日本に限らず、世界にはクルマ好きが多い。とりわけ昔の中古車の「旧車(きゅうしゃ)」は人気。旧車は英語だと「ヒストリックカー」や「クラシックカー」などと英訳されます。
世界的にも旧車が人気。1980年代1990年代の国産の旧車がアメリカでとんでもない高価格で購入されることも。ただし、旧車の購入はやっぱり危険だとか。
そこで今回カーギークでは「旧車(きゅうしゃ)のデメリットやリスク」を考察していこうと思います。何故、旧車は危険なのか?
危険1…旧車に対応した自動車保険(車両保険)が少ない
まずは「保険」の問題。
旧車は、やはり15年落ち20年落ちの古い中古車が多い。むしろ15年落ち20年落ちレベルだと旧車にカテゴライズしないと考えるクルマ好きも世の中にはいそう。でも、旧車は所詮中古車に過ぎない。しかも、超ド級に古い中古車。
そのため自動車保険(任意保険)の車両保険も、当然にして基準となるのは「今の時代の価格(リセールバリュー)」。仮に旧車を200万円300万円の高価格で購入しても、その金額が事故後に保証されることはまずありえない。
最近は旧車に対応した自動車保険も存在するには存在するようですが、基本的に期待薄。ただのクルマ好きの酔狂に付き合ってくれるお人好しな損害保険会社もいないでしょう。事故が起きても修理費用は出ず、ただただ損をするだけ。
危険2…旧車は維持費が高い
続いての危険性は「維持費のリスク」。
何故なら、軽自動車を含む自動車は13年を経過すると一律に税負担が重くなるから。自動車税然り、自動車重量税然り。つまり、旧車はほぼ全て購入した時点で問答無用で重税を強いられてる。
旧車を購入しようとするクルマ好きにとっては痛くも痒くもない負担金額だとは思いますが、それでも旧車はただでさえ割高な車両も少なくないため要らぬ負担がないに越したことはないでしょう。
そして、旧車は燃費も悪い。最近は燃費規制が世界各国で厳しくなってますが、これを裏返すと旧車が当時販売された時代は燃費規制は緩かったということ。昔は当然ハイブリッドカーなどは存在せず、旧車に乗れば乗るほど燃料費がかさむ。
ちなみに、あくまで「登録された時点」での話。例えば、海外から旧車を輸入した場合、その時点が登録日となるためどれだけ古い中古車であっても「新車」扱いにされます。とんだ裏技。
危険3…旧車は故障しやすい上に安全性が低い
最後の「故障リスク」の問題。やはり旧車の一番の危険性はここ。
旧車と表現するとカッコ良く聞こえますが、所詮は「とてつもなく古い中古車」。内装や各所の部品などは、既に消耗され尽くして劣化。どれだけ頑張って手入れしても経年劣化は防げない。ましてや昔の部品は今より精度