今回は2017年後半に発売されたアルファロメオの新型ジュリアの試乗インプレッションをレビューしたいと思います。ジュリアは新型車であるものの、40年以上前に発売されていた名車。
つまり新型ジュリアは久しぶりにアルファロメオに復活したDセグメントカー。そこで新型ジュリアに対する個人的な感想や様々な試乗記事などを総合的に評価してみました。
新型ジュリアは価格が1000万円を超える「クアドリフォリオ」というハイパフォーマンスモデルと、500万円台の「スーパー」と「ヴェローチェ」というグレードが用意されてる。今回はそれぞれに試乗評価を分けて感想をレビューしております。
アルファロメオ新型ジュリアの内外装ってどうなん?
まずはアルファロメオ新型ジュリアの内外装から簡単にチェックしたいと思います。
最初は新型ジュリアのフロントマスクがコチラ。画像はクアドリフォリオですが、他のグレードと見た目的にあまり大差はありません。
新型ジュリアは特徴的な逆三角形のグリルをあしらわれており、その隣に巨大なエアインテークと合わされており、さながら三つ葉風なデザイン。新型ジュリアもいかにもアルファロメオらしい血脈を引いてることがわかります。
個人的にはアリなデザインだと思いましたが、新型ジュリアを試乗した元プロ野球選手のGG佐藤は「派手すぎる」という感想をレビューしてました。ただアルファロメオそのものが良くも悪くも個性的ではあるため、言っても他のアルファロメオ車とあまり変わらない気もします。
強いて言えば、新型ジュリアクアドリフォリオのホイールデザインがハンパない。ここまで空間を作って大丈夫なんかな?と思っちゃいますが、もはや中身のブレーキパッドなどが丸見え状態。
ただクアドリフォリオはスポーティーな味付けがされているグレードではあるため、これはこれでアリなのかなと思いました。確かにホイールデザインに関しては、ここまでぶっ飛んだ車種は新型ジュリア以外にはないのかも。
○新型ジュリアの内装はオーソドックスにカッコイイ
続いては新型ジュリアの内装インパネがコチラ。
かなりスタイリッシュに洗練されたデザイン。程よい華美さを残しつつも、スポーティーさも感じさせます。特にボタン類が変にゴチャゴチャしておらず、まとまり感があるため機能的なのも魅力。
新型ジュリアの独創的な外装とは違って、内装面に関しては少なくとも幅広く受け入れられやすいデザインではありましょう。スポーツカー的な躍動感がありつつも、しっかり高級感がたっぷり。
だからといってコックピットは狭すぎずゆったり。収納スペースなど実用性の点でも必要十分。
新型ジュリア・クアドリフォリオの試乗感想まとめ
まずは新型ジュリア「クアドリフォリオ」の試乗インプレッションからレビュー。自動車雑誌などでも大きく注目されているハイパフォーマンスモデル。
ちなみに「クアドロフォリオ」ではありません。またクアドリフォリオの意味は「四つ葉」になります。
新型ジュリアクアドリフォリオの搭載エンジンは2.9L V6ツインターボ。アルファロメオもご自慢のエンジンなのか、新型ジュリアのボンネットを開けると「V6」とデカデカとエンジンに表記されてます。
このクアドリフォリオのスペックは最大出力が510PS/6500rpm。最大トルクが61.2kgm/2550rpm。そこに電子制御式8速ATが組み合わさるFR車なんですが、クアドリフォリオは0-100km/h加速は3.9秒と4秒を切るため問答無用でヤバイ。
新型ジュリア・クアドリフォリオの車重は1710kgとそこそこ重いものの、その重さを物ともしない加速のパワフルさはまさに「モンスター」。500馬力超えってのは市販車でもまずお目にかかれないでしょう。
○フェラーリの血を引くモンスターエンジン
実際、クアドリフォリオ搭載のエンジンはフェラーリのサポートを得て開発されており、カリフォルニアT搭載のエンジンから2気筒分をカットしただけのものらしい。これで新型ジュリアクアドリフォリオが速くないわけがない。
だから新型ジュリア・クアドリフォリオのアクセルワークは、まさにキビキビ。そして、まさに自由自在に縦横無尽。「瞬間移動」と評価するのは河口まなぶの試乗動画。クアドリフォリオのライバルになるとしたら、メルセデスベンツのAMGやBMW・M3あたりか。
ただ時速60km/hで走行してもエンジンは2000回転を超えることはない。だからクアドリフォリオはハイパフォーマンスモデルではあるものの、至ってエンジン音は静か。でも、そのことで快適性に存分に寄与。
一方、新型ジュリア・クアドリフォリオには「レースモード」が用意されており、そのレースモードを選んで走るとエンジンはまさに「吹け上がる」ように加速してくれる。通常モードとは違って、エンジンはブンブンに回転してくれる。
実に刺激的なエンジン音は、まさに新型ジュリアのCMが主張するように「感性を刺激」してくれる。さながら気分はカードライバー。強いて言えば、6000回転程度でリミッターが働くためテンションが冷めてしまうのも早いか。
○新型ジュリア・クアドリフォリオの乗り味は快適
そのため新型ジュリア・クアドリフォリオの乗り味は至って快適そのもの。
マルチリンク式のサスペンションは奥行きがあって、実によく動いてくれる。アルファロメオらしい乗り心地の硬さを残しつつも、凹凸感をしなやかに上手にいなしてくれるため、何とも言えない心地よい余韻感もハマる。
新型ジュリア・クアドリフォリオはベンツAMGなんかと比べると乗用車ライクが強く、良くも悪くも日常で使う分に向いてるスポーティーな高級サルーンと言えそう。タイヤサイズは19インチではあるもののマイナス面はなく、新型クアドリフォリオのデザインの良さだけが際立つ。
じゃあ新型ジュリアの廉価モデルにあたる「スーパー」や「ヴェローチェ」はダメなのか?
