【考察】カルロス・ゴーン逮捕で日産自動車の今後はどうなる?実は明るい未来が待っている?

2018年11月19日、ルノー日産の会長を務めるカルロス・ゴーンが「金融商品取引法違反」の容疑で逮捕されるという衝撃的なニュースが自動車業界を駆け巡りました。また同時に側近のグレッグ・ケリーも共犯者として逮捕。

ルノー本社は寝耳に水だったようですが、日産自動車の幹部(共犯者?)が司法取引に応じるカタチで東京地検特捜部の捜査に協力し、今回の逮捕に至った模様。

これから徐々に取材が進むことと思いますので、事件の詳細についてはマスコミ報道に任せます。

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そこで今回カーギークでは「日産自動車の今後の動向」について徹底的に考察してみようと思います。カルロス・ゴーンが逮捕されてしまった以上、今後あらゆる役職は解任されて日産自動車から追い出されることは間違いない。

芸能人の愛車にも多い日産車ですが、果たして「カルロス・ゴーンなき日産自動車」は今後どうなっていくのか?意外と明るい未来が待っていた?

日産自動車が迎える短期的な悪影響

最初は日産自動車に待ち構える「短期的な悪影響」を考察。

まずは日産の「株価」へ悪影響

既に日産自動車の株価は下がってますが、日産自動車は「コンプライアンス不足」を何度も露呈してきましたが、今回のカルロス・ゴーン逮捕はそれに追い打ちをかけたカタチ。

ましてや、品行方正の真面目なイメージが強かったカルロス・ゴーンだけに、日産ブランドのイメージダウンは避けられない。同時にカルロス・ゴーンという「カリスマ経営者」を失った事実は「経営的なダメージ」と素直に捉える株主が多そう。

日産自動車の株主配当は5%を超えるなど、株主にとっては非常魅力的な投資先だったとのこと。これを可能にしたのは独断専行のカルロス・ゴーンがいたからこそ。このトップが逮捕された以上、今後の日産株の見通しが見えなくなったのも不安要素。

結果、日産自動車の新車販売減も考えられます。今回の逮捕劇は自動車に直接関係する不祥事ではありませんが、それでも「イメージでクルマ選び」してるユーザーも少なくない。

そのため「やったぜ日産」とついツイートしたくなる某ホンダの販売店の気持ちも分かります。

日産の新車販売などの悪影響は少ないはず

ただ中長期的に見ると、日産自動車の新車販売や株価への悪影響は少ないと考えられます。

何故なら、日産自動車はここ数年だけでも燃費不正など度重なるコンプライアンス違反を犯していますが、それでも日産のこれまでの新車販売台数の推移を見る限り、実際大きく落ち込んでいないから。

安倍政権のモリカケ問題など、意外と日本人は忘れっぽい気質があるのか不祥事になれすぎてしまったのか、今回のカルロス・ゴーン逮捕劇も来年の春頃にはすっかりみんな忘れてるはず。

日産自動車も地検の捜査に積極的に協力するでしょうから、目の上のたんこぶだったカルロス・ゴーンは速やかに立件されるのでしょう。粛々と東京地検特捜部が捜査を頑張って、粛々と日本国民は忘れていく。

また株価がいくら下がり続けたとしても割安感がいずれ出てくるため、再び日産株が急上昇する可能性すらあります。カルロス・ゴーンが逮捕された所で、日産が今すぐ倒産するわけでもないですしね。

もちろん日産の経営戦略が変わることで、今後は「開発投資>>株主配当」となる可能性も否定できない。ただカルロス・ゴーン逮捕で混乱してるが故に、急激に方向転換する可能性も低そう。

また現在は日銀やGPIFなどが年金資金を使って裏でゴニョゴニョと株高を支えているため、安倍政権も日産に対して必死に圧力をかけるに違いない。日産の役員報酬も株価に連動してインセンティブが増えるようになってる。

そのため日産の既存の株主を冷遇するようなことはせず、これまで通り、日産株は「比較的高配当」の水準が基本的に維持されるものと考えられます。

むしろ日産自動車の「新車開発」が進んでいく?

