一昔前に日本市場から消えてしまったものの、つい先日、13年ぶりに復活販売がされたピックアップがトヨタ新型ハイラックス(既に海外では2015年にデビュー済み)。
このハイラックスの世界累計販売台数はなんと1700万台以上。トヨタだとカローラの累計販売台数が4000万台ってことを考えると、いかにハイラックスが世界的に売れている人気車種かが分かります。
実際、日本国内に復活した新型ハイラックスの初期受注も割りと好調らしい。
そこで今回はトヨタ新型ハイラックスの試乗インプレッションをレビューしてみました。ハイラックスの納期や実燃費はいつなのか?など、ネットや雑誌など様々な試乗感想も含めて総合的に評価してみました。
トヨタ新型ハイラックスの購入に迷っている方は、今試乗レビューなどを参考にしてください。
新型ハイラックスの内装は先代より大幅質感アップ!
試乗記事ということで、まずはトヨタ新型ハイラックスの内外装をチェックしてみたいと思います。
まずトヨタ新型ハイラックスの内装インパネ周りがコチラ。
結論から評価すると、内装の質感はまずまず。
「意外と洗練されてる」とハイラックスの内装面を評価するのはdriverの試乗記事。YouTubeでの試乗動画などを見ても「十分すぎるぐらい」と好意的に評価されるなど、新型ハイラックスの試乗レビューでは批判的な感想は多くは目にしません。
ただ新型ハイラックスの価格帯が330~380万円前後と割高のため、個人的な感想を述べるなら決して質感が高い内装とまでは言えない気はします。それでも、日本ではピックアップトラックの代用ができるクルマは軽トラぐらいしか存在しない。
そう考えたら液晶ナビやブルーに輝く自発光式メーター(上級モデル「Z」のみ)など、新型ハイラックスの内装は「若者が乗ってても全然恥ずかしくない質感」には仕上がっていると思います。
少なくとも新型ハイラックスの内装は商用車感はゼロであり、あくまで価格とのバランスを考えると…というだけであって「安っぽさ」はありません。実際、新型ハイラックスを購入する若者ユーザーも少なくないのもうなずけます。
ちなみにハイラックスがタイ産ということですが、日本向けにワイパーモーターなどが強化されているなど、現地仕様のハイラックスとは変更点は多いらしい。
新型ハイラックスの室内空間は想像より広々!
続いて新型ハイラックスの室内空間の広さをチェック。
先代ハイラックスよりも一回り大きくなってるだけあり、割りと室内空間は開放感には長けており広々。先程の水平基調のデザインのインパネに関しても、「実寸以上に広く見える」と評価するのはカートップの試乗記事。
また後席シートの座り心地は先代ハイラックスより改善。新型ハイラックスもチップアップシートが採用されてるものの、4対6で分割することが可能。しかも先代と違ってシート下の空間が空いてるため、意外と後席でも足元空間の狭さは気にならないと思います。
後席シートにもアームレストが設置されているなど、新型ハイラックスはかなり乗用車ライクに仕上がっております。シートの質感は当然にして改善されているため座り心地は必要十分。様々な自動車雑誌の試乗記事でも「新型ハイラックスの居住性は悪くない」とまずまずの評価が散見されます。
少なくとも先代ハイラックスと比べると、前後シートは触り心地や座り心地も上々のレベルに仕上がってるはず。ただ後席シートは相変わらずリクライニングはできず垂直に立ち気味のため、さすがに新型ハイラックスのリアに長時間乗るのはしんどそう。
また新型ハイラックスは最低地上高も高いため、運転席に乗り降りするのも背が小さい女性は大変だと思います。特にサイドステップの幅が狭いのもやや難。足の大きい成人男性もちょと乗降性は辛い。
他にも新型ハイラックスの後席シートに数kg程度の荷物を置いておくと、シートベルトの警告ブザーが勝手に鳴ってしまうなど調整不足感も否めません。
新型ハイラックスの見た目はかなりイカス!
