【2021】N-BOXとN-VANを徹底比較!乗り心地や子育てにはどっちがおすすめ?【ライバル車との違いまとめ】

2018年7月にホンダ新型N-VANが発売。毎月のように新車販売ランキング1位を誇るN-BOXをベース車両とした軽商用車。正直割高な価格帯もあって疑問でしたが、既に新型N-VANの受注状況は好調らしい。

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そこで今回カーギークではホンダ新型N-VANと新型N-BOXの違いを徹底的に比較してみたいと思います。

N-VANの中身がN-BOXだとしたら違いは少なそうですが、やはり軽商用車だけあって詳細に比較するとN-VANとN-BOXは全く違った。N-VANは乗用車グレードも用意されており、もしN-BOXとのクルマ選びで悩んでる方がいれば今回の比較記事を参考にしてね。

N-BOXとN-BOXの「外観デザイン」を比較

まず最初はN-BOXとN-VANの内外装を比較してみようと思います。ベース車両がほぼ同じ。果たして、見た目に違いは現れるのか?

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(上:N-BOX、下:N-VAN)

そこでノーマルのN-BOXと商用車グレードのN-VANを比較すると、N-VANは基本的にハイルーフ車ということもあって、意外と雰囲気が異なる印象。だからロールーフ仕様のN-VANだと、もう少しN-BOXと雰囲気が似通うかも。

ただN-VANは一つ前のN-BOX風といった雰囲気で、N-BOXと比べるとやや古臭さは否めない。例えばホイールデザインなども筆頭に、N-VANの方が全体的に安っぽさがあります。N-VANは三本線のプレスラインが施されてるものの、やはり「軽商用車」といった雰囲気が。

だからベース車両は同じではあるものの、N-BOXのデザインが若干質感が上回ってる印象。

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(上:N-BOXカスタム、下:N-VAN)

続いてN-BOXカスタムとN-VANを比較。

やはりノーマルN-BOXよりも雰囲気がガラッと変わって、N-VANとのデザインの違いがより顕著に現れております。全体のフォルムは大きく違わないものの、ホイールデザインなどN-BOXカスタムがカッコいい。

他にもN-BOXカスタムは流れるヘッドライト(シーケンシャルウィンカー)が標準装備されており、装備面での充実っぷりでもN-VANを大きく上回ると評価して良さそう。両者の値段の違いも考えると当たり前か。

【主要諸元】N-BOXとN-VANの車体サイズの違い

そこでN-BOXとN-VANの主要諸元や車体サイズの違いを改めてまとめてみました。

○N-BOXの車体サイズと主要諸元の違い

  • 全長…3395mm
  • 全幅…1475mm
  • 全高…1815mm
  • ホイールベース…2520mm
  • 最低地上高…145mm

○N-VANの車体サイズまとめ

  • 全長…3395mm
  • 全幅…1475mm
  • 全高…1945~1960mm(ハイルーフ)
  • 全高…1850~1865mm(ロールーフ)
  • ホイールベース…2520mm
  • 最低地上高…155mm

○N-VANはN-BOXよりも最大約15cmほど背高!

以上がN-BOXとN-VANの車体サイズの違いになります。あくまで両者は軽自動車なので全長や全幅のサイズ感は全く同じですが、N-BOXとN-VANの大きな違いはやはり「全高」でありましょう。

N-VANの全高はハイルーフ車だと最高1960mmと非常に高い。N-VANはロールーフ仕様であっても、N-BOXの全高を3.5cmから4cm程度上回る計算。ハイルーフ仕様にいたっては、N-BOXよりも約15cmほど背高というのだから驚き。

【比較】軽自動車 vs 普通車などでも既に解説しましたが、軽自動車は全高2メートルまでと法律で決まってる。そのため新型N-VANの前項の高さは規格ギリギリのサイズ感であることが分かります。

だから実際にどっちも目の当たりにした方が、N-BOXとN-VANの違いがより顕著に体感できるかも知れない。ただ一方で、N-BOXは最低地上高がより低く設計されており、言うても全高が背高なので乗降性ではN-VANよりも優れると思います。

