昨年2017年はマツダから様々な魅力的な新型車が発売されました。
2017年前半には新型CX-5が初めてのフルモデルチェンジを行って、2017年後半には三列シートを採用した新型CX-8が導入されました。
そこで今回カーギークではマツダ新型CX-5と新型CX-8の両者を徹底的に比較してみたいと思います。
比較画像からも分かるようにCX-5もCX-8もパット見はそっくり。果たして何か違いはあるんでしょうか?是非CX-5 or CX-8購入時の参考に読んで下さい。ちなみにCX-8はディーゼル専用モデルのためCX-5もディーゼル限定のグレードで比較してます。
CX-5とCX-8の見た目やエクステリアの違いを比較
まずは両者の内外装を比べたいと思います。果たしてCX-5とCX-8のエクステリアに違いはあるのか?
冒頭に貼った比較画像を改めて確認すると、基本的にCX-5とCX-8の見た目に大きな違いはありません。どちらも実車だと塗装のクオリティの高さにより惚れ惚れすると思いますが、もしデザインに目立った違いがあるとすればフロントグリルの形状。
マツダ独特の六角形デザインを採用してる点では同じですが、上のCX-5はメッシュ(網目)状のグリルを採用してるのに対して、下のCX-8は横向きのルーバーが採用されています。他にもCX-8にはアウトドア用のルーフレールも追加可能。
どっちがおすすめかは人それぞれの感性だと思いますが、全長が長い分だけ新型CX-8の方が伸びやかでスタイリッシュなフォルムをしている印象。そこで続いてはサイドからCX-5とCX-8を比べてみたいと思います。
CX-5とCX-8を横からサイズ感を比べてみる
ということで横からCX-5とCX-8を比較すると、こんな感じになります。
やはり全長が短いこともあって、良くも悪くも左のCX-5の方がSUVテイストが強い。逆に全長が長いこともあって、CX-8はより伸びやかでクーペスタイルな印象を受けます。全体的なルックスも考慮すると総合的なデザインではCX-8の方が質感は上回るか。
順序は多少ズレてしまいましたが、続いては両者の車体サイズも比較してみたいと思います。
CX-5が4545×1840×1690mm(全長×全幅×全高)に対して、CX-8は4900×1840×1730mm(全長×全幅×全高)。全幅こそ同じですが、全長はCX-8が+355mmほど長く、全高も+40mmほどCX5よりも高いらしい。
デザイン的には新型CX-5の方が車高が高いように見えたんですが、新型CX-8がまさに一回りほどサイズが大きいことが分かります。実際、マツダディーラーで確認した方が体感できるはず。
CX5とCX8の室内や内装インパネ周りを比較
続いては内装の質感や室内空間の広さを比較したいと思います。見た目がほぼ同じ両者でしたが、果たしてCX-5とCX-8は内装デザインも変わらないんでしょうか?
結論から書いちゃうと、基本的に内装インパネ周りで比較してもどっちもパット見のデザインはほぼ同じになります。上が新型CX5、下が新型CX8。
ただ何箇所か違いは存在します。
例えば、助手席前のグローブボックス。CX-5はほぼ横一直線に対して、CX-8は左から右にかけてなだらかに下がってる。内装全体も中央部分に集まってるかのようなデザインであり、グローブボックス周辺、センターコンソールなどもCX-8の方がCX-5よりも統一感があります。
そして比較画像からでは伝わりませんが、新型CX-8の方が全体的にお金がかかってる。ピアノブラック塗装の部分もCX-5よりも多く塗装され、新型CX-8には本杢素材が使われるなど質感の高さが違う。
実際に試乗したりしないと違いが分かりづらいかも知れませんが、どっちが目の当たりにして欲しくなる室内かというと新型CX-8の内装インパネだと思います。そこまで新型CX-5と圧倒的な違いがあるかとまで問われると微妙ですが、基本的には新型CX-8がおすすめ。
CX-8の方が室内幅に余裕感がある
例えば注目したいのがセンターコンソール。全幅はどっちも同じはずですが、何故か新型CX-8のセンターコンソールの方が新型CX-5よりも大きめに設計されてる。
だから、フロントアームレストもCX5よりもCX-8の方がより大きめ。どっちもコンソールボックスは用意されてるものの、CX5より幅広な分だけCX-8はそれぞれ運転席と助手席側から別々に開けることが可能。
