【2020】ガソリン価格が高騰する理由とは?燃料価格は今後も高くなる?【最新版まとめ】

「ガソリン価格」は車好きにとって、旅行や帰省の際など非常に重要。仕事で使う上でもガソリンの値段は会社の利益や収益に直結します。

2018年と比べると、最近でこそ全国平均のレギュラーガソリン価格は落ち着いてますが、それでも高止まりしてる状態。今後、ガソリン価格が再び値上がりするようなことはあるのか?

そこで今回カーギークでは「ガソリン価格が高くなる理由や原因」について徹底的に解説してみようと思います。一個人や一企業でガソリン価格を安くできる方法はありませんが、値段高騰の原因や理由を知っておいて損はないはず。

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中東情勢の不安定化

まず最初のガソリン価格高騰の理由は「中東情勢」。

実は、原油を一番多く生産してる国を並べると1位がアメリカ合衆国、2位がサウジアラビア、3位がロシア、カナダ、イランの順番で続く(2018年)。だから原油生産量を一国単位で見ると、中東各国の産出量は意外とそこまでではない。

ただし、アメリカといった経済大国は自国で生産した原油は、ガソリンを含めて自国で消費することが多い。中国やカナダなども以下同文。

そのため原油の「輸出量」で見ると中東各国の存在感がやはり大きい。特に日本経済は、主に中東の原油に依存してる。この原油を輸出してる中東アジアの情勢が悪化することは、そのままガソリン価格の不安定化に繋がりやすい。

○サウジの油田破壊でガソリン価格が高騰

例えば、アメリカ大統領のドナルド・トランプはイランとの核合意を2018年に破棄し、同年に経済制裁を再び発動。これに反発したイラン軍と思しきドローン爆弾がサウジアラビアの油田を報復的に破壊。

実際親米国家ということもあって、サウジアラビアの油田が破壊された直後には原油価格(WTI原油先物相場)が大幅に高騰しました。トランプを含めて、中東各国の一挙手一投足でガソリン価格が容易に高騰することが裏付けられたカタチ。

ただトランプ大統領も中途半端に介入して、最終的にアメリカ軍を撤退させるなど悪手の連続。サウジアラビアの皇太子様がトルコでジャーナリストを暗殺しちゃった件など、中東情勢は火種だけがくすぶり続けてる状態。

だから中東情勢が一気に好転することはないため、今後2020年以降もちょっとした事件次第ではガソリン価格が一気に高騰する可能性は高そうです。

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OPECの原油減産

続いてのガソリン価格高騰の原因は「OPECの原油減産」。

OPECとは中学校などの教科書で習いましたが、正式名称は「石油輸出国機構」。主に原油を生産してる中東アジア諸国で組織され、ガソリン価格の動向などを決めている集まりのこと。

そこで思い返してみると、2014年2015年のガソリン価格が大幅に安くなったことがありました。

この背景には「アメリカ合衆国が割安のシェールガスを膨大な量を産出した」ことが関係してる。前述のように、自国でずっと原油を消費していたアメリカが2015年に海外向け輸出を40年ぶりに再開させたほど。

およそイランとイラクとUAEを足したぐらいの産出量ですから、いかにアメリカが莫大な量のシェールガスが生産してるか分かります。2019年現在でも原油の産出量ではアメリカが世界第一位のまま。

○ガソリン価格を上げるために原油生産量を減らす

アメリカ産原油と比較すると相対的に価格面で不利になったため、そこで危機感を感じた中東各国は原油を大量に生産し始める。その結果、「世界のガソリン価格全体が引き下がった」という理屈。THE市場原理。

そのため中東アジアからの輸入に頼ってる日本もガソリン価格で恩恵を受けてたものの、逆にオイルマネーで潤ってる中東アジア諸国からするとガソリン価格が下がることは国家的な大ダメージ。富の流出そのもの。

そのため2016年後半頃からOPECは8年ぶりに原油の減産を決定。

何故なら市場へのガソリン供給が減れば、自動的にガソリン価格も引き上がる。野菜や牛乳と一緒。これらも豊作だった場合、価格が引き下がって利益が減るため大量に放棄する事件がたまにニュースになりますが、これはガソリンでも同じ。

実際、2017年頃からガソリン価格が再び高騰し始めた。改めて中東の影響力の大きさが認識させられます。一方、中東に置けるアメリカの影響力低下も相まって、OPECが増産に踏み切る可能性は五分五分程度か。

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今後ガソリン価格が高騰する可能性は低いが…

じゃあ、2020年以降のガソリン価格の推移や動向はどうなるのか?

結論から書くと、ガソリン価格が急激に高騰する可能性は低そうです。

何故なら、BEV(電気自動車)の普及でガソリン需要そのものが停滞してるから。

やはり環境規制の強まりによって、現在は世界各国の自動車メーカーが電気自動車の開発にこぞって注力してる。既に電気自動車やハイブリッドカーやガソリン消費量が少ない燃費性能が高いガソリンエンジンの開発も進み、世界的に需要が減退。

実際、新車販売台数は世界的に伸びる傾向にありますが、世界では既に毎年2%ほどのペースでガソリン使用量が減っているそう。日本国内でもガソリンスタンドの数も相当減りましたからね。

今後は自動車市場からガソリン車そのものが淘汰されることも考えられ、そもそもガソリン価格を気にする時代が来なくなる可能性が高い。極端にガソリン価格が高くなると、ますますBEVの普及が進んでしまう矛盾。

○ガソリンの値段は高止まりの状態が続く

一方、原油市場には投資資金が流れ込んでる。原油も投資対象。ガソリン価格は株価と連動しがち。実際リーマンショック時も株価が大幅に下がったのに比例して、原油価格も大幅に下落しました。原油価格が下がっても、投機目的のお金が流入しがち。

そもそも経済が好景気になれば、大量の荷物の輸送が増えて物流網が活発となり、旅行する観光客が増えればドライブも増える。結果的にガソリンの消費量が増えて、ガソリンの値段も比例して上がっていく。

ただし、現在は米中貿易摩擦や日韓の政府同士の対立など、世界的に経済が微妙に停滞しがち。不景気ってほどではないですが、投資資金は原油市場に積極的に流れ込まない。ガソリン需要に明るい未来はないことも影響か。

だから、「ガソリンという商品」が置かれてる状況はそれなりに厳しい。アメリカのシェールガスの増産や在庫状況も相まって、ガソリン価格が極端に高騰する可能性は低そう。おそらく需要と供給のバランスが大きく崩れる事態は考えにくい。

もちろん中東情勢という懸念材料が解決されたわけではないため、今後も不安定な状況が続くため一時的な価格高騰は十二分に考えられます。そのため現在はガソリンの値段が高騰する要因と下がり続ける要因が混在してる状態。

つまり、まとめるとガソリン価格は2020年以降も「基本的に高止まり状態が続く」と予想できそう。

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