改めて確認しておくと、新型ハイラックスのエクステリアがコチラ。
新型ハイラックスの前方部分だけを見れば、ランドクルーザープラドのような流行りのSUV風でかっこいい。それでいて意外とゴツゴツもしていないため、丸みを帯びた雰囲気は万人受けしそうなデザイン。悪目立ち感はなく買いやすい。
そして、現在ではほとんど見られないフェンダーミラーも「温故知新」。良い意味で古き良きピックアップトラック風を演出。先代よりも車高が上がっており、新型ハイラックスは車体サイズも含めてかなり存在感が強いピックアップトラックに仕上がっております。まさに正常進化。
新型ハイラックスを背後から確認すると、やはりメッキ感が施されております。いかにも現代風のスタイルを醸し出しながらも、車体下から覗かせる鉄板の「無骨さ」はまさにピックアップトラック。ちなみに車体下にはスペアタイヤも隠されています。
新型ハイラックスも伝統的なラダーフレーム構造が採用されており、ガチガチの剛性感の高さを彷彿とさせておきながらも、昨今流行りのSUVテイストな雰囲気を漂わせるミスマッチ感。このギャップ感こそが、まさに最新のピックアップトラック。
新型ハイラックスの荷台は500kg搭載可能!
そして気になるのは新型ハイラックスの荷台。
なんと最大積載量が500kg。もはや一体何を積むんだと言いたくなるぐらいのタフネスさと懐の深さ。そして荷台開口幅は最大で1380mm。軽自動車の車幅が1475mmのため、わずか差は9.5cm。もはや新型ハイラックスに「積載できないものは何もない」と言っても過言ではないでしょう。
ハイラックスの全長そのものが5.3メートルと長大。そのため一般的な駐車場に停めようとするとフロント部分がはみ出るなど不都合も多い。ただ「オーバースペックに対する男のロマン」と評価するのはマガジンXの試乗記事。
アウトドアや商用目的でハイラックスを使用する場合を考えても、このオーバースペック感ありありの車体サイズはかえって好都合。日常で扱うには不便も多いものの、使い勝手の点では無限大。
例えば国沢光宏の試乗動画では、子供を迎えに行ってそのまま濡れた自転車を荷台に載せて帰宅できるなどが提案されてる。重い家具やベッドなど、割とどんなものでも運べちゃうのが便利。
新型ハイラックスの「乗り心地が固め」の理由
ということで、ようやく新型ハイラックスの試乗記事の本題。
さっそく結論から書くと、乗り心地に関してはおおむねネガティブな感想も目立ちます。
要するに、新型ハイラックスの乗り心地は固め。何故なら理由はシンプル。トヨタの中の人曰く、新型ハイラックスの足回りは「荷台に500kgの荷物を乗せてる」ことが前提の味付けをされているから。
例えばdriverの試乗記事では「低中速域での乗り心地が硬い」、カートップ・国沢光宏の試乗記事では「少し荒い路面だと眼球が揺さぶられ、視界までブレるほど」とすこぶる散々。「バイクでいえばハーレー」と表現するのはベストカーの試乗記事。
一応、平坦な道路であれば「乗り心地そのものはしなやかな板バネ式サスペンションもあって予想以上に良好」と新型ハイラックスを評価するプレイボーイの試乗記事もありますが、特に新型ハイラックスは荒れ地を走行するとリヤ周りが空回りしがち。
そのため日常生活で新型ハイラックスを使うと、ややハードな一面も見られます。少なくともヨーロッパの高級SUVや最新の国産のプレミアムSUVと比較すると、新型ハイラックスの乗り心地は明らかに見劣りはするはずです。
