ジープの売れ筋モデルが「ラングラー」。最近のジープは日本国内で年間1万台以上を販売してるんですが、なんとジープ全体の販売台数の4割以上が、このラングラーで占められてるらしい。
アメリカのトランプ大統領もひっくり返るほど人気のラングラーですが、つい先日2018年10月、日本国内でもようやくフルモデルチェンジを果たしました。
そこで今回カーギークでは「ジープ新型ラングラー(JL)」を徹底的に試乗レビューしてみようと思います。
実は、ボルボ・XC60やベンツ・Gクラスよりも売れている新型ラングラーはどう進化したのか?もし新型ラングラーの購入を考えてる方がいれば、今回の感想を参考にしてみてください。
ちなみにジープ新型コンパスの試乗記事は既にレビュー済み。
【試乗】新型ラングラーの外観デザインはどう変わったか?
まずジープ新型ラングラーの内外装を評価していこうと思います。最初は「外観デザイン」。今回のフルモデルチェンジで変わったのか?
結論から書くと、ジープ新型ラングラーの外観デザインはキープコンセプト。
基本的に、新型ラングラーのフロントマスクは先代モデルとほぼ同じ見た目。
だから新型ラングラーと先代ラングラーの比較画像をマジマジと見比べても、正直、自分は違いが読み取れませんでした。でも、それで良い。逞しすぎるホイールアーチなど、新型ラングラーでもしっかりゴリゴリのオフロードSUV感が味わえるから。
でも、ジープの中の人いわく、「近くで見るとディテールが全然違う」とのこと。
例えば、フロントグリルが「くの字」型にやや立体的に成形され、フロントガラスも横から見ると先代ほど垂直には切り立ってもいないそう。確かに改めて見比べるとヘッドライトがLED化され、オーバーフェンダーもウインカーと一体化されてる。
そのため新型ラングラーのデザインはキープコンセプトではありながら、しっかり細かい部分でブラッシュアップされたと素直に考えれば良さそう。
○3ドアモデルの新型ラングラーは受注生産かつ高価格
ちなみに新型ラングラーの「3ドアモデル(ソフトトップ)」の画像がコチラ。ドアの枚数が少ない分、デザイン的にはより塊感があってGood。また自動車雑誌の試乗記事を読む限り、走りの剛性感も高いらしい。
さながらスズキ新型ジムニーの上位互換といった雰囲気。
ただし、今回の新型ラングラーでは3ドアモデルは受注生産のみとなるので注意。先代ラングラーと同様に最廉価グレードとして販売されますが、新型ラングラーでは価格が約460万円からと一気に跳ね上がります。
カーギークでは【おすすめ】安い輸入車SUVランキングなども執筆済みですが、先代ラングラーと比べると+70万円ほど割高になった計算。先代では売れなかったのかどうかは知りませんが、新型ラングラーは簡単に手が出なくなったのは間違いないか。
そのため今回の試乗レビューも新型ラングラーでも売れ筋になりそうな「5ドアモデル」の感想になっております。
【サイズ】ジープ新型ラングラー 主要諸元まとめ【スペック】
◆全長…4870mm(4320mm)
◆全幅…1895mm
◆全高…1845mm(1825mm)
◆ホイールベース…3010mm
◆最低地上高…200mm
◆最小回転半径…6.2メートル(5.3メートル)
◆アプローチアングル…43.9度
◆デパーチャーアングル…37度
()内は2ドアモデル。
ジープ新型ラングラーの主要諸元がこちら。
新型ラングラーは先代と比べると、全体的に更に巨大化。全長で17cmほど伸長し、全幅は1.5cmほど拡幅。だから先程の外観エクステリアに関しても、フロントグリルやヘッドライトも微妙にサイズアップしてるっぽい。
またホイールベースも6cmほど拡大し、新型では3000mmを超えてしまってる。ただ、その分だけ新型ラングラーの室内空間も拡大しており、どれだけ長身のアメリカ人でも余裕で乗り込めるように進化してるはず。
もちろん新型ラングラーは依然として日本国内では巨大ではあるものの、いわゆるLクラスミニバンは言っても全長5メートル近い。最近ではマツダ新型CX-8など全長5メートルに達する三列シートSUV車も人気。
そのため最小回転半径が6メートルを超えてるので小回り性能に優れてるとは決して言いませんが、そう考えるとジープ新型ラングラーのサイズ感もそこまで気にしなくて良さそうな気はします。
ちなみに【感想】マツダ新型CX-8 試乗レビューまとめも併せてご参照ください。
【感想】新型ラングラーの内装は高級感や最新装備が大幅に増し増し!
