つい先日、レクサスから「新型UX」と呼ばれる新たなコンパクトSUVが発売されました。
このレクサス新型UXのベース車両はトヨタ・C-HRなんですが、女性のチーフエンジニアがメインで開発に携わり、トヨタ自動車九州の生産台数増に寄与すると言われている話題の新型車。
そこで今回カーギークではさっそく「レクサス新型UX」の試乗インプレッションを徹底的にレビューしていこうと思います。もし新型UXの購入を考えてる方はカーギークの感想も参考にしてください。
【試乗】レクサス新型UX 外観エクステリアの評価
まずはレクサス新型UXの内外装から評価していこうと思います。
新型UXのフロントマスクがコチラ。他のレクサス車と違って、LEDヘッドライトはそこまで切れ長ではないせいか(デイライトなどを一体化させてる)、フロントマスクの塊感は他のレクサス車より強いかも。
ややもするとレクサスらしい洗練さは欠けてる印象も持ちますが、逆にレクサスらしい悪目立ち感も減ったかも。ネット上の評判では車に興味がない人でも「カッコ良い」という声も少なくありませんでした。
個人的にカッコいいと思ったのがドアミラーの形状。一般的な丸みを帯びた膨らみがあるドアミラーと違って、なんだか攻撃的な流線型といった感じで非常にスタイリッシュ。実はレクサスのフラッグシップモデルのLSやLCのそれと同じ。
またサイド画像を見ると、レクサス新型UXのスタイリッシュさが余計に伝わります。
例えば、フェンダーアーチモールもフェンダーを縁取るように半円状に仕上げてるSUVも多い中、後ろにかけてグイッと少しだけ上がってるのも目を引いて面白い。アルミホイールもカッコ良い。
意外とこれまでのSUVではなかった仕掛けなどが施されるなど、これまでのレクサスデザインとは「異なる新たな試み」が随所で細かく読み取れます。もはやSUVの匂いはせず、クーペスタイルと表現した方が適切か。
ただし、サイドウィンドウの面積は非常に小さい。後方視界性や後席乗車時の圧迫感など、ベース車両のC-HRと似たようなデメリットはありそう。
【主要諸元】レクサス新型UX車体サイズまとめ
- 全長…4495mm
- 全幅…1840mm
- 全高…1540mm
- ホイールベース…2640mm
- 最低地上高…160mm
- 最小回転半径…5.2メートル
以上がレクサス新型UXの主要諸元になります。UXの意味は「under crossover」の略なんですが、ベース車両がC-HRだけあって言っても車体はそこそこデカい。
例えば、レクサス新型UXの車格はボルボ・XC40、ベンツ・GLA、VW・ティグアン、マツダ・CX-5、ホンダ・CR-Vなどのサイズ感に近く、あくまで日本国内では「ミドルサイズSUV」にはカテゴライズされそう。
ただ、レクサス新型UXは全高がとりわけ低くく設計されており、いわゆる低重心ボディ。成人男性ならルーフ全体を見渡せるほど。例えば、最低地上高など同じ車格のSUVと比べるとかなり低い。
一方で前述の外観デザインを見ても分かるように、しっかりSUVらしい雰囲気が強い。だからレクサス新型UXは、基本的に「見た目重視の仕上がり」である車であることが車体スペックからも読み取れそう。
ちなみに後で【感想】マツダ新型CX-5試乗レビューや【感想】ホンダ新型CR-V試乗レビューなどもご参照。
【レクサス】新型UX 内装インパネ 評価・感想まとめ
続いては「内装インパネ周り」の評価。
果たして、レクサス新型UXの内装は質感が高いのか?はたまた「レクサス最小コンパクト」を売りにしてるだけあって室内は狭いのか?広いのか?