とはいえ先代ハイラックスと比べると、静粛性など先代ハイラックスよりは改善されてる。車体は堅牢であり、2トンを超える車重もあって新型ハイラックスは横風からの影響は至って軽微。そのため新型ハイラックスで高速道路でかっ飛ばしても不安感は意外と乏しいでしょう。
つまり、新型ハイラックスの乗り心地などは基本的に質実剛健。新型ハイラックスはラダーフレーム構造や極端な味付けの調整もあってか、良くも悪くも「ピックアップトラック」的な乗り心地を覚悟する必要がありそうです。
トルクの太さと走破性の高さがハンパない新型ハイラックス
ただ一方、新型ハイラックスの走破性はハンパない。
「後輪の片側が地面から50cmは浮く超デコボコ路面を走ったが、ハイラックスは自慢のパートタイム4WDシステム難なく走破」と驚愕するのはプレイボーイでの小沢コージの試乗記事。
新型ハイラックスはダイヤル一つで駆動力を配分できるモードを切り替えられるんですが、「L4(ロー四駆)」状態だと地面から45度傾いて前後対角のタイヤが浮いていても、新型ハイラックスは難なく走破可能。
ハイラックスはまさに「漢の乗り物」。そこら辺の本格的なSUVだって目じゃない。
そして新型ハイラックスは先代から引き続いて、2.4L直4ディーゼルターボを搭載。このディーゼルターボは最大40kgmを超えるトルクが2メートル強+2トン超えのハイラックスボディーを余裕で走らせます。
6速AT(シーケンシャルシフトマチック)も変速は滑らかであり、新型ハイラックスの加速感は胸のすく心地良さがある。
ディーゼルターボエンジンの騒音に関しては「ディーゼル特有のノック音は出すものの、ひと昔前より圧倒的に静かで振動もなし」とカートップの国沢光宏の試乗。「3000回転以上だとやはりノイズが気になるが、巡航で1000回転台だとほとんどエンジン音が聞こえてこない」とはdriverの試乗記事。
当然それだけの加速力があれば、気になるのはやはり「牽引力」。新型ハイラックスの最大牽引力は3.5トンと、積載量以上にハンパない。そこら辺のボートであればらくらく引っ張ることが可能。事故車だって簡単に牽引できちゃう。
まさに新型ハイラックスは走って良し、運んで良しの質実剛健なピックアップトラックと言えましょう。
新型ハイラックスは依然として小回りは効かないが…
一方で新型ハイラックスの全長は5.3メートルもあるため、当然にして小回りがきかない。狭い路地が多い住宅街などで新型ハイラックスを乗り回すのは大変でしょう。先代ハイラックスより車体がサイズアップ以上、尚更。
ただ前述のように内装インパネは開放感があるため、新型ハイラックスはSUV以上に見切りが良いため運転しやすい。予防安全技術も上級グレード「ハイラックス・Z」に標準搭載してるため、実は先代より安全性はアップしてる。
また新型ハイラックスは車体は大きい割にロール感も少なく、良い意味で「どっしり感」がある。そのため乗り心地さえ気にならなければ、ワインディングロードなどでも乗り回す楽しみがあります。
だから試乗記事も含めて一言でまとめるなら、新型ハイラックスの走りは「これほど一長一短があるクルマはない」といった評価に落ち着きそう。そのためハイラックスの購入時にはそういった良し悪しが魅力的に感じるか or 許容できるかで判断すると良さそうです。
新型ハイラックスの実燃費はどうなん?維持費は高いの?