続いては、新型ラングラーの「内装インパネ」周りを評価。
結論から書くと、ジープ新型ラングラーの内装は随分と質感がアップしたと思います。ちなみに画像は左ハンドル仕様ですが、日本国内で販売される新型ラングラーは右ハンドル仕様なので御安心を。
天井付近など素材には本物の金属をあしらうなど、車体のゴリゴリ感そのものの無骨感が演出。一方で、シート素材などには流行りのステッチも取り入れるなど、新型ラングラーの内装面の質感向上は見た目からも分かると思います。
まさに内装は温故知新な正常進化を遂げている様子。
実際、他にも新型ラングラーのナビにはアップルカープレイやアンドロイドオートに対応済み。このナビはステアリングスイッチだけで操作できたり、他にもプッシュボタンスイッチやキーレスエントリーシステムなども標準装備されてる。
先代ラングラーと比べると安全機能や先進装備は70点ほど追加(ただし自動ブレーキはなし)されているらしく、この試乗記事ではすべてご紹介できないほど最新装備がてんこ盛り。そのことが新型ラングラーの内装の質感にも少なからず寄与してる。
そのため自動車雑誌の試乗記事には「伝統の中にもモダンを取り入れた」などと評価されております。確かに新型ラングラーの内装は、しっかり大人も満足できる質感の高さが実現されてるとカーギークでも思います。
ちなみに、フロントガラスやドアを簡単にボルトで取り外せるようになっているとか。日本の公道でそのまま走ると逮捕されますが、オフロードコースを楽しむ上では便利そうな仕掛けも備わっているとか。
【ジープ】新型ラングラーのエンジンスペックまとめ
続いて試乗レビューの本題に入る前に、まずは新型ラングラーの搭載エンジンの詳細をチェック。
○2000cc直4ガソリンターボ(ラングラーアンリミテッドスポーツ)
◆最高出力…200kW(272PS)/5250rpm
◆最大トルク…400Nm(40.8kgm)/3000rpm
◆車重…1950kg
◆変速機…8速AT
◆駆動方式…4WD
◆燃料タンク容量…81L
◆カタログ燃費(JC08モード)…11.5km/L
○3600ccV6ガソリンエンジン(ラングラーアンリミテッドサハラ)
◆最高出力…209kW(284PS)/6400rpm
◆最大トルク…347Nm(35.4kgm)/4100rpm
◆車重…1980kg
◆変速機…8速AT
◆駆動方式…4WD
◆燃料タンク容量…81L
◆カタログ燃費(JC08モード)…9.2km/L
ちなみに2ドアモデルの「スポーツ」の車重は1830kg。
【試乗】新型ラングラーの走りは劇的進化!!!【感想】
ということで、試乗記事の本題。新型ラングラーの走りはどうなのか?
結論から書くと、新型ラングラーの走りは劇的に進化しております。
まずは特筆すべきは「乗り心地」でありましょう。新型ラングラーはオンロードでの快適性がかなり増しており、「かつてのゴリゴリ感は影を潜め、ランクル並の質感に近付いた」とはベストカーの試乗レビュー。
また「『これは本当にラングラーか?』というほどの快適な乗り心地に驚いた」とはマガジンXの試乗レビュー。引き続き採用したラダーフレーム構造の良さを残しつものの、新型ラングラーは路面の嫌な凹凸感を見事にいなしてくれてる。
またフロントガラスには遮音ガラスが使われるなど、新型ラングラーは静粛性が高まってるのも特徴。居住空間が広がったことも含めて、新型ラングラーは体感できるレベルで先代と比べると快適性が向上してる。
他にも高速域でのステアリングフィールが若干甘いという感想はあるものの、新型ラングラーのハンドリングは至って軽快。良くも悪くも、街中で走りやすいオンロード向けの味付けがされております。
そのためジープ車は「ゴリゴリのオフロード車」というイメージが強いものの、今回の新型ラングラーはメルセデスベンツやBMWのような高級車ブランドに一気に近付いた雰囲気がします。
○【試乗感想】走破性と乗り味の両立っぷりがハンパない!
