。いわゆるシリーズハイブリッドの実力はどうなのか?

結論から書くと、新型フィットe:HEVの加速性能は「まずまず」です。

先代フィット3ハイブリッドよりも加速感に厚みが確実に増してるものの、同じハイブリッドシステムを採用するノートe-POWERと比べるとやや物足りない。とりわけ高速巡航時のトルク感やアクセルレスポンスは見劣りするかも。

だから、前評判の高かったi-MMDとダブらせて評価すると、新型フィットe:HEVのモーター感はそこまで強くないです。少なくとも「良い意味での驚き」は思ったより薄いか。

ただし、フィットe:HEVの静粛性は高いです。あくまでエンジンで走行するわけではないため、変速機はDCTからCVTに変更。ガソリンエンジンは常に一定の巡航回転数に抑えられ、いくらアクセルを踏み込んでもエンジンは吹け上がらない。良くも悪くもモーター音がするだけ。

また電動パーキングブレーキを標準装備してるためアクセルペダルを踏むだけで自動解除され、シフトレバーの操作を必要としない走りはまさに快適かつ先進的。

高速巡航時はエンジンの駆動力をそのままクラッチを通して直結させるため、新型フィットハイブリッドの高速燃費は25km/Lを優に超える。逆にノートe-POWERは高速燃費が伸び悩む傾向があるため、新型フィットの優位な点と評価できそう。

一方、ガソリンエンジンは先代フィットのものをやはり流用。またノンターボということもあって「上り勾配の再加速でモタツキを感じた」とはdriverの試乗レビュー。フィットe:HEVも含めて、CVTの制御の緻密さに難があるといった感想もなくはないです。

安全装備の評判はどうなん?

続いては「安全装備」の評価。

結論から書くと、新型フィット4は最新の次世代ホンダセンシングを初めて採用し、ホンダ車の中でトップクラスの安全性能を誇ります。

先代フィットなどに搭載されていたホンダセンシングと具体的に異なるのは、画角が100度を超えるモービルアイ製の単眼カメラを採用したこと。これは視認性が高いと世界的にも評判。先代フィットはミリ波レーダーのみだったため、それだけ安全性能は格段にアップ。

車線逸脱防止支援システムに関しては、「新型フィットは緩やかなカーブでも車線中央を正確にキープしてくれる」とはdriverの試乗レビュー。もちろん全車速域追従クルーズコントロールも標準装備。実質的には手放し運転も可能なレベル。一昔前では考えられない。

また電動パーキングブレーキを標準搭載してることからも分かるように、それぞれ手動操作はほぼ必要としないのもおすすめ。新型フィットの車両の前後に8個のコーナーセンサーを搭載してるため、コンビニやスーパーでの駐車など街中での安全面も上々。

新型フィット4の安全装備はコンパクトカーの中では間違いなくトップクラスを誇ります。

【評価】新型フィット4の試乗感想まとめ【口コミ評判】

以上、カーギークによるホンダ新型フィット4を試乗レビューでした。

まず注目だった新型フィットハイブリッドの加速性能はさほどなく、「もっさり感がある」と評価する試乗の声もあります。

そのため自分もフィットe:HEVを試乗して思ったのは「面白味はない」「刺激的なトキメキは少ない」という感想に尽きます。日産のe-POWERと比べてスペック差はないものの、e-POWERで当初感じたほどの爽快な突き抜け感や新鮮な驚きはないと思います。

ただ、それ故に新型フィットe:HEVは「燃費性能」に軸足を置いたクルマなのかも知れない。そのため新型フィットのライバルであるノートe-POWERとはしっかり差別化できてる気がします。e-POWERは燃費面にやや不満も残るため、新型フィットは着実にその面において優位を保ってるはず。

乗り心地や剛性感に関しては不満感も多少はありますが、ホンダ次期ヴェゼルがフルモデルチェンジの時にシャシーが刷新されると言われているため、新型フィットが大胆に進化するのはもっと先になりそう。

それでも「プリウスに匹敵するくらいの質感」と新型フィット4を評価するのはカートップの試乗記事。不具合で新型ヤリスと発売時期が重なったため新鮮味がやや薄れましたが、それでもコンパクトカーを買うなら新型フィットを購入すればまず失敗しないでしょう。

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