ダイハツ新型ミラトコットが発売されて、早幾月が立ちました。当初は先代ミラココアよりルックスがダサいので売れるかどうか少し半信半疑でしたが、いやはやミラトコットの販売は好調らしい。
実際、ホンダは次期N-WGNの開発にミラトコットを参考にしてるという噂もあるほど。【最新】ホンダ新型N-WGNフルモデルチェンジ情報なども後でご参照。
一方、このライバル車といえば、やはりスズキ・アルトラパン。とにかく可愛らしい軽自動車として人気を博しており、現行モデルの発売年は2015年と少し古いものの、「アルトラパンモード」なる大人向けの特別仕様車も先日発売されたばかり。
そこで今回カーギークでは「ダイハツ新型ミラトコットとスズキ新型アルトラパン」を徹底的に比較してみたいと思います。正直、そこまで真剣に考えて購入するクルマでもないと思いますが、是非クルマ選びのご参考に。
【外観】ミラトコット vs アルトラパン デザイン比較
まず内外装を比較してみたいと思います。最初は「外観デザインの違い」をチェック。新型ミラトコットと新型アルトラパンはどっちのデザインが可愛いのか?
結論から書くと、外観デザインはスズキ・アルトラパンに軍配が上がりそう。フェンダーアーチモールなどは、さながらSUV風でお洒落。フロントグリルやヘッドライトも丸みがあって非常に可愛らしい。
一方、ミラトコットは非常に質素。ヘッドライトは丸みがあって可愛らしいものの、サイドには申し訳程度のプレスラインがあるのみ。さながらスズキのノーマルアルト風。良くも悪くも、ミラトコットをデザイン目当てで購入する人は少ないでしょう。
他にも、今度はピンクの同じ色味同士で比較してみると、更にミラトコットとアルトラパンの違いが見て取れるのではないか。塗装の風合いが全く違ってて、アルトラパンは本当に優しい色味をしてる。
とりわけミラトコットはツートンカラーがダサい。先代のミラココアと比べると随分とマシになった気がしますが、ミラトコットも相変わらず絶妙にダサい…と個人的には思います。元が質素なデザインだけあってどうしようもない。
だから、ミラトコットを「ミライースのオシャレ版モデル」として認識すると物足りなさがあるのは否めない。一方、アルトラパンは「アルトのオシャレ版」としての役割をしっかり果たしてる雰囲気。
【比較】車体サイズや主要諸元の違いまとめ
だから結構異なる雰囲気の両者。じゃあミラトコットとアルトラパンの車体サイズになにか違いが存在するのか?そこでそれぞれの主要諸元をまとめてみました。
○ダイハツ・ミラトコットの主要諸元
◆全長…3395mm
◆全幅…1475mm
◆全高…1530mm
◆ホイールベース…2455mm
◆最低地上高…150mm
○スズキ・アルトラパンの主要諸元
◆全長…3395mm
◆全幅…1475mm
◆全高…1525mm
◆ホイールベース…2460mm
◆最低地上高…155mm
○車体サイズはどっちもほぼ同じだが、それなりに違いも…
結論から書くと、ミラトコットもアルトラパンも車体サイズに大きな違いはありません。どっちも軽自動車だけあって、極端に小さくもなければ大きくもない。全長全幅は他の軽自動車と同じ。
ただ、外観デザイン的にアルトラパンの全高が低いイメージがあったんですが、ミラトコットの全高がやや高い程度に収まっております。逆に、ホイールベースはアルトラパンの長さが上回ってるほど。
一方、SUV風のルックスも手伝ってか、アルトラパンは最低地上高がトコットよりも5mmほど高い。その分だけ車内に乗り込みにくくなるため、乗降性に関してはミラトコットが若干上回るかも知れない。
【ミラトコット】内装インテリアの画像比較【アルトラパン】
続いては「内装インパネ周り」の画像を比較。外観デザインと同様、やはりアルトラパンの室内の方がミラトコットよりも圧倒的に可愛いんでしょうか?
