先日、ビッグマイナーチェンジを行ったマツダ新型CX-3。新型CX-3ではエンジン排気量を1.8Lに拡大させるなど、もはやフルモデルチェンジ並の改良で話題になりました。
そこで今回カーギークではマツダ新型CX-3の試乗インプレッションをレビューしてみたいと思います。果たしてアップサイジングは功を奏したのか?改めて新型CX-3を再評価してみました。
新型CX-3の実燃費や乗り心地などについては記事後半にレビューしております。
【試乗】マツダ新型CX-3の内外装を評価してみる
まずはマツダ新型CX-3の内外装を評価してみようと思います。マイチェン前後で大きくは変わってないものの、改めて試乗レビューに入る前に新型CX-3の見た目をチェック。
マツダ新型CX-3の外観エクステリアがこちら。
新型CX-3では先代CX-5のようなフロントグリルに再設計。2個の横ルーバーで一つの横線を形成するようなデザインに進化。とはいえ、マイチェン前のCX-3と見比べても、大きな違いは読み取れないでしょう。
ただ、それでも上級グレード「Lパッケージ」ではバンパー下部とドア下部にメッキモールが追加されるなど、やはり新型CX-3の見た目は質感が地味にアップ。後ろから画像などで確認すると、よりCX-3の良さが改めて実感できそう。
また画像では見えない部分だと、新型CX-3はドアパネルやサイドウィンドウが肉厚化されており、先代よりも静粛性が高まっている点も見どころ。素直にCX-3の商品力が上がったと考えて良さそう。
パット見の「それ」よりも、実際に新型CX-3を試乗して感じる中の「それ」の方が先代との違いが出てるか。
○マツダ新型CX-3の内装は更に質感がアップ!
ってことで、続いてはマツダ新型CX-3の内装インパネ周りを評価してみようと思います。
マイナーチェンジ前のCX-3と大きくデザインは変更されていないものの、ドアトリム部分など中段部分のガーニッシュは全てスエード素材に統一されております。細かい部分で質感が高められております。
例えば、エアコン吹き出し口のリング周辺もピアノブラック調からサテンメッキに変更。またレッドの差し色のベゼルが上級グレード「L Package」にはあしらわれるなど、マツダ新型CX-3の内装の質感はマイナーチェンジ後は更にアップしていると評価できそう。
もちろんシート表皮もオール本革。それ以下のグレードのシート表皮は合成皮革素材ではあるものの、触り心地は十分気持ちいい。扱いやすさや手入れのしやすさを考えたら、むしろ本革じゃない方が楽かも知れない。
○電動パーキングブレーキの追加で実用性もアップ!
他にも、新型CX-3のセンターコンソールにはBOX付きアームレストが追加。理由はシンプル。マツダ新型CX-3には「オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ」が標準装備になったから。
カーギークでは既に指摘済みですが、車体がコンパクトな車種ほど電動パーキングブレーキの効果は生きてくる。それを真っ先に証明してくれたのが、このマツダ新型CX-3。
マツダコネクトのダイヤル部分も移動して操作性が向上するなど、マツダ新型CX-3の内装面は地味に全体的に使い勝手や質感がアップしておりますマイナーチェンジ前のCX-3の所有者ほど気付ける部分は多そう。
マツダ新型CX-3のエンジンスペックまとめ
最後はいよいよ試乗記事の本題。マツダ新型CX-3の走りはどう向上したのか?まずはスペックを確認しつつ、新型CX-3の走りの良し悪しを評価していこうと思います。
○ガソリンエンジンのスペックまとめ
- 排気量…2.0L直4ガソリンエンジン
- エンジン最高出力…110kW(150PS)/6000rpm
- エンジン最大トルク…195Nm(19.9kgm)/2800rpm
- 車重…1250kg
- 変速機…6速AT
- タンク容量…48L
- カタログ燃費WLTCモード…16.6km/L
○ディーゼルエンジンのスペックまとめ
- 総排気量…1.8L直4ディーゼルターボ
- 最高出力…85kW(116PS)/4000rpm
- 最大トルク…270Nm(27.5kgm)/1600~2600rpm
- 車重…1300kg
- 変速機…6速AT
- タンク容量…48L
- カタログ燃費WLTCモード…20.0km/L
ちなみにどちらも最小回転半径は5.3メートル。マツダ新型CX-3はコンパクトSUVという位置付けではあるものの、国産車の中ではそれなりに取り回し性能はそこまで高いレベルではありません。
新型CX-3の「乗り心地」は高級車さながら
まずは新型CX-3の静粛性や車内の乗り心地から評価してみようと思います。
結論から書くと、新型CX-3の乗り心地は最高クラスに入ると評価できそう。やはり前述のように、新型CX-3は天井のヘッドライナーの厚みなども増して静粛性がアップしたことで、車内が落ち着いた空間に仕上がってる。
「車内の静粛製の高さは高級車さながら」と評価するのはカートップの試乗レビュー。「ハッチバックモデルにありがちなこもり音などのいやなノイズが見事に抑え込まれてる」と評価するのはプレイボーイの試乗記事。
新型CX-3はダンパーを大径化したり、トレッド剛性を高めるなど足回りがフルモデルチェンジ並に改善。前席シートには新型CX-8に採用済みの高減衰ウレタンを使用しており、細かな凹凸や振動などの雑味もしっかり吸収してくれてるのがミソ。
新型CX-3の乗り心地はあらゆる面で弱点が克服されている印象。「こういう乗り味が欲しかった」と新型CX-3を評価するのはベストカーの試乗レビュー。まさに言い得て妙というか、新型CX-3を試乗すれば誰もが納得できそうな文言。
ガソリン車の新型CX-3は「軽快なフットワーク」が売り!
