【朗報】ソニーの新型車は成功するか？そもそも市販される？【自動運転車】【VisionS】

最近の自動車メーカーは「自動運転技術」の開発に躍起になっております。一昔前は自動ブレーキシステムが注目を浴びていましたが、既に交通事故を起こさない仕組みは当たり前のものとして普及してるのが現状。

トヨタは2020年1月のアメリカの家電見本市「CES」で、街中の移動を全てトヨタの自動運転車が担う近未来都市を静岡県に作ることを発表。愛知県じゃないのかよと思ったりしましたが、既にモーターショーで出品してるイーパレットなどを活用して住宅から何まで自動運転化する模様。

もちろん法律の規制が多い公道で実験するよりも、「私有地」で実験した方が有用なデータが取れることも多そうですが、この試みが成功すれば日本以外に海外に対しても「街ごと」を売れることが大きそう。新幹線も海外に売り込む場合、車両だけではなくノウハウやシステムもまるごと売ることも多い。

しかし、安倍政権はこういった規制緩和など経済政策を全く進めないですよね。小泉政権みたいに仕事すればいいのに、つくづく役立たず。ギャンブルやカジノにうつつを抜かしてる場合かと。

（日経新聞）

一方、同じくCESで注目を浴びたのが「ソニー」。なんと「Vision-S（ビジョンエス）」と呼ばれるEV車の試作車を発表し、ソニーがまさかの自動車業界に参入することを発表。既に二年前から開発が進んでおり、2020年度から公道で実験も始める模様。

じゃあ、ソニーの新型車は果たして成功するのか？そもそもビジョンエスは市販されるのか解説していこうと思います。

ソニーのVision Sは市販されない

まずはソニーの「Vision S」はそもそも市販されるのか解説。

結論から書くと、ソニーの「Vision S」は市販されないです。また量産もされません。

つまり、ソニーが新型車を開発したという表現は厳密には間違い。ダイソンがEV車の開発を断念したニュースも頭がよぎりますが、ソニーはあくまで「自動運転技術」を売り込むだけ。今回のVisionSと呼ばれるEV車は「中身の先進技術をアピールするための箱」にすぎない。

もしソニーが本気で新型車を市販したいなら、家電見本市ではなくモーターショーに出品するはずですからね。

例えば、ソニーの自動運転車に対する反応の中に「MT車を販売してくれることを望む」といった声も見かけましたが、二重三重の意味でいろいろ間違えてる。既存の自動車メーカー以外はまずガソリン車は開発しません。EV車オンリー。

だから、ソニーは今後「自動車部品のサプライヤー」としての道を歩んでいく模様です。既にパナソニックは車載用バッテリーの市場で成功を収め、現在はトヨタ自動車と全固体電池の共同開発を行っていた記憶がありますが、ソニーも車載向け商品を売っていく。

そのため、今回ソニーは既存の自動車メーカーとコラボすることはせず、ボッシュやNVIDIAといった世界的なメーカーと共同で開発に臨んでる。車体もカナダの自動車部品大手のマグナ・インターナショナルに依頼して「Vision S」を開発した。

本来はトヨタ自動車や日産自動車とコラボして既存の車種を使えばいいだけだと思うんですが、敢えて完全な新型車風として臨んだ理由は「ソニーの独自技術色」を強くアピールしたい狙いがあったから。結果だけ見ると世界的にもインパクトを与えてる。

あくまで「Vision S」は新型コンセプトカーなどではなく、ソニーの「自動運転技術に類する商品全般」を表してる名前と言えそう。

（Roadshow@YouTube）

例えば、Vision Sの内装インパネ周りを見ると完成度が高そうに見えますが、自動運転技術以外にもソニーが抱えてるコンテンツ（映画やアニメ）の売り込みも考えてる様子です。ここは既存のサプライヤーにはできない領域で面白い。

じゃあ、ソニーの「自動運転技術」は果たして自動車メーカーに採用されるのか？今回のビジョンエスの試みは成功するのか？

結論から書くと、ソニーが成功するかは微妙かも知れない。今回のビジョンエスは33個の画像センサーやカメラを配置し、AI技術を活用した運転制御システムを随時更新していく仕組みなんだそう。でも開発の主体が「aiboの開発チーム」とのこと。

確かにAIBOは1999年に発売された当初はすごいと思いましたが、さすがにグーグルやAppleといった世界的なIT企業の台頭を見る限り…。確かにソニーはCMOSに代表されるカメラに強い企業ですが、ハードウェアとソフトウェアの両面で売り込めるかと言うと？

あとソニーの自動運転の公道実験を始めるタイミングが遅いのが気がかり。

例えば、ホンダは全世界の公道で100万km以上の試験走行を行って、自動運転技術に関するデータの蓄積を積み重ねており、既に新型レジェンドもマイナーチェンジで「レベル3」に達成。日産も昨年2019年に「レベル2」の新型スカイラインを発売済み。一方、現状ソニーはレベル2止まり。

ソニーが「VisionS」を実用化する頃には、既存の自動車メーカーの自動運転技術も更に飛躍してることは間違いない。トヨタセーフティセンスやホンダセンシングといった優れた自動ブレーキシステムを各社は保持しており、これらを差し置いてソニーの自動運転技術をどう売り込んでいくかは前途多難か。

ダイソンと比べると成功率は全然低くないものの、それなりに険しい道かも知れない。