2017年12月に発売されたのがスズキ新型クロスビー。AセグメントサイズのSUV。見た目はまんま軽自動車のハスラー。でも、新型クロスビーの販売台数は割と好調。
そこで今回カーギークでは新型クロスビーと新型イグニスを徹底的に比較してみたいと思います。イグニスは2016年2月に発売された、やはりスズキの個性的なAセグメントSUV。果たして、どっちのスズキのコンパクトSUVを購入するのがおすすめなのか?
車体サイズや主要諸元の違いを比較
まずは新型クロスビーと新型イグニスの車体サイズや主要諸元の違いを比較してみたいと思います。どっちも同じAセグメントカーとは言っても、どこか違いがあるのか?それぞれの主要諸元をチェックしてみましょう。
○新型クロスビーの主要諸元
- 全長…3760mm
- 全幅…1670mm
- 全高…1705mm
- ホイールベース…2435mm
- 最低地上高…180mm
○新型イグニスの主要諸元
- 全長…3700mm
- 全幅…1660mm
- 全高…1595mm
- ホイールベース…2435mm
- 最低地上高…180mm
○プラットフォームは同じでも車体サイズはクロスビーが大きい
結論から書くと、同じAセグメント用プラットフォームをどっちも採用してるので、ホイールベースや最低地上高などはクロスビーもイグニスも大差なし。全幅も新型クロスビーがやや1cmほど上回っているだけ。
でも両者が大きく違うのは、全長と全高。イグニスよりもクロスビーは6~10cmほど長いし高い。新型クロスビーは実用性も売りにしているだけあって、車体サイズは室内空間の広さに差が出る部分でイグニスを大きく上回ってるカタチ。
室内空間や荷室ラゲッジの広さの違いを比較
じゃあ室内の広さで比較すると、やはり新型クロスビーの室内が広いのか?
ってことで、新型クロスビーと新型イグニスのそれぞれの室内空間の広さをチェック。
○クロスビーの室内空間の広さ
- 室内長…2175mm
- 室内幅…1355mm
- 室内高…1280mm
○イグニスの室内空間の広さ
- 室内長…2020mm
- 室内幅…1365mm
- 室内高…1250mm
○やはり室内空間はクロスビーが広いが…
やはり想像通り、新型クロスビーがイグニスよりも室内空間は広いです。特に全長は15cm以上もイグニスより長い。実際にクロスビーとイグニスを乗り比べれば、おそらくスペック以上の体感差があるはず。
特に室内長の違いが現れるのは「荷室ラゲッジ」の大きさ。床下収納も併用すれば、新型クロスビーはベビーカーも縦に搭載することが可能。一応、荷室スペックだけで比較すればイグニスは健闘してるものの、体感的な積載性や使い勝手の良さはクロスビーが上回りそう。
ただイグニスの室内高は1250mmと意外とクロスビーと肉薄。そのため見た目ではクロスビーより10cm以上も低いものの、イグニスの天井高はそこまで低くはない。大人4名乗車でも使い勝手の良さが確保されております。
クロスビーとイグニスのデザイン・見た目を比較
ということで、改めて新型クロスビーと新型イグニスの内外装を比較してみようと思います。
○見た目はクロスビーもイグニスもカッコいい
結論から書くと、左の新型クロスビーも右の新型イグニスも面白いデザインをしてる。
クロスビーはハスラー的な可愛らしさとSUVらしい雰囲気があり、一方イグニスは独特の雰囲気の輸入車的なカッコ良さがあります。イグニスはSUVを売りにしてるにも関わらず、樹脂製のフェンダーアーチモールが配されてないのも意外と面白い。
個人的には、まさにデザインでの比較は甲乙付けがたい勝負。
ちなみに強いて言えば、新型クロスビーは車体カラーに「3トーンカラー」が選択できる。画像のようにサイドドア付近の色も変えることが可能。そのため個性的度合いで言えば、イグニスを勝るかも。
ちなみにどっちもSUVらしさも売りにしておりますが、アプローチアングルはクロスビーが19.7度に対して、イグニスは20度と実はクロスビーが負けております。走りについての比較は後述。
クロスビーとイグニスの内装の違いを比較
続いては内装インパネ周りを比較してみたいと思います。
結論から書くと、どっちも内装デザインや質感については大差ないと思います。上の新型クロスビーは発売年が新しいだけあって、質感や収納力の高さではイグニスを上回っていることは間違いない。でもそこまで大差があるかというと?