そもそも最近の日産は新車開発や新車投入は非常に遅かった。

実際、今の日産自動車はフルモデルチェンジされないまま放置されてる古い車種が多い。カルロス・ゴーンが経営手腕に優れていたと言っても、所詮は「コストカッター」としての一面だけ。

次期フェアレディZの開発などはカルロス・ゴーンが主導していたとも言われますが、正直、カルロス・ゴーン体制以降の日産が何台も人気の世界戦略車を生み出したとは個人的に記憶してない。

せいぜい電気自動車のリーフぐらいで、トヨタのようにラインナップの整理縮小もゴリゴリと進んでいたわけでもない。実際、ルノー日産アライアンス全体の販売台数はトヨタを抜いたものの、最近の日産単体の販売台数は芳しくもなかった。

ちなみに新型リーフ試乗レビューまとめも後でご参照。

だから日産がカルロス・ゴーン的なトップダウン型の経営を止めたとしても、国内外の新車販売や新型車の開発に大きな影響を与える可能性は低いとカーギークでは考えます。むしろカルロス・ゴーンがいたからこそ、日産の新車投入が滞っていたと考えてもいいぐらい。

そのためカルロス・ゴーンが消えた日産自動車は、今まで以上に自由に自動車を開発できる環境に生まれ変わる可能性も。要するに、日産が今まで以上に研究開発費への投資を増やすのではないかということ。

特にミニバン車や軽自動車のような日本専売のモデルは置いてけぼりになりがちですが、今後はフルモデルチェンジも期待していいのではないか。「新型GTRフルモデルチェンジ情報」や「新型エルグランド フルモデルチェンジ情報」なども後で参照。

確かに「かつての日産自動車」に戻る可能性は今後心配されるものの、それでもトヨタですら役員を減らしてスリム化を図っている以上、日産の経営陣が同じ轍を踏むとも考えにくいでしょう。

今後の日産は「ルノーとの関係性」がどうなっていくかが焦点

じゃあ、カルロス・ゴーン亡き日産自動車に問題はないのか?

結論から書くと、日産が今後直面する最大の問題こそが「ルノー」との関係性でありましょう。ルノーは日産自動車の筆頭株主で、カルロス・ゴーンも経営立て直しのためにルノーから派遣されてやって来た経緯があります。

日産自動車の方が企業規模は大きいものの、「ルノー日産アライアンス」というグループ名からも分かるように、立場的にも歴史的にもルノーが上。しかも、ルノー株の15%を保有する大株主がフランス政府と来たもんだ。

【最新】自動車業界関係図一覧まとめも参照。

つまり、今後は日産自動車にとっての重要課題は「ルノーとのパワーバランス」がどう変化していくのかがカギになってくる。要するに、ルノーを通してフランス政府の圧力が今後日産自動車に対して強まるのではないか?という点が問題。

○カルロス・ゴーンは「フランス政府に抵抗」していた側

ただ少しややこしいのは、カルロス・ゴーンはフランス政府の手先だったかというと、実はそうじゃない。むしろ日産自動車をルノーに吸収したかった「フランス政府と戦って抵抗していた立場」だったのがカルロス・ゴーン

例えば、それまで日産自動車がルノー株を買い増すためにはルノーの取締役会の承認も必要だった契約も、カルロス・ゴーンが「日産単独の取締役会のみ」の議決でできるように変更したほど。

またフランス政府はフランス政府で、今回逮捕容疑にもなっているカルロス・ゴーンの超高額報酬を疑問視していたため、実はフランス政府がカルロス・ゴーンを見限ったことで逮捕劇に繋がったというマコトしやかな噂も。