【エヌバン】室内の広さや内装デザインを比較【エヌボックス】

続いては新型N-BOXとN-VANの内装や室内空間の広さなどを比較してみたいと思います。

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(上:N-BOXカスタム、下:N-VAN)

まず内装インパネ周りを比較してみると、やはりN-BOXカスタムと比べるとN-VANの内装のチープさが際立ちます。基本的にN-VANは軽商用車だけあって、少なくともN-BOXほど内装に豪華さは微塵もない。

おそらく意図的にホンダがやってるんだと思いますが、どこか新型N-VANは先代N-BOXを彷彿とさせるデザインを多く採用してる雰囲気。敢えてN-VANのデザインに「古さ」を残すことで、新型N-BOXとの違いを強調する狙いもあるんだと思います。

他にもシート周りも運転席こそマシですが、N-VANのシートはチープ。N-BOXはホールド性能が高いシートを採用してるため、座り心地の違いは割と体感できるレベルか。特にN-VANのリアシートはペラペラで、いかにも商用車レベルで話になりません。

ただ新型N-VANにも大きな武器があります。

○N-VANの室内の優位点は「ピラーレス」と「完全フルフラット」

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N-VANの最大のウリが「ピラーレス」

助手席側のピラーを無くしたことで、新型N-VANはN-BOXを超えた大開口部が実現。また運転席を除いたシートをダイブダウンで格納できるため、新型N-VANではこれぞフルフラット空間が実現されてるのもN-BOXにはない強み。

だから、N-VANは完全に快適な車中泊が可能な点もおすすめ。N-BOXはここまでフラットにシートを倒せず、どうしても床面に傾斜ができます。いくら室内が広いとは言っても、N-BOXで車中泊はやや我慢が必須。

また荷室開口部高もN-VANが1365mm(ロールーフ仕様でも1260mm)に対して、N-BOXは1205mm。荷室床面地上高はN-VANが525mmに対して、N-BOXは470mmと有利なものの、積載性能の比較でもN-VANに軍配が上がります。

N-VANはシートアレンジを優先させてるが故に、どうしても座り心地や乗り心地は犠牲になりがち。Aピラーの三角窓もN-VANには存在しないなどデメリットはあるものの、この違いがN-BOXに勝つ優位点になりそう。

もちろんN-BOXには「チップアップ+長大スライド」が可能なリアシートを採用しており、フルフラット空間を求めない限り、N-VANにも負けない実用性の高さを誇ります。N-VANはリアシートを一切動かせないといったデメリットも。

だからまとめると、積載性能や車中泊のしやすさで評価すればN-VANに軍配が上がりますが、快適な居住性や内装の質感などトータルバランスではN-BOXに軍配といったところ。

N-BOXとN-VANの走り心地や乗り心地はどっちが優位?

続いてはN-BOXとN-VANの「走りの違い」を比べていこうと思います。ベース車両が同じですが、乗り心地や走行性能など果たしてどっちの走りに軍配があがるのか?

まずはN-BOXとN-VANのそれぞれのエンジンスペックを比較。

○N-BOX 660cc直3NAエンジン

  • 最高出力…43kW(58PS)/7300rpm
  • 最大トルク…65Nm(6.6kgm)/4800rpm
  • 車重…890kg(4WDは950kg)
  • 燃費…27.0km/L

○N-VAN 660cc直3NAエンジン

  • 最高出力…39kW(53PS)/6800rpm
  • 最大トルク…64Nm(6.5kgm)/4800rpm
  • 車重…930kg(4WDは980kg)
  • 燃費…23.8km/L(6速MTは18.6km/L)

○ターボエンジンは同スペックだがカタログ燃費に違い

  • 最高出力…47kW(64PS)/6000rpm
  • 最大トルク…104Nm(10.6kgm)/2600rpm
  • 車重…N-BOXは910~940kg、N-VANは970kg(4WD+50kg)
  • 燃費…N-BOXは25.6km/L、N-VANは23.6km/L(4WDはそれぞれマイナス約2km/L)

ターボエンジンは同スペックではあるものの、車重差の違いからN-BOXの方がカタログ燃費は若干優秀になります。ただ実燃費で大きな差はないか。ちなみに、どっちの燃料タンクもそれぞれ27L(4WDは25L)。

【乗り心地】走りの質感はN-BOXに軍配!