まずは新型CX-3のガソリンエンジンの走りを評価してみようと思います。
2015年に登場したCX-3は当初ディーゼルターボのみだったんですが、2017年に投入されたのが2.0L直4ガソリンエンジン。ただ新型CX-3ではガソリンエンジンは改良されて、数馬力ほどパワーアップしております。
もちろん微々たる上昇ではあるものの、相変わらず新型CX-3のガソリン車はアクセルワークに優れており、低速域から高速域まで幅広い領域において、軽快にキビキビと加速してくれるのは変わらず。
また乗り味の向上がそのままトレース性能の向上に直結しており、新型CX-3はステアリングフィールが軽くなったことも相まって、ガソリンモデルは軽快なフットワークがドライバーを楽しませてくれると思います。
ただし、静粛性という面で評価すると、ややディーゼルターボには負けるかも。それでもディーゼルより割安な価格設定を考えたら、CX-3ガソリン車は「お買い得」とカーギークでは評価してみる。
新型CX-3のディーゼルターボは「乗り味の良さ」がおすすめ!
続いては今回の試乗レビューの目玉。果たして1800ccにアップサイジングしたマツダ新型CX-3の走りはどんなもんなのか?
結論から書くと、新型CX-3ディーゼルの走り味の評判は上々。新型CX-3は10馬力ほどパワーアップしてることもあって、「まるで新型CX-5をドライブさせているかのようなゆとりに感動」と評価するのは、カートップの試乗レビュー。
ただ300ccほど排気量がアップしたものの、実は新型CX-3のトルクは1500ccエンジンの時からほぼ大差ない。そのためベストカーの試乗記事では「ドライバビリティは思ったよりも進化が少ない」といった評価も。
でもディーゼルは余力が増したことで、燃焼効率に優れた回転域で走行する機会が増えた。そのためエンジンから伝わる静粛性も高まっており、「アイドリング時はプルプルとした振動がわずかに響かせる」だけとはプレイボーイの新型CX-3の試乗記事。
つまり結果的にアップサイジングはトルク感というより、エンジンの振動改善に繋がってる面が大きいと考えた方がいいか。そのことが「新型CX-3ディーゼルの方が静粛性の高い」と言われる所以にも繋がっているのか。
そのためトータルバランスでの走りはマツダ新型CX-3ディーゼルに軍配が上がりそう。
マツダ新型CX-3の実燃費はアップしたのか?
最後気になるのは新型CX-3の実燃費。カタログ燃費は前述を参考にしてもらうとして、どれぐらい新型CX-3の実燃費は向上しているのか?
結論から書くと、マツダ新型CX-3の実燃費はほぼ横ばいのまま。一応、マツダの中の人は「実燃費は数%ほど向上」と言ってるようですが、まぁ、誤差の範囲内と考えた方がいいでしょう。
じゃあ、マツダ新型CX-3の実燃費はどんなもんなのかというと、カートップの試乗レビューではディーゼルの実燃費が20.7km/L。ガソリン車の実燃費が14.7km/Lだったとのこと。ほぼカタログ燃費に近い数字。
そこで先代CX-3の実燃費を紹介しておくと、マガジンXの試乗記事ではディーゼルだと街中燃費が20km/L前後。高速燃費も20km/Lだったらしい。良くも悪くも、昔からマツダ新型CX-3は安定して低燃費は達成している模様。
言うまでもなく、ガソリンよりも軽油は価格が安い。そのディーゼルが安定して低燃費を叩き出してることを考えたら、維持費のみでマツダ新型CX-3を選ぶなら「ディーゼル一択」とカーギークでは言っておきたいと思います。
【試乗】マツダ新型CX-3 口コミ・評判・感想レビューまとめ
以上、カーギークによるマツダ新型CX-3の試乗レビューでした。
一言で試乗レビューの評価をまとめると、マツダ新型CX-3の商品力は思ってる以上に進化しているというのが率直なカーギークの感想。新型CX-3は今年2018年のマイナーチェンジで随分完成された感があり、もはや逆に、もうコレ以上劇的に進化する余地がなくなったほど。
今回の試乗記事では詳細は触れてないものの、マツダ新型CX-3の自動ブレーキも地味に進化しており、トヨタ新型セーフティーセンス並の精度の高さを誇る。ACC対応、夜間歩行者対応の自動ブレーキが標準装備。安全性の高さはアテンザと並んで国内トップクラス。
そういった装備の充実や内外装のテコ入れもあるにも関わらず、この新型CX-3の価格帯は4~5万円ほどの値上がりに抑えられており、もし車選びに迷ってるならズバッと決断して良さそう。
安い輸入車SUVランキングもカーギークでは執筆しましたが、ブランド名などにこだわりがないなら素直に新型CX-3を購入した方が幸せになれるかも。最小回転半径5.3メートルという比較的扱いやすいサイズも新型CX-3は日本人向けで買いやすい。
コメント