結論から書くと、レクサス新型UXの内装の質感は高めです。
さすがにNXやRX並とまでは言いませんが、高級車で割とありがちですが運転席はドライバーを包み込むようなデザインに設計されてる。「ドライビングの高揚感を演出するインテリア」とはベストカーの新型UXの試乗記事。
例えば、メーターやナビ画面はエンジンを掛けると「UX」の文字が鮮やかにカッコ良く表示される。どういう風に表示されるのかはYouTubeなどの新型UXの試乗動画などもチェックしてもらうとして、素直にドライバーの気持ちが高ぶるメーターパネル。
個人的に面白いと思ったのが、レクサス新型UXの「和紙」のような表面があしらわれたダッシュボードの表面。和紙の触り心地ってなんか良いですよね。誰もがきっと初体験の感覚を味わえそう。
他にもディンプル素材のステアリングなど、素材面の触り心地にいろいろと工夫が見られます。
またLED照明付きのエアコンレジスターが地味にすごい。
青い部分が光ってる部分は、実は「ワイヤレス給電」の技術を活かして送電して光らせてるらしい。最新のスマホ用に「置くだけ充電」にも新型UXは対応してるんですが、この技術が応用されてるカタチ。
普通だったら必要な配線などが不要になるため、今後はレクサス新型UX以外の車種でも、また他のカーパーツにも応用されていきそうな未来的な先進装備。
レクサス新型UXは390~425万円という価格帯ではあるものの、新型UXの内装面はこういった革新的な様々な試みが随所で実を結んでる or しっかり商品として落とし込まれている点も高評価のポイント。
○レクサス新型UXの室内は思った以上に広々だが…
もちろんレクサス新型UXの内装面を詳細に見ていくと、スイッチ類もパット見はゴチャゴチャはしてる雰囲気もあるものの、全体的に操作しやすいのが○。人間工学を活かした使い勝手の良さがあると評価するUXの試乗記事も。
またセンターコンソールは横置きに2個ペットボトルを配置できたり、新型UXの前席や運転席周りは意外と広々してる。少なくとも小柄な日本人であれば、しっかりと「ゆったり感」を味わえると思います。
だから前述のように車高が低いものの、レクサス新型UXの室内は意外と広々としてると言ってもいいぐらい。
例えば、「圧迫感がなかったことに驚いた」とはカートップの試乗記事。新型UXの低いドライビングポジンションも相まって、「さながらセダン車」を運転してるかの感覚に陥り、「運転席に収まる感覚はクーペのように低い」とはベストカーの試乗レビュー。
ただし、レクサス新型UXのラゲッジスペースは狭い・小さいです。荷室の大きさは推して知るべし。またベース車両がC-HRだけあって、新型UXもお世辞にも後席シートも足回りの空間が広いとは言えないのでいろいろと割り切りは必要。
さながら後席シートはトヨタ・カローラスポーツを彷彿。ちなみに【感想】新型カローラスポーツ試乗レビューも後でご参照。
【レクサス】新型UXエンジンスペックまとめ
続いて走りや乗り心地の感想に入る前に、レクサス新型UXのエンジンラインナップの詳細を解説。
○UX200(M20A-FKS)エンジンスペック
- 排気量…2000cc直4エンジン
- 最高出力…128kW(174PS)/ 6600rpm
- 最大トルク…209Nm(21.3kgm)/4000~5200rpm
- 車重…1470~1500kg
- 駆動方式…2WD
【カタログ燃費】
- WLTCモード…16.4km/L
- 市街地…12.8km/L
- 高速燃費…18.7km/L
- 仕様燃料…ハイオクガソリン
- タンク容量…47L
○UX250h(M20A-FXS)エンジンスペック
- 排気量…2000cc直4エンジン
- 最高出力…107kW(146PS)/6000rpm
- 最大トルク…188Nm(19.2kgm)/4400rpm
- モーター前…80kW(109PS)/202Nm(20.6kgm)
- モーター後…5kW(7PS)/55Nm(5.6kgm)
- 車重…1550~1580kg(4WDは+60kg)
- 駆動方式…2WD/4WD
【カタログ燃費】
- WLTCモード…22.8km/L(4WDは21.6km/L)
- 市街地…22.0km/L(4WDは21.1km/L)
- 高速燃費…22.7km/L(4WDは21.7km/L)
- 燃料…レギュラーガソリン
- タンク容量…43L
UX250hには「4WD(E-Four)」が設定されてるものの、スペース的な問題もあってか、レクサス新型UXのリアモーターは弱い。プリウスと同じで、ほぼないに等しいレベルか。あくまで新型UXはSUVですが期待は禁物。
【感想】レクサス新型UXの走りはどんなもん?【試乗】
ということで、試乗記事の本題。レクサス新型UXの走りや乗り心地はどんなもんなのか?果たしてプレミアム感満載なのか?
さっそく個人的な感想を書くと、レクサス新型UXの走りは非常に洗練されてると思います。
レクサスの最小コンパクトSUVだけあって「乗り心地は相応」とややネガな評価もできそうですが、UXの低重心の車体から得られる「走行フィールは驚くほど整ってる」とはカートップの試乗レビュー。
何故なら、トヨタ・C-HRと同じシャシー(GA-Cプラットフォーム)を流用しているものの、レクサス新型UXは構造用接着剤を積極的に使用することで剛性感は増し増しだから。例えば、バックドアの開口部に環状構造するなどボディ剛性は、既に評判が良いC-HRを当然上回る。
一方でアルミ素材も多用することで、結果的に車重は控え目に収まってる。
そのためレクサス新型UXの加速感は必要にして十分。CVT特有のラバーバンドフィールも随分と改善され、スペック的にはトヨタ。・86のトルクと大差はなく、2.0Lガソリンエンジンでもスムーズなトルク感を引き出せる。
決して軽やかとは言わないものの、まさに塊感ある外観デザインのようなドッシリとした走りを味わえるのが特徴。またハイブリッドモデルは更に力強く走行し、随分とエンジン特有の雑味も減ってる印象。
○【挙動が素直】初心者でも乗りやすいプレミアムSUV!!