結論から書くと、下のアルトラパンの内装の方が全体的には可愛らしく仕上がっていると思います。ハンドルに独自のロゴマークをあしらったり、ダッシュボード周りも「女子のお部屋」風に仕上がってる。アルトラパンはエアコンの吹出口も凝ってある。
ただ、上のミラトコットの内装も外観デザインほど悪くはないと思います。ベース車両のミライースよりも質感は高くなっており、ダイハツだとムーヴ、スズキだとワゴンRと見比べても遜色はない。
一方、収納スペースには細かい違いこそありますが、トータルで比較すると収納力の点ではアルトラパンもミラトコットも大差はなさそう。どっちも使い勝手に大きな違いはなさそう。
ただし、最後に価格面や装備面の比較は後述してますが、ミラトコットはアルトラパンよりも装備が充実しております。
例えば、ミラトコットは廉価グレードを除いてUSBソケットが2口が備わってるのに対して、アルトラパンは最上級グレードの「ナビ付きパッケージのメーカーオプションのみ」にようやくUSBソケットが備わる程度。
そのため内装面は見た目や質感の違いより、実はこういった装備面の差の方が無視できないかも。ここらへんの違いが最終的にクルマ選びの決め手になりそう。
【ミラトコット】室内空間はどっちが広いか?【アルトラパン】
内装を比べたので、続いては「室内空間の広さ」などを比較。
結論から書くと、ミラトコットもアルトラパンも車内の広さはほぼ同じと考えていいと思います。車体サイズに違いがほぼなかったことからも分かるように、物理的に室内空間に大きな違いが出るはずがない。
例えば、後席シートの足元空間はアルトラパンの方が心持ちやや広い印象ですが、基本的にニースペースは大差なし。そこらへんのSUVやセダン車並に広いため、どっちも車内で余裕で足を組めるはず。
逆に、頭上空間はミラトコットが上回るものの、やはりそれでもアルトラパンと大差なし。どっちも軽自動車だけあって荷室は非常に狭いですが、ラゲッジアンダーボックスはどっちもマイナス面をカバー。
ミラトコットのシートの方が若干柔らかめかなーという程度の違いしかなく、座り心地に関してもどっちも優劣の差があるほど大きな違いはないと思います。だから「居住性」という点で、ミラトコットもアルトラパンも「互角」と評価して良さそう。
どっちも女性ユーザーが乗るだけだったら車内は十分広く、深く思い悩む必要は皆無だと思います。
【アルトラパン】エンジンスペック比較【ミラトコット】
走りや乗り心地を比較する前に、ミラトコットとアルトラパンのそれぞれのエンジンスペックを先にチェック。
○ミラトコット(660cc直3エンジン)
◆最高出力…38kW(52PS)/6800rpm
◆最大トルク…60Nm(6.1kgm)/5200rpm
◆車重…720kg
◆カタログ燃費…29.8km/L
◆燃料タンク容量…30L
○アルトラパン(660cc直3エンジン)
◆最高出力…38kW(52PS)/6500rpm
◆最大トルク…63Nm(6.4kgm)/4000rpm
◆車重…680kg
◆カタログ燃費…35.6km/L
◆燃料タンク容量…27L
どっちも変速機は「CVTのみ」で、ミラトコットにもアルトラパンにも駆動方式には「4WD」も設定されております。
【比較】ミラトコットとラパンはどっちの走りがおすすめ?
続いては「走りや乗り心地の違い」を比べようと思います。正直、ミラトコットやアルトラパンを購入するユーザーが気にする部分とは思いますがテキトーにご参照ください。
結論から書くと、乗り心地などの走りはミラトコットに軍配が上がりそう。
例えば、ミラトコットのサスペンションは専用チューニングされており、ベース車両のイースの乗り味よりも格上。路面の衝撃もわりといなしてくれ、ワインディングロードでもロールも少ない。
「快適性や操縦安定性においては、ラパンより格上だと感じさせた」とはカートップの比較記事。やはりミラトコットは最近発売されただけあって、実はこう見えて中身はしっかり仕上がってる様子。
具体的に発売年を見ておくと、ミラトコットは2018年7月に対して、アルトラパンは2015年6月。そこまでじっくり試乗する軽自動車でもないですが、この「3年の違い」は意外と大きそう。今現在では、アルトラパンの車両としての古さは否めないか。
逆にアルトラパンは車重が軽く、エンジンスペックがミラトコットよりも優れてる。低回転域からトルクを出しやすく、トルクそのものも太いため、どちらかといえば「元気に走ってくれる」のがアルトラパンと評価できそう。
とはいえ、どっちもターボエンジンが設定されていないため、加速性能に関してはトコットもラパンも基本的には推して知るべしか。
さらなる詳細は【感想】新型ミラトコット 試乗レビューなども後でご参照ください。
○実燃費はアルトラパンに軍配があがるが…
一方、「実燃費や燃費性能」はどうなのか?
結論から書くと、アルトラパンの実燃費がやや優勢のはず。
先程のエンジンスペックの違いも参照してもらうとして、カタログ燃費は5km/Lほどアルトラパンが上回ってる。さすがに実燃費はここまで違いが出るとは思えませんが、アルトラパンは非常に軽量。
おそらく中長期的に乗ればアルトラパンの燃費性能が勝るはず。
ただし、航続距離はミラトコットに軍配が上がりそう。何故なら、ミラトコットの燃料タンク容量は30Lとまずまず大きいのに対して、アルトラパンは27Lしかないから。3Lの違いは意外と無視できない。
例えば、ミラトコットが実燃費で10km/L、アルトラパンが実燃費で11km/Lを走ったとすると、航続距離は単純計算でミラトコットが300kmに対して、アルトラパンは297kmに留まってしまう。
とは言っても航続距離に関しても、そこまで大きな違いが出るとは思いませんが、もしミラトコットやアルトラパンで遠出したい場合、覚えておいて損はしないでしょう。
【比較】自動ブレーキはミラトコットがおすすめ!