だから逆に言うと、日産自動車の立場からするとカルロス・ゴーンという目障りな存在が消えたものの、同時にフランス政府の圧力から身を挺して守っていた巨大な防御壁やバリアも消えたカタチ。

そのため今回のカルロス・ゴーン逮捕劇は、日産自動車にとって直接的にフランス政府と対峙しなければいけなくなった以上、そういう意味で「大きな経営上のリスク」となることは間違いない。

日産とルノーの協業関係は今すぐ破綻はしないが…

ただ結論から書くと、日産自動車とルノーの関係性はすぐに破綻しない可能性が高いと思います。

何故なら、既に日産とルノーは自動車の基礎となるプラットフォームを共同開発するなど、お互いかなり深い部分まで自動車開発に関与してるから。今後は三菱自動車の新型車もさらに絡んでくる予定。

例えば、「CMF-B」と呼ばれる変則プラットフォームは既に海外で販売済みの「次期マーチ(マイクラ)」に投入されており、今後は「次期キューブ」「次期ノート」などに採用される予定。興味があれば、それぞれのフルモデルチェンジ情報も後でご参照ください。

他にも三菱自動車だと「次期パジェロ」「次期アウトランダー」なども日産やルノーと共同開発すると言われてる。やはりプラットフォームなどお金がかかる部分は共同開発し、お互いの車種に流用した方がコスト的に有利に働く。

今後はEVや自動ブレーキなどの開発にも莫大なお金が必要になってくるため、各自動車メーカーは単独で競争はせず、お互い協力しあってるような状態。前述の自動車メーカーの関係図も参照。

そのため日産もルノーもお互い協業によるメリットを享受してる状態。実際、カルロス・ゴーンも会長職に退くにあたって、フランス政府と「ルノーと日産の関係を後戻りできない不可逆的なものにする」という契約も交わしてる。

だからフランス政府がどこまで日産相手に強気で出てくるかにも寄りますが、基本的には「現状維持」が続くのではないか。少なくとも、ルノー側にとっても日産との関係破綻は得策ではないことは確か。

そのためフランスの政治情勢にも複雑に関係してくるものの、これまで「全ての調整役」だったカルロス・ゴーン抜きで両者が上手く舵取りを取れるかどうか次第。まさにお互いにとって正念場が続くと言えそう。

○企業規模を考えると、最終的に日産が主導権を握っていく?

ただ今後はルノーとの関係を続けるにあたって、相対的に日産の発言力も増していく可能性は高い。

既に逮捕翌日の11月20日に、日産自動車は「ルノーに対する出資比率の引き下げ」に言及済み。今すぐ持株比率が大きく変化する可能性も低いと個人的には考えてましたが、意外とそうは問屋がおろさない?

やはり企業規模を考えると、今後は日産自動車側が下手に出る可能性は低いと考えざるを得ず、ルノーとの関係性が続くとしても主導権は次第に日産側にジワジワと移っていく可能性が高そうです。

確かに、日産自動車はルノーやカルロス・ゴーンに救われた部分がありますが、それは20年近くも前の過去の話。そこらへんの歴史や立場の違いが、次第に解消されていくのかも知れません。

一方、フランス政府の立場としては今後も「日産自動車を吸収したい野望」は堅持されると思いますが、現状フランス政府が日産を超法規的にルノー側に吸収する措置はほとんど持ち合わせてないはず。

だからフランス政府があまり強気に出過ぎると、日産自動車側からの反発は避けられず、どうやら結果的に損をするのはフランス政府っぽい。そもそも今回の逮捕の一件以降、日産には日本政府も露骨にバックにつきそう。

そのため日産とルノーとの関係破綻が火種は今後もくすぶり続けるものの、最終的に「やったぜ日産」となる日が来るのではないか。

ということでカーギークの結論をまとめると、今回のカルロス・ゴーンの逮捕劇は意外とネガティブには捉えておりません。日産自動車の経営的なダメージも、そこまで不安視しなくてもいい気がします。

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