ただ内装面で比較すると、シフトレバーの位置が大きく異なる。
上のクロスビーは軽自動車のように配置されてるのに対して、下のイグニスはセンターコンソール付近に配されてる。もちろんその分だけ運転席周りの空間は広いものの、どうしても新型クロスビーのインパネ周りは所帯じみた感は否めない。しっかり普通車感があるイグニスは、そういった意味での質感は高い。
ちなみに画像では見えませんが、内装色(アクセントカラー)はイグニスもクロスビーも同じ3種類。
○価格帯の違いはいかほど?【比較まとめ】
また価格面で比較するとイグニスの内装の良さが際立ってくる。
何故なら、クロスビーの価格帯は176万~214万円に対して、イグニスの価格帯は138万~177万円だから。両者の価格の違いを比較するとざっくり約40万円ほどの差がある。コンパクトカー同士の比較としては意外と無視できない価格差。
クロスビーおすすめ人気グレードなども参照していただくとして、両者の売れ筋である上級グレードで比べてみてもクロスビーMZの価格は約200万円に対して、イグニスMZの価格は164万円。実際40万円近い価格差がある。
当初イグニスの価格には割高感も感じていましたが、こうやってクロスビーと比較してみると「割安感」すら感じるぐらい。内装デザインの良し悪しだけで評価するなら、イグニスは全然お買い得と言えそう。
ただ上級グレードMZ同士で比較すると、クロスビーはサイドカーテンエアバッグや自動ブレーキは標準装備されてるのに対して、一方、イグニスはオプション装備。そのため実際にはクロスビーとイグニスの乗り出し価格は約10万円ほど縮まるとは思いますが…。
【比較】エンジンや燃費性能の違いを比べてみる
既にカーギークでは新型クロスビーの試乗レビューは執筆済みですが、続いては走りの良し悪しや燃費性能などを比較してみたいと思います。
ちなみにクロスビーもイグニスも、どっちも全車マイルドハイブリッド(電気モーター…3.1PS/50Nm)が標準搭載。電気モーターはそこまでパワフルではないので比較に大きな影響は与えないため詳細な言及は割愛。
○クロスビーのエンジンスペック
- 1000cc直3ターボエンジン
- 最高出力…73kW(99PS)/5500rpm
- 最大トルク…150Nm(15.3kgm)/1700~4000rpm
- 車重…960kg(FF車)
- 変速機…6速AT
- カタログ燃費…22.0km/L(FF車)
- 最小回転半径…4.7メートル
○イグニスのエンジンスペック
- 1200cc直4NAエンジン
- 最高出力…67kW(91PS)/6000rpm
- 最大トルク…118Nm(12.0kgm)/4400rpm
- 車重…880kg(FF車)
- 変速機…CVT
- カタログ燃費…28.0km/L(FF車)
- 最小回転半径…4.7メートル
○走りの良さはクロスビーがイグニスを上回るが…
結論から書くと、クロスビーの走りの方が良いと評価できます。排気量こそ200ccほどイグニスは上回っているものの、スペックだけで比較しても最高出力と最大トルク共にクロスビーが上回っております。
特にクロスビーは低速トルクが太い。車重こそ80kgほどイグニスより重いものの、クロスビーの方が軽快に走ってくれるはず。また変速機が6速ATのため、CVTのイグニスよりも素直に加速が伸びていく。
クロスビーは車高が高い分だけロール感や操縦安定性ではやや難ではあるものの、見晴らしの良さはイグニスより上。最小回転半径はどっちも同じため街ナカで走る分には、イグニスよりもクロスビーの方が扱いやすいと思います。
ただし、NAエンジンとターボエンジンの比較記事でも言及したように、イグニスはNAエンジンだけあって低燃費。あとクロスビーは直3ターボだけあって騒音や振動は目立つ。クロスビーは元気に走る分だけ、イグニスよりも静粛性で比較すると見劣りするはず。
【スズキ】クロスビーとイグニスの違い比較総括まとめ
以上、スズキ新型クロスビーと新型イグニスの徹底比較まとめでした。
同じAセグメントカーではあるものの、個性や方向性が全く異なる両者。比較する上では難しい側面はありますが、基本的に価格が割高な分だけクロスビーが商品力は高いと評価してみる。デザインなどを除くと、イグニスが上回ってるのは燃費性能や静粛性ぐらいか。
ただ詳細に比較したから分かるものの、イグニスは意外と割安。あくまで「個性的なSUV」としてクルマ選びするのであれば、まさに唯一無二のデザインを150万円前後で購入できると思ったら安いもん。
軽自動車からのアップサイジングや輸入車や他国産コンパクトカーからの乗り換える場合、このイグニスは非常に面白い選択肢になりそう。イグニスのデザインが気に入れば、サクッと買っても損はしないはず。
ちなみに【比較】クロスビー vs ハスラーや【比較】ジムニー vs ジムニーシエラなども興味があればご覧ください。
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