だからベースデザインは同じではあるものの、後から発売されただけあってCX-8の方が実は上質で使い勝手に優れてる。マツダの公式サイトでは「重厚感」と表現されていますが、まさに車格感を活かしたゆったり感がCX-5よりも味わえる内装。
他にも、二列目シートの足元空間もCX-8の方がやや余裕があると思います。何故ならCX-8は三列目シート分を差し引いても、CX-5よりも居住性の良さに割り振られてるから。CX-8の三列目シートもトヨタ・アクアの二列目以上の快適さが確保されてることからも明らか。
その分だけ荷室容量はCX-5がゴルフバックおよそ4個に対して、CX-8はゴルフバックがおよそ2個と見劣りする。それでも室内空間の広さや居住性の高さは、全体的にCX-8がやはり勝るでしょう。
ちなみに二列目シートの使い勝手は五分五分。CX-5が4:2:4分割可倒式シートに対して、CX-8は5:5分割可倒式シートと見劣り。ただ三列目シートへの移動も考えて、CX-8はリアシートが前後にロングスライド可能。逆にCX-5はシートは倒せるけれども固定されて動かせない。
走りや加速性能、運転のしやすさなど試乗比較
続いては走りなど試乗での評価を比較したいと思います。もしかしてCX-5とCX-8の搭載エンジンも同じなのか?もし同じだとしたら走りに違いは出て来る?
結論から書くと、どっちも甲乙は付けがたいと思います。例えばサスペンションはCX-5もCX-8も、前マクファーソンストラット式、後マルチリンク式とどっちも同じ。またエンジンも同じ2.2L直4ディーゼルターボを採用してる。
でも車重はCX-5が1600kg前後に対して、CX-8は1800kg前後と重い。どうしても全長が伸びて三列目シートを採用してるため、その分だけ重くなる計算。またCX-8は車格分だけ静粛性能も高められてることも影響か。
だから、そのマイナス分を補うようにエンジンスペックはCX8の方がややパワフルにアップチューンされております。なおかつCX-5よりも圧縮比も高め、燃焼のコントロールもより緻密に進化されているなど最新の改良エンジンを搭載。
具体的にはCX5が最高出力129kW/4500rpm、最大トルク420Nm/2000rpmに対して、CX8は最高出力が140kW/4500rpm、最大トルクが450Nm/2000rpm。ただし、2018年2月のCX-5も年次改良で新型CX-8と同じエンジンを搭載されました。
そのため両者の車重差を考慮すると、新型CX-5の方がCX-8よりもスポーティーに軽快に走行できると思います。
基本的に走りはCX-8の方が上質感がある
ただ上質な走りではCX-8に軍配が上がります。
前述のようにサスペンションの形式は同じではあるものの、実はCX-8のサスペンションは北米専売のCX-9のものを採用し、更に専用にチューニング済み。しかもCX-9の車体はラダーフレーム構造でもあるため、新型CX-8はCX-5よりもタフネスでありしなやか。
そのため新型CX-8の走りは車格分のゆったり感があり、乗り心地はCX-5より勝る。
一方、逆に運転のしやすさはCX-5に軍配。やはりCX8は全長が長い分だけ、最小回転半径はCX5が5.5mに対してCX8は5.8mと不利に働く。Lクラスミニバン並みの全長はやはり人を選びそう。また加速感も車重差を考えれば、CX-5の方がスポーティーかも。
燃費性能についてはCX-5もCX-8も大差ないと思います。カタログ燃費はどっちもJC08モードで18km/Lに対して、WLTCモードでも16km/L前後とほぼ同じ。車重差を考えたら、実燃費だとCX-8がやや不利か。
ただ一回の給油における航続距離はCX-8に軍配。何故ならタンク容量がCX-5が56Lに対して、CX-8は72Lもあるから。CX-8に関しては軽油を満タンにすれば、ほぼほぼ一ヶ月近くは再給油しなくて良さそう。
全体的に一言でまとめるのはつらいですが、あくまで個人的な感想ですが街中走行でもCX-8の走りがCX5よりも勝る気がします。何度も言ってますが、車格分だけのゆとり感が走りにも現れてると思います。
さらなる詳細は新型CX-8試乗レビューや新型CX-5試乗レビューなどそれぞれを参照。
コスパやお買い得度はどっちがおすすめ?