一方で、新型ラングラーは走破性能が依然として高いまま。「旧型Gクラスよりも独自の世界観や乗り味を色濃く味わえる」とは河口まなぶ氏の試乗動画。
アメリカの岩山道ルビコントレイルで試乗した自動車雑誌もあるようですが、アプローチアングルの高さを見ても分かるように、新型ラングラー初のフルタイム4WDはどんな悪路もグイグイと進んでくれる。
悪路走破性に関しては、きっとGクラスなど他のSUVは誰も勝てないはず。実際、「新型ラングラーが行けない道はクルマで行くことを諦めたほうがいい」と4WDの悪路走破性を評価するのはカートップの試乗記事。
またボンネットやフェンダー、ヒンジドア、フロントガラスの窓枠にもアルミ素材がふんだんに採用したことで、先代比で90kgも軽量化されてるらしい。結果、なんと新型ラングラーは車両重量が2トンを切ってるんだから驚き。
そのため新型ラングラーの走りは至って軽快だと思います。
とりわけ2.0Lターボのトルク感がハンパなく、思わず誰もがアクセルペダルをグイッと踏み込みたくなるはず。路面追従性の高さも相まって、そこらへん峠道なら新型ラングラーは簡単に攻略できそう。
そして、変速機は先代ラングラーは5速ATだったものの、新型では8速ATに進化。このことで高速域での新型ラングラーの静粛性が高まってるだけではなく、この8ATは低回転域を積極的に回してくれる仕様。
そのため「低回転トルクが太い2.0Lターボとの相性が良い」とはカートップの試乗レビュー。全車速域でトルクに溢れるV6エンジンの方が基本的に扱いやすいものの、このパワフルな2.0Lターボの方が走ってて楽しいはず。
新型ラングラーはまさに走りと乗り味は割と異次元レベルで進化しており、この「両立レベルがハンパない」とはプレイボーイの試乗記事。「オフロードとオンロードの両方が優先させた」というジープの中の人の発言も嘘ではなさそうです。
【試乗】ジープ新型ラングラー 感想・評価評判・口コミまとめ
以上、カーギークによるジープ新型ラングラーの試乗インプレッションでした。
結論をまとめると、新型ラングラーは非常に魅力的な商品に仕上がっていると思います。
新型ラングラーの最小回転半径は6メートル超えですが、実はこれでも先代よりも90cmも短くなったらしい。ボンネットフードを起点に距離感は意外とつかみやすく、車高の高さも相まって前方視界性は悪くはない。
そのため先代ラングラーよりも街中で随分と運転しやすくなってるのではないか。
また室内空間が広がっただけではなく、シートにリクライニング機能が追加されるなど、今では当たり前の機能が標準装備化されたのも嬉しい。そして、エンジンはアイドリングストップ機能付きということで、新型ラングラーは燃費にも優しくなってる。
つまり、新型ラングラーはオフロード性能の高さはそのままに「日常の足車としての魅力」が随分と向上してくれちゃってるんですね。現時点で先代ラングラー(JK)も未だに発売中ですが、もはや新型モデルを選ぶ以外の道はないか。
ただし、新型ラングラーの価格は3ドアモデル以外でも先代比で+60万円ほど割高になっております。
新型ラングラーの価格を見ておくと、「アンリミテッドスポーツ(2.0Lターボ)」が494万円。「アンリミテッドサハラ(3.6L V6)」が530万円。先代ラングラーの購入を考えてた方にしてみたら足踏みする要素であることには違いない。
それでもここまであらゆる面において質感が上がっていると、新型ラングラーはドイツの高級SUVなどとも十分対抗できる or 競合できる水準まで成長したのは間違いない。しっかり価格に見合った商品力が兼ね備えてるとカーギークでは太鼓判。
ちなみに興味があれば、【感想】ベンツ新型Gクラス 試乗レビューや【評価】ボルボ新型XC60 試乗インプレッションなどもご参照ください。
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