新型ジュリア「スーパー」「ヴェローチェ」の試乗感想まとめ
ということで続いては新型ジュリアの「スーパー」と「ヴェローチェ」の試乗インプレッションをレビューしたいと思います。スーパーの価格は約540万円、ヴェローチェは580万前後になります。
新型ジュリアはクアドリフォリオありきの高級セダンではあるものの、やはり一から剛性の高いプラットフォームを作り直してる。結果的にノーマル新型ジュリアの方がシャシー性能の高さを味わえる。
○新型ジュリアの鋭利な操縦性が堪らない
前述のクアドリフォリオがそうであったように、新型ジュリアのハンドリング性能は実にクイック。もはや鋭利とも言える操縦性の高さは、ドライバーの思い通りに車両をクイックに曲がってくれる。まさに新型ジュリアは意のままにキビキビ。
「まるでクルマが一回り小さく軽くなって、手足のように自由自在に動かせるような感覚」と評価するのは河口まなぶの試乗。西川淳の試乗でも「動きがドライバーの意思と心地よくリンケージしているクルマ」と新型ジュリアを賞賛。
「スーパー」と「ヴェローチェ」の搭載エンジンは2.0L直4マルチエアではあるものの、至って軽快。フラットトルクな加速に不足感はなく、出足は伸びやかでスムーズ。キビキビとクイックなハンドリング性能も含めて、新型ジュリアは全体的にスポーティーに仕上がってる。
また回転数も2000回転を超えることは少なく、やはりエンジン音は静か。乗り味はわりかし引き締まってるものの、しなやかさと硬さが絶妙にセッティングされてるため、新型ジュリアに乗っていても不快さは顔を覗かせない。
「ダイナミックモード」では加速の良さを更に楽しめるものの、思ったよりエンジン音が大人しめと評価するのは河口まなぶの試乗動画。ただ乾いた小気味いい吹き上がり音は上品ですらあると、個人的には思います。
○新型ジュリア・スーパーの実燃費はどんなもん?
だからエンジン回転数が必要以上に高まらないので、新型ジュリアの実燃費も意外と良い。
実際、ジュリアスーパーを試乗した西川淳によると、新型ジュリアの高速燃費は16km/L前後。市街地燃費も10km/L前後だったとのこと。カタログ燃費は13.6km/Lではあるため、新型ジュリアの実燃費はほぼ表記通りの水準と言えそうです。
新型ジュリアクアドリフォリオの実燃費に関しても、おそらく必要以上に悪化することはないと考えられます。維持費を重視して購入する高級セダンではないものの、新型ジュリアの燃料費は思ってるよりかからないでしょう。
【評判】新型ジュリア 試乗感想レビューまとめ【口コミ】
以上、アルファロメオ新型ジュリアの試乗レビューでした。
アルファロメオはすごいクセがある車なのかなぁーと思いきや、中身は実に王道。特にアルファロメオの「プレミアム中のプレミアム」を売りにしているだけあって、新型ジュリアは非常にあらゆる面で性能が高い。
例えば、ハンドリングはあまりにキビキビとクイックに曲がりすぎると、却ってドライバーの負担感が増すことも多いものの、新型ジュリアの場合は「そうじゃない」。本当に考えて作られてる点が意外な魅力。
試乗の感想を一言でまとめるなら、新型ジュリアは乗ってて楽しいクルマということに尽きるんだと思います。アルファロメオの宣伝文句通り、新型ジュリアの気持ちいい加速感と扱いやすい操縦性の高さにハマるはず。
○ジュリアは「スーパー」や「ヴェローチェ」もおすすめ!
だから、新型ジュリアはどうしても「クアドリフォリオ」ばかりが自動車雑誌の試乗記事でも目立ちがち。でも、やはりジュリアの売れ筋は普通のグレードになるはず。じゃあ「スーパー」や「ヴェローチェ」は買いなのかおすすめなのか?
結論から書くと、ジュリアスーパーやジュリアヴェローチェは意外と商品力が高いと思います。何故なら最近は当たり前化しつつある、ACC(追従クルコン)は全車速対応のものを標準搭載。装備面でも充実しており、走り以外でも商品としてスキがない。
確かに新型ジュリアの価格帯は500万円台と、そこそこのお値段が張る。ただ国産車を見渡すと、トヨタ・クラウンアスリートの価格帯が450~610万円ぐらい。ちょうど今回試乗した新型ジュリアの価格帯とかぶる。
新型ジュリアの走りは刺激的かつ官能的。乗り味もスポーティーではあるものの、快適性もしっかり保持。そして、何より「所有欲」を満たしてくれる点で新型ジュリアはクラウンのそれを超えるのではないか?
コメント