続いては「自動ブレーキ」の違いを比較。2012年にダイハツ・ムーヴが軽自動車で初めて標準装備されてからというもの、既に自動ブレーキは当たり前となっております。
結論から書くと、自動ブレーキの性能ではミラトコットに軍配が上がります。
何故なら、アルトラパンの自動ブレーキは古い赤外線センサー式タイプに対して、ミラトコットはステレオカメラ式の自動ブレーキしてるから。
カメラの数が1個と2個という違いからも明らかですが、ミラトコットは歩行者も検知できる上にソナーで後方にも対応するなど、アルトラパンの自動ブレーキとは歴然たる差があります。アルトラパンは4年前5年前ぐらいの性能しかなく、完全に「ないよりマシ」程度。
しかも、ミラトコットは「サイドカーテンエアバッグ」も標準装備されてるんだからスゴいの一言。軽自動車でサイドカーテンエアバッグがあるのは、他だとホンダ・N-BOXぐらい。ミラトコットは装備面が非常に充実してることが分かるはず。
要するに、結論としてはミラトコットの方があらゆる面で安全性は高いと言えそう。
興味があればミラトコット並に安全装備が充実してる【感想】ホンダ新型N-BOX試乗レビューなども後で参照。
【トコット】価格や装備面の違いは意外と多い!【ラパン】
ということで、最後は「価格」や「装備面」の違いを比較して終わりたいと思います。
○ミラトコット…107万~129万円(4WDは+11万円)
○アルトラパン…107万~139万円(4WDは+10万円)
まず値段を確認しておくと、ミラトコットとアルトラパンの価格一覧がこちら。
廉価グレードの価格こそ同じですが、最上級グレードはミラトコットの方が10万円ほど割安。じゃあ、ミラトコットの装備面が劣ってるのかというと、むしろ前述のように装備が非常に充実してる。もはや破格レベル。
例えば、見た目こそアルトラパンに見劣りしますが、ミラトコットはLEDヘッドライトが全グレードで標準装備されてる。一方、アルトラパンはミドルグレード(128万円)から標準装備。価格帯的にはミラトコットの最上級グレードと同じ。
またLEDサイドターンランプ付ドアミラーも全車標準装備のミラトコットに対して、アルトラパンは最上級グレードにようやく標準装備される。デザイン的に劣ってるミラトコットですが、装備面だけで比較するとアルトラパンを優に上回ってる。
そして、ミラトコットはサイドカーテンエアバッグなども標準装備されてるのがヤバイ。一方、アルトラパンはオプションでも設定されておらず、そもそも搭載できない。
だからカーテンエアバッグ搭載した軽自動車が皆無に近いため、ミラトコットは安全面でかなり踏み込んでることが分かります。
○【違い】シートヒーターの選び方それぞれ
ただ、シートヒーターは両者で違いも多い。
ミラトコットは運転席・助手席シートヒーターは最上級グレード(128万円)にのみ標準装備されてる。逆に言うと、ミラトコットはそれ以下のグレードでは運転席のシートヒーターすら選べない。
一方、アルトラパンはミドルグレード(120万円)から運転席のみシートヒーターが標準装備。4WDモデルに限れば、最廉価グレード(118万円)でも運転席のシートヒーターが標準装備される。
ただ、アルトラパンの助手席シートヒーターは「4WDモデルに限られる」ため、価格は最低でも131万円以上(最大約150万円)と軽自動車としてはかなり割高になってしまうのがやや難。
最後にまとめると運転席・助手席の両方でシートヒーターが欲しければミラトコットが若干お得ですが、運転席のみのシートヒーターに限ればアルトラパンの方が選びやすいはず。雪国ユーザーさんであれば、この両者の違いを覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに【人気】新型ミラトコットおすすめグレードまとめもご参照。
【比較】ミラトコットとアルトラパンの違いまとめ
以上、カーギークによるダイハツ・ミラトコットとスズキ・アルトラパンの徹底比較でした。
今回の結論をまとめると、「デザインで選ぶ」ならアルトラパン、「お買い得度」で選ぶならミラトコットといったところ。
一応、装備面を改めて確認しておくと、チルトステアリングはどっちも標準装備されてる。またミラトコットもアルトラパンも、どっちも最上級グレードだけオートエアコンが設定されるなど充実。
バニティミラー(運転席&助手席)はミラトコットもミドルグレード以上に標準装備されてるものの、むしろアルトラパンは上級グレード以上は「照明付き」と優位など、ミラトコットが劣勢な部分も多い。
ただ、それでもカーテンエアバッグが標準装備され、自動ブレーキの性能も優秀なミラトコットに総合的には軍配が上がるはず。他にもLEDヘッドライトなども全グレード標準装備されており、装備だけ見れば非常に優秀な軽自動車。
走りの良し悪しでもミラトコットに軍配が上がるため、ただ「単に自動車に乗れれば問題ない」という方であれば、ミラトコットを断然おすすめせざるを得ない…とカーギークでは結論付けてみる。
例えば、ラパンは「普段からも使える実用的なオシャレなクルマ」、トコットは「オッサンやオバさんでも乗れる優秀な日常の足車」と更に考えると分かりやすそうです。
ちなみに【比較】N-BOX vs スペーシア、【比較】N-BOX vs タント、【比較】クロスビー vs ハスラーなどの比較記事も併せてご参照ください。
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