ということで本題。N-BOXとN-VANの走りはどっちが上なのか?

さっそく結論から書くと多くの方が予想する通り、全体的にN-BOXがN-VANを上回るカタチ。

○加速性能の違い

例えば、加速性能や走行性能の違い。

N-VANはピラーレスを採用したことで、N-BOXと比べると車重が+40kgほど増加してる点がマイナス。痩せ型の成人女性一人分は無視できず。またN-VANのカタログ燃費をアップさせたかったのか、NAエンジンの最高出力はN-BOXより5馬力ほどパワーダウン。

そのためN-VANは軽商用車の中ではそこそこ走るものの、特に高速域での加速の伸びや登坂路での力強さはN-BOXに軍配。街中でのアクセル踏み込み量もN-VANが多いでしょう。ターボエンジンのスペックはどっちも同じですが、やはり車重の違いからN-BOXに軍配が上がりそう。

○乗り心地や静粛性能の違い

続いては静粛性。

N-BOXと同じエンジンを搭載してるだけあって、N-VANのエンジンの静粛性もまずまず。

ただしフル加速時はノイズが耳障りのため、N-BOXの方が全体的に静か。N-VANはコストカットされた結果、遮音材などはN-BOXより少なめと予想されます。

だからシート形状もN-VANは、やはり軽商用車がベース。乗用車ベースのN-BOXと比べると、乗り心地は見劣りします。

そのため乗り心地など全般的な快適さもN-BOXがN-VANを上回るでしょう。

○操縦安定性や運転のしやすさの違い

一方、操縦安定性。

結論から書くと、やはりN-BOXに軍配。N-VANは2メートル近い全高の高さも影響して、旋回性能や操縦安定性で比べればN-BOXより見劣りする感は否めません。ちなみにホイールベースが同じであることからも、N-VANもN-BOXも小回り性能で大きな違いはありません。

もちろん、N-VANは意外にも重心は低く設計されているため不安なロール感はそこまでなく、軽商用車としてハンドリング性能はまずまず。それでも新型N-VANは実用面でN-BOXより優位な点が多い分だけ、走りに関しては不利になっております。

維持費や燃費性能ではどっちが有利?

続いては燃費性能や維持費でN-BOXとN-VANを比べてみようと思います。

結論から書いてしまうと、N-BOXもN-VANも維持費の比較ではごぶごぶ。それぞれに有利な点があります。

例えば、維持費。N-VANはいわゆる「軽4ナンバー車」であるため、N-VANの軽自動車税が年間5000円と安い。一方、N-BOXは軽5ナンバーのため軽自動車税は年間1万800円。維持費の差は倍以上違う計算。

また自動車は13年を超えて所有すると増税される。全く忌々しい自民党政権。とは言っても負担額は知れてますが、N-BOXの場合だと1万2900円なのに対して、N-VANは年額6000円とやはり維持費の点で有利。軽商用車は頻繁に買い換えないことが影響か。

ずっと乗り続けることを考えると、N-VANの方がおすすめできる。

ただし、実燃費はN-BOXが有利。前述のようにN-VANはピラーレス構造を採用したことで、ベース車両のN-BOXよりも目に見えて重い。また車高が高いことで高速走行だと特に風圧の影響で、N-VANは実燃費で不利に働く。

具体的に言うと、実燃費ではN-VANとN-BOXでリッター1~3km/L程度の違いが出そう。税金面でN-VANは有利なものの、もし長時間・長距離にわたって乗ることを考えれば、どっちが有利かは判断できないか。