ただいくら新型ハイラックスが面白い車だったとしても、気になるのは維持費。日本政府や行政は車社会に対して不寛容。どうしても特に大きなクルマを維持していく上ではお金もかかります。
でも結論から書くと、ハイラックスの実燃費は10km/L前後とまずまず優秀だと思います。もちろん荷物を載せないなど前提は限られますが、新型ハイラックスはほぼほぼカタログ燃費通りの実燃費を達成できてるのではないか。
エンジンはパワフルかつ変速機に6速ATを採用するため、新型ハイラックスではムダなアクセルワークが減り、そこまでエンジンの回転数も上がらない。結果的に実燃費がそこまで悪化せず、一般的に想像する水準よりも実燃費は良さそう。
ましてやハイラックスの燃料は軽油。また1ナンバーは毎年車検はあるものの、一回に負担する金額そのものは安い(軽自動車程度ぐらい?)。そのため新型ハイラックスの経済的負担はたかだか知れており、むしろ維持費という点ではかなり経済的。
少なくとも300万円台半ばの新車を購入する人からすれば、屁でもないでしょう。
新型ハイラックスはリセールバリューの高さもおすすめ
またハイラックスはリセールバリューの高さがおすすめ。
YouTuberのカズ(先代ハイラックス所有)によると、先代ハイラックスの中古価格でも150~200万円程度のお値段が付くらしい。爆発的にハイラックスが普及してるアメリカでも15年以上前の型落ちモデルでも100万円以上とリセールバリューは驚異的。
新型ハイラックスも同様に、リセールバリューがすぐ大きく下がるとは考えづらい。新型ハイラックスは車体価格はそれなりのお値段はするものの、レクサスなどと同じ理由で実は買いやすいかも知れない。
新型ハイラックスの納期は半年程度?
でも新型ハイラックスはタイから逆輸入してるため、強いて言えば納期だけがネックか。
2017年11月現在の新型ハイラックスの納期は半年程度とのこと。既に年間の販売台数を確保してるため、来年2018年の今ぐらいまではハイラックスの納期はそこそこ長くなるのではないかと予想されます。
それでもコンスタントにハイラックスが爆発的に売れるとは思えないので(また中古車を購入する方も増えるはず)、2019年頃には新型ハイラックスの納期はだいぶ落ち着くでしょう。実際、2018年2月の時点で既に新型ハイラックスの納期は数ヶ月程度まで落ち着いてる模様。
新型ハイラックス 試乗感想・評判・口コミおすすめまとめ
以上、トヨタ新型ハイラックスに関する試乗感想でした。
まさに新型ハイラックスは「ワイルドさ」と「都会さ」を兼ね備えたピックアップトラック。個人的には新型ハイラックスの乗り味も最新のSUVライクに近付けるべきだった気はしますが、特に広大な土地を持つアメリカや海外で人気というのも頷けます。
また新型ハイラックスはスマートキーなど最新装備がてんこ盛りで、使い勝手も大幅に向上。安全装備も充実。新型ハイラックスはインパネ周りも割と豪華に仕上がっており、先代ハイラックスと比べるとショボく見えるはず。
新型ハイラックスが復活した理由に「先代ハイラックスの代替え」があるそうですが、先代ユーザーは間違いなく新型ハイラックスが欲しくなるはず。お暇な時にでも新型ハイラックスの試乗をおすすめします。
どうやらトヨタディーラーも力が入ってて、ハイラックスの試乗車がほぼ全店で用意されてる模様。
トヨタ新型ハイラックスのグレード間格差は気になる
ただ気になる点があるとしたら、新型ハイラックスは「グレード格差が激しい」こと。
ハイラックスは2グレードしか展開してないんですが、今回の試乗記事でレビューしたおすすめ装備品は上級グレード「ハイラックス・Z(370万円)」にしか装備されていないことも多い。要するにエントリグレードの「ハイラックス・X(約330万円)」がしょぼい。
例えば左右の後輪同士を直結させるリヤデフロックやACC機能付きの自動ブレーキ(セーフティーセンスPではない)、LEDヘッドライトやインパネアッパーボックスにある空調機能など割と装備がガッツリ削られてる。
正直、価格差以上の装備差があると思うので、ハイラックスの廉価グレードは完全なる捨てグレードと言っても言いのではないか。少なくとも「ハイラックス・X」は色んな装備を削った上での価格330万円であることは覚えておいて損はしないと思います。
ちなみに実際の世間の評判も自分の予想通り、新型ハイラックスの売れ筋は上級グレード「Z」のこと。詳しくは「新型ハイラックスおすすめ人気グレードまとめ」を参照。
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