最後はCX8とCX5のコストパフォーマンスやお買い得の違いを比べてみましょう。冒頭でも触れた気がしますが、まずは両者の価格をざっくりチェック。
マツダ新型CX-8の価格が319万円~419万円。一方、新型CX-5(ディーゼル)の価格帯が280万円~350万円。CX-5のガソリンモデルは250万円からですが、ディーゼルモデルだけあってどっちもなかなかのお値段。
ただどっちも基本装備は充実してます。例えばGVC(Gベクタリングコントール)やLEDヘッドライト、オートホールド機能付き電動パーキングブレーキ、どっちもダークシルバー塗装のアルミホイールを標準装備。
エントリーグレードを除くパターンだとアダプティブLEDヘッドライト、上級グレードのみに標準装備されるパターンだとパワーリフトゲート(自動でハッチゲートを開閉する機能)などがあります。
でも主要装備を細かく見ていくと、CX-5とCX-8とでは違いも多いです。
価格は高いがCX-8の方が装備面は充実
例えば自動ブレーキのACC機能だとCX-8は全グレードで標準装備なのに対して、CX-5のエントリーグレードはACCが除外されております。逆にヒーテッドドアミラーはCX-5が全グレードで標準装備に対して、何故かCX-8はエントリーグレードにはない。
他にもCX-5は全車アドバンストキーレスエントリーシステムなのに対して、CX-8はエントリーグレードだけ電波式キーレスエントリーシステムを採用。ドアミラーのオート格納機能もCX-5は全グレードで使えるのに対して、CX-8のエントリーグレードだけオート格納できない。
何故かCX-8の装備が見劣りする部分もチラホラとありますが、ただ基本的にCX-8が全グレードで装備面が充実してます。
例えば、運転席助手席シートヒーターはCX-8はミドルグレードからに対して、CX-5は上級グレードのみ。ステアリングヒーターも同様。またセカンドシートヒーターはCX-8は上級グレードに標準装備されてるのに対して、CX-5は全グレードになし。
最近の新車には特にユーザーから求められる音響システムも、CX-5は全グレードで4スピーカーなのに対して、CX-8はエントリーグレードこそ4スピーカーでではあるもののミドルグレード以上は6スピーカーに充実。
両者の価格差は40~60万円ほどありますが、「三列目シート分の価格」が追加されただけと考えるとCX-8に割高感を感じてしまいますが、ここまで装備に差が出ると意外とそこまで気にならないと思います。
具体的には、CX-8の中級グレード(XD PROACTIVE)とCX-5の上級グレード(XD L Package)はほぼ同じぐらいの装備。価格はそれぞれ「CX-8 XD PROACTIVE」が353万円~377万円に対して、「CX-5 XD L Package」が329万円~352万円。
わずか20万円程度の価格差に留まるため三列目シート分の上乗せ価格を考えたら、実はディーゼルモデルを買うなら実はCX-8の方がお買い得。
マツダ新型CX-8とCX-5の比較総括【違いまとめ】
以上、カーギークによるマツダ新型CX-8とCX-5の比較記事でした。
CX-5とパット見はそこまで違いはなく、CX-8は単に三列目シート化されただけかと思いきや、意外と装備面が充実してて面白い商品。たった(?)+数十万円追加するだけで、三列目シートの実用性以上のものも付いてくると考えたらCX-8はお買い得すぎる。
CX-5も乗り出し価格は300万円以上を超えるため決して安くないので、もしCX-5のディーゼルモデルを買うならCX-8も十分検討する価値有りですよ奥さん。どっちも同じマツダ車ですから、簡単にディーラーで乗り比べられると思うので是非試乗してみて下さい。
ちなみに両者の面白い違いが、実は福祉車両はCX-5のエントリーグレード「XD」にしか用意されてない。いやいや、室内が広いCX-8にこそ設定すべきやん!?と思ったのは内緒(笑)
他にも【比較】CX-5 vs ハリアーや【比較】CX-5 vs フォレスターなども興味があればご覧くださいませ。
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