さらなる詳細については「新型N-VAN試乗インプレッション」や「新型N-BOX試乗インプレッション」などもご参照。

【どっちがおすすめ?】N-BOXとN-VANの値段比較

○ホンダ・N-BOXの値段一覧

  • N-BOX G…138.5万円
  • N-BOX L…149.9万円
  • N-BOX Lターボ…169.5万円
  • N-BOX G・EX…159.6万円
  • N-BOX G・EXターボ…174.9万円
  • N-BOXカスタム G・L…169.8万円
  • N-BOXカスタム G・Lターボ…189.5万円
  • N-BOXカスタム G・EX…175.2万円
  • N-BOXカスタム G・EXターボ…194.9万円

ちなみに、スロープ仕様や「ホンダセンシング」の名前は割愛。また4WDモデルは+13万円前後。新型N-BOXおすすめ人気グレードまとめなども後で参照。

○ホンダ・N-VANの値段一覧

  • N-VAN G…126.7万円
  • N-VAN L…134.1万円
  • N-VAN +STYLE FUN…156.0万円
  • N-VAN +STYLE FUN・ターボ…166.8万円
  • N-VAN +STYLE COOL…156.0万円(ロールーフ)
  • N-VAN +STYLE COOL・ターボ…166.8万円(ロールーフ)

ちなみに、CVTも6MTも値段は同じ。また「+STYLE」もロールーフかハイルーフかの違いだけで、基本的にどっちも値段は同じ。N-BOXと同様に、スロープ仕様や「ホンダセンシング」の名前は割愛。4WDモデルは+13万円前後。

○N-VANも意外とお買い得でおすすめだが…

以上が両者の値段一覧になるんですが、ざっくりまとめるとN-BOXの上級グレード「G・EX」とN-VANの乗用車グレード「+STYLE」が価格帯的にも装備面でも似通うような構成になっております。

そのためN-VANは乗用車グレードに限って言えば、装備面でN-BOXに負けないぐらい意外と充実しております。例えば自動ブレーキ・ホンダセンシング以外にも、N-VANの「+STYLE」はフルLEDヘッドライトやオートハイビームなどがN-BOXと同様に標準装備されております。

ただし、サイドカーテンエアバッグが標準装備されてるN-BOXに対して、N-VANはオプション装備でも用意されておらず。N-BOXと同様に自動ブレーキ(ホンダセンシング)は標準装備ではあるものの、安全面でN-VANは若干見劣りします。

また車体カラーを見てもN-BOXは12色に対して、N-VANは7色(商用車グレードは2色)と少ない。そのため何やかんや言うて、無難に選びやすいグレード構成が展開されてるのはホンダ・N-BOXになるのが現実か。

あとはN-VANにしか存在しない「ピラーレス」や「フルフラット構造」をどう評価するか。いくらお金を積んでもN-BOXはオプション装備にそれらの武器は用意されてないので、これらの装備が欲しければN-VAN一択になります。

【比較総括】N-BOXとN-VANはどっちが子育てに向いてる?

以上、カーギークによるホンダ新型N-BOXと新型N-VANの徹底比較まとめでした。

今回の比較記事をまとめると、基本的にN-BOXを選択しておくのが無難だと思います。

やはり後席シートの座り心地など乗り心地全般ではN-BOXが上回り、N-VANは日常的に使う分にはメリットは多くない。値段に違いがあまりない意味でも、少なくともN-VANは子育て向けではない。

敢えて軽乗用車としてN-VANを選ぶ理由は少ない。

もちろんN-VANには「ピラーレス」と「フルフラット」という大きな武器がある。N-BOXも不可能ではないですが、「車中泊」する上でN-VANの右に出るものはいないでしょう。 さながらN-VANは超小型キャンピングカー

当ブログではスズキ新型ジムニー試乗レビューも徹底的に評価済みですが、新型N-VANもまさに別の意味で「唯一無二」の選択肢。そのため特に理由がないならあくまで新型N-BOXをおすすめしますが、「特殊な使い方」をする場合は新型N-VANも十分選択肢としてアリ。

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