【2021】フォレスター vs CX-5 徹底比較まとめ【長所短所の違い】

つい先日、スバル新型フォレスターがフルモデルチェンジを果たしました。一見すると全く変わってない見た目だったので不安視されましたが、中身は質実剛健に目に見えて進化ともっぱら評判。

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そこで今回カーギークではスバル新型フォレスターとマツダ新型CX-5を徹底的に比較してみようと思います。新型CX-5は年次改良で日々進化しており、果たして新型フォレスターと比べてどっちがおすすめ?

【外観比較】フォレスターもCX-5もどっちも質感は高い!

まず内外装の比較から入りたいと思いますが、最初は「外観デザイン」はフォレスターとCX-5のどっちがカッコ良いか比べてみようと思います。

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(上:フォレスター、下:CX-5)

ただ個人的な感想を先に書くと、新型フォレスターも新型CX-5もどっちもデザイン的には質感が高いと思います。

フォレスターの外観はシャープに削り取られたかの如くスクエア的でたくましく、また程よいメッキ感が所有欲をそそります。実際、CX-5よりも車体サイズがデカいこともあってか、フォレスターのデザインは存在感がたっぷり。

一方、CX-5のデザインも輸入車のような高級感があり、まさに国産車らしからぬ雰囲気が漂います。フォレスターと比べるとアッサリした顔付きではあるものの、このゴチャゴチャ感の無さが「大人向け」のデザインを匂わせる。

そのためフォレスターは「日本車的なカッコ良さ」があり、CX-5は「日本車らしからぬカッコ良さ」があるといったところか。デザイン比較では「甲乙付けがたし」とカーギークでは評価してみる。

ガソリン車同士で比較すると価格帯的にはほぼ同じで変わらないため、あとは「好み」でデザインの良し悪しを評価すればいいと思います。

【違い】車体サイズはフォレスターが大きいものの…

ということで、続いては「車体サイズ」を比較。フォレスターとCX-5のそれぞれの主要諸元をチェックすると、意外と両者の違いは大きめ。

○フォレスター(X-BREAK)主要諸元

◆全長…4625mm
◆全幅…1815mm
◆全高…1730mm
◆ホイールベース…2670mm
◆最低地上高…220mm
◆最小回転半径…5.4M
◆サスペンション前後…ストラット/ダブルウィッシュボーン

○CX-5(Lパッケージ)主要諸元

◆全長…4545mm
◆全幅…1840mm
◆全高…1690mm
◆ホイールベース…2700mm
◆最低地上高…210mm
◆最小回転半径…5.5M
◆サスペンション前後…ストラット/マルチリンク

○フォレスターが意外と小回り性能に優れる

だからフォレスターがCX-5よりも全長が8cmほど長い。ただホイールベースはCX-5の方が長いため、実はフォレスターの方が最小回転半径が短くて小回り性能が高い。

一方、CX-5は全幅が2.5cmほど勝るため、パット見の印象としてはフォレスターと比べてそこまで負けてない理由。またフォレスターの全高より低いこともあって、CX-5の方が最低地上高も低い。

他にもリアサスペンションも「ダブルウィッシュボーン式」と「マルチリンク式」という違いがあります。一般的に後者のサスペンションの方が路面追従性や乗り心地が良いとされております。

【フォレスター】どっちの内装がおすすめか?【CX-5】

続いては「内装インパネ周り」を比較しようと思います。どっちも300万円前後のミドルクラスSUVですが、果たして新型フォレスターと新型CX-5はどっちの質感が高いのか?

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(上:フォレスター、下:CX-5)

結論から書くと、どっちも質感が高い内装だと思います。個人的にはやはり「甲乙付けがたい」という答え。

フォレスターの内装は飛行機の操縦席のような機械的な造形感があって、男心がくすぐられる。程よい立体感も外観デザインと絶妙にマッチしており、ステッチや差し色など地味に芸が細かいので飽きさせない。

一方、CX-5の内装は非常にシンプル。やはり外観デザインとのコンセプトがマッチしており、「世界観」という点でも高い完成度を誇ります。画像では見えませんが、フレームレスのバックミラーなど細部に渡って質感が高い。

またどちらのシートもホールド性能が高く、後部座席にはアームレストも用意されるなど、非常にゆったりした座り心地が体現されております。触り心地も含めて、どっちもお金がかかってるシートであることは一目瞭然。

個人的には「高級車」「プレミアム感」という点でCX-5に軍配を上げたいところですが、フォレスターの内装も立派に300万円の車両らしい質感の高さを誇る。どっちも所有欲を満足させてくれる出来でありましょう。

○ただし、室内空間や荷室スペースはCX-5が狭い…

一方、「車内の広さ」や「室内空間」ではくっきりと違いも見られます。

結論から書くと、フォレスターの室内の方が広いと思います。何故なら、どうしてもCX-5はデザイン重視の車体構造もあって、リアにかけてルーフが下がってるから。

そのためCX-5はクーペライクなスタイリングなカッコ良さを保持してるものの、こと室内空間に限ると頭上スペース(ヘッドクリアランス)がフォレスターと比較すると足りない。

数字上では3~4cmの差でしかないものの、割と体感できるレベルでフォレスターの居住性が上回るか。膝周りの空間もフォレスターの方が広く、身長180cm以上の高身長がCX-5のリアシートに座れば窮屈感を感じるはず。

また荷室ラゲッジスペースも、新型フォレスターは520Lに対して、新型CX-5は505Lとやや狭い。荷室開口幅に関してもフォレスターは1300mmに対して、CX-5は1125mm。

だから荷室積載性など、実用面においてもフォレスターに軍配が上がる。

CX-5はあくまでオンロード仕様で売り出してるのに対して、フォレスターはアウトドア目的でガッツリと使われることを想定して作っている違いが現れているのではないか…とカーギークでは考察してみる。

ただし、CX-5の荷室スペースはエクストレイルやアウトランダーあたりと比べると決して狭いわけではなく、同車格のSUVの中ではそこそこ大きい部類に入ることは付け加えておきます。フォレスターがそれだけ大きい。

フォレスター&CX-5 エンジンラインナップの違い一覧

続いて走りや乗り心地を比較するために、まずそれぞれの「エンジンスペック」を確認したいと思います。特にCX-5のエンジンラインナップがここ最近で増えたので注意。

○フォレスター(2.5L水平4気筒エンジン)

◆最高出力…136kW(184PS)/5800rpm
◆最大トルク…239Nm(24.4kgm)/4400rpm
◆変速機…CVT
◆車重…1530kg
◆カタログ燃費(WLTC)…13.2km/L

○フォレスター(2.0L水平4気筒+マイルドハイブリッド)

◆最高出力…107kW(145PS)/6000rpm
◆最大トルク…188Nm(19.2kgm)/4000rpm
◆電気モーター…10kw(13.6PS)/65Nm(6.6kgm)
◆変速機…CVT
◆車重…1640kg
◆カタログ燃費(WLTC)…14.0km/L

○CX-5(2.0L直列4気筒ガソリンNA)

◆最高出力…115kW(156PS)/6000rpm
◆最大トルク…199Nm(20.3kgm)/4000rpm
◆変速機…6AT
◆車重…1520kg
◆燃料タンク容量…56L
◆カタログ燃費(WLTC)…14.6km/L

○CX-5(2.5L直列4気筒ガソリンNA)

◆最高出力…140kW(190PS)/6000rpm
◆最大トルク…252Nm(25.7kgm)/4000rpm
◆変速機…6AT
◆車重…1550kg(4WDは+60kg)
◆燃料タンク容量…56L
◆カタログ燃費(WLTC)…13.8km/L

○CX-5(2.5L直列4気筒ガソリンターボ)

◆最高出力…169kW(230PS)/4250rpm
◆最大トルク…420Nm(42.8kgm)/2000rpm
◆変速機…6AT
◆車重…1620kg(4WDは+60kg)
◆燃料タンク容量…56L
◆カタログ燃費(WLTC)…12.6km/L

○CX-5(2.2L直列4気筒ディーゼルターボ)

◆最高出力…140kW(190PS)/4500rpm
◆最大トルク…450Nm(45.9kgm)/2000rpm
◆変速機…6AT
◆車重…1620~1630kg(4WDは+60kg)
◆燃料タンク容量…56L
◆カタログ燃費(WLTC)…17.4km/L

ちなみに新型CX-5は19インチタイヤ装着車はそれぞれ車重が+10kgに増えます。

【比較】フォレスターとCX-5はどっちの走りがおすすめ?

ということで「走行性能」や「乗り味」を比較。

ただし、フォレスターもCX-5もエンジンラインナップを見ても分かるように豊富。個性がハッキリと分かれてるため、一概にどっちが優れてるかはまとめにくいと最初に言っておきます。

まずは「加速性能」だったらマツダ新型CX-5がおすすめ。

ディーゼルターボ特有の野太い走りは、フォレスターと比べてもスペック的に明らかにCX-5が上回ってる。また最近CX-5に投入された2.5Lガソリンターボも、このクラスの国産SUVでは選択肢がかなり限られてしまうので、それだけでも十分おすすめできる。

ただ「NAガソリンエンジン」同士の比較であれば、スバル新型フォレスターがおすすめ。何故なら、フォレスターは「SGP」と呼ばれる新型プラットフォームの完成度が高いから。

CX-5と比べてもエンジンスペックや車重に違いがないからこそ、世界トップのシャシー性能からもたらされる乗り味の良さや操縦安定性の高さなどが相対的により輝くはず。視界性や小回り性にも優れるため、フォレスターはまさに万能SUV。

○【違い】万能なオフロード車 or スポーティーなオンロード車

一方で、「悪路走破性の高さ」でもフォレスターに軍配。

先程は最低地上高はCX-5の方が低いと書きましたが、その分だけフォレスターは車高が高い。結果、フォレスターのアプローチアングルは国産車随一と言っても良く、どんな悪路なオフロードでも駆け抜けてくれる実力の高さを誇る。

ただし、「オンロードでの走り」は新型CX-5も十分おすすめ。マルチリンク式のリアサスが路面の凹凸をしっかり吸収してくれ、激しい走行シーンを要求されない街乗りであれば、フォレスターとの差異は感じることはない満足感が高い走りを体現。

また新型CX-5も車体剛性は高く、ベクタリングコントロールなど様々な最新技術が投入されてることもあって、高速巡航も非常に頼もしい。前述のターボエンジンと組み合わせることで「軽快な気持ちいい加速」をフォレスター以上に与えてくれる。

そのため新型フォレスターを「万能なオフロード車」と定義付けるとしたら、さしずめ新型CX-5は「スポーティーなオンロード車」といったところ。それぞれ個性がハッキリと分かれてるため、実際に乗り比べるといいかも。

さらなる詳細は【感想】新型CX-5 試乗レビュー【感想】新型フォレスター 試乗レビューなども参照。

【税負担】燃費性能や維持費で大きな違いはないが…

続いて「燃費性能」や「維持費」の違いを考察。

結論から書くと、フォレスターもCX-5も実燃費に大きな違いはないと思います。どっちもレギュラーガソリン仕様のため燃料費の違いも出ないはず。

実際、先程のカタログ燃費を見ても分かるように、どっちもほぼ同じ。フォレスターにはマイルドハイブリッドが設定されてるものの、モーターの力は知れており却って車重が重くなるなど実燃費に大きく貢献はしない。

ただ新型CX-5は「割安な軽油」で走行するディーゼルターボモデルが用意されてる。ディーゼルターボは実燃費も非常によろしいため、このモデルだけはフォレスターの燃料費よりも安く抑えられるはず。

一方、「税金面」もほぼ同じで負担額に違いはなさそう。

何故なら、フォレスターもCX-5も車重がちょうど1.5トンを上回り、エンジン排気量も2000cc台と同じだから。自動車重量税や自動車税など税金面での負担は変わらず、フォレスターもCX-5も「トータルの維持費はほぼ同じ」と表現して良さそう。

でも、「航続距離」は大きな違いが発生しそう。

何故なら、CX-5の燃料タンク容量は全て56Lに対して、フォレスターはマイルドハイブリッドが48L、2.5LNAエンジンは63Lだから。

通常のフォレスターで比較すると燃料タンクが6Lほど大きいため、結果的に一回の給油でCX-5より長く走れそう。

ただし、マイルドハイブリッドのe-BOXERは燃料タンクが小さいため、こちらの航続距離の長さはCX-5に軍配が上がりそう。もし航続距離だけで比較するなら、一番選びたくはないモデル。

【比較】予防安全性の高さは意外と同じ?

最後は「予防安全性能」や「自動ブレーキ」の違いを比較。スバルといえばアイサイト。やはりフォレスターがCX-5を上回ってしまうのか?

結論的には、スペック的には新型フォレスターも新型CX-5もあまり大差ないと思います。

夜間でも歩行者を認識できるなど、どっちも非常に高性能な自動ブレーキが標準装備されております。またサイドカーテンエアバッグは標準装備されており、どっちも衝突安全性は高い部類に入ると言えます。まさに安心安全。

個人的にはスピードの加減速については、フォレスターのアイサイトが精緻さで上回るかも。ただし、JNCAPの調査結果を見る限りでは、マツダ・CX-5の方がスバル・フォレスターの点数を上回っております。

そのため意外にも(?)、世間で評判が良いスバル・アイサイトもマツダにC予防安全性で結構肉薄されてる印象。それだけ今回の比較からも分かるように、各社が自動ブレーキの開発に積極的になっている証拠。

どうやらスバルが「アイサイト4」の開発に手間取っているという情報もあったりして、現状フォレスターに伸び悩みが見られるか。

【比較総括】フォレスターとCX-5の違いまとめ

以上、カーギークによる「スバル新型フォレスター」と「マツダ新型CX-5」の比較記事でした。

結論をまとめると、フォレスターもCX-5も甲乙付けがたい商品力の高さを誇ります。輸入車にも負けず劣らず、走りも質実剛健で優秀であり、内外装も質感が高く、まさに日本を代表する良質な国産SUV。

だから基本的にどっちのSUVを選んでも後悔しないと思いますが、敢えて分かりやすくまとめるなら「万能性や実用性に優れてる」のがフォレスターとすると、「プレミアム感やスポーティーな加速性能に優れてる」のがCX-5といったところ。

あとは自分が「SUVに何を求めるか」によってクルマ選びするといいと思います。

ただし、CX-5は搭載エンジンによって価格差が激しい。敢えて全部は表記しませんが、特別仕様車も含めると全11グレードあって、4WDも含めると「257~388万円」の範疇と幅広い。もちろん選択肢が広いということでもありますが、ややクルマ選びも難しくなるか。

一方、フォレスターは4グレード(全て4WD)しか存在せず、どの価格帯も大きな違いはなく300万円前後におおむね収まってる。そのため初心者が最初に購入しやすいのはフォレスターかも知れない。

ちなみに【比較】CX-8 vs CX-5【比較】フォレスター vs ハリアー【比較】CX-5 vs エクストレイルなどもご参照。

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