また新型UXはハンドリングレスポンスも素直。
決して軽すぎないので高速域でもグラグラ感はない。まず街中程度であれば、不安定なロール感を体感する機会は少なそう。「高速道路の出入り口のカーブで滑らかに走りを進めるUXはの一体感は日本でも十分に味わえる」とはベストカーの試乗記事。
レクサス新型UXではAピラーとドアミラーの間に隙間をもうけるなどして、前方視界性も良好。車の運転が苦手な人でも優しい設計もされており、レクサス新型UXの運転席の快適な包まれ感はクセになりそう。
そのため「刺激的な走り」はないものの、レクサス新型UXはデザインの方向性は優雅ですが、中身の方向性はしっかりと正統派に仕上がってるとカーギークでは評価してみる。
だから、さながらセダン車のような乗り味のレクサス新型UXはSUVに乗ってる感じは良くも悪くもしないので、だからこそ「SUVはちょっと苦手」という人ほどレクサス新型UXをおすすめできそう。
そういう意味で新型UXはまさに「初心者でも扱いやすいSUV」なのではないか。
【維持費】新型UXの実燃費は10~20km/Lの範囲内
最後はレクサス新型UXの「実燃費」をチェック。
結論から書くと、ハイブリッドモデル(UX250h)が10km/L台後半。ガソリンモデル(UX200)の実燃費は10km/L台前半程度に落ち着くだろうと予想されます。タンク容量はガソリン車が4Lほど大きいので、航続距離ではそこまで違いは出ないか。
ただし前述のように、UX250h(ハイブリッド)はレギュラーガソリン仕様に対して、UX200(ガソリン)は何故かハイオクガソリン仕様。そのため車両価格は安いものの、維持費の面でUX200はかなり不利と言えそう。
だから走行性能や燃費性能を総合的に改めて考慮すると、レクサス新型UXは特に理由がないならハイブリッドモデル(UX250h)を選ぶのがベターでありましょう。
○【試乗】先読みエコドライブ機能が実燃費向上に寄与?
ちなみに、レクサス新型UX250hから導入された「先読みエコドライブ機能」が何気にすごい。
ざっくり解説すると、最新のカーナビ情報を元に自動的にハイブリッドエンジンを効率的に制御してくれるという機能。
例えば、この先の道で渋滞してると分かれば、その直前から積極的に充電して電力を溜めてみたり、逆に渋滞時は積極的にモーター走行で燃料消費を抑えてくれたりするらしい。
そのため効果を発揮できる状況は限られるため、一回二回程度の試乗では効果は劇的に体感できる代物ではないと思うんですが、実際に購入して新型UXを中長期的に使用することで、ガソリン代や燃料費を節約できるはず。
田舎は基本的に道が空いてますが、とりわけ都市部では渋滞が多いため、新型UX250hのハイブリッドは実燃費向上に効果を発揮しそう。維持費の面でもレクサス新型UXはまさに「アーバンなプレミアムSUV」と表現できるか。
【試乗評価】レクサス新型UX 口コミ評判・感想レビューまとめ
以上、カーギークによるレクサス新型UXの試乗インプレッションでした。
個人的な感想をまとめると、レクサス新型UXは思った以上にGoodでした。正直、発売前の画像だけだとプレミアム感などはあまり感じなかったんですが、いざ試乗してみると随分と印象は異なります。
走りや乗り心地はRXやNXと比べるとまだまだ…といった感想を持つものの、それでも内外装の質感など全体的な商品力の高さは指折り。レクサス新型ESなどと同程度の最新自動ブレーキシステムも標準装備されるなど、トヨタ・ウィンダムの面影はゼロ。
とりわけレクサス新型UXは見た目や外観も含めて、意識高い系の購買層を刺激する様々な先進装備がてんこ盛りというのが特筆すべきでありましょう。本来ならレクサスのフラッグシップモデル・LSなどに投入されるべきものが、この新型UXにふんだんに取り入れられてる。
ちなみに、C-HRにも搭載されてる流れるウィンカー(シーケンシャルウィンカー)も新型UXには設定されないなど、新型UXのマイナス面は少なからず存在します。価格帯を考えると標準装備でも良かった気はしますが、その他の革新的な装備で補おうというレクサスの判断か。
○レクサス新型UXのおすすめは「SUVらしくない」こと
特に、レクサス新型UXは最低地上高が低く、良くも悪くもSUVらしくないのが良い。
何故なら、そのことで普通の乗用車と同じような乗降性の高さを誇るため、「NXやRXなどのSUVと差別化できてる部分」が多い。そういう意味において、実は最後発ではあるもののレクサス新型UXは購入しやすい点でもおすすめ。
やはりレクサス新型UXの価格帯は最大500万円近くするため、あくまで「最小コンパクトSUV」として考えると決して安いとは言いません。それでも昨今の国産SUVはマツダ・CX-5やスバル・フォレスターなど300万円超えしてる車種も少なくない。
それだけ国産SUVは価格も実力もしっかりレベルがアップしてる裏返しではあるんですが、レクサスのブランド力や内外装の質感の高さや装備面も考慮すると、そこまで新型UXの割高感もない気はします。
もちろんレクサスは値引き薄なので価格がもう20~30万円ほど安けりゃ完璧でしたが、それでも新型UXは十分に無理してでも購入したくなる選択肢ではないか。
ちなみに【感想】ボルボ新型XC40試乗レビューや【感想】ジャガー新型E-PACE試乗レビュー、【感想】レクサス新型ES試乗レビューなども併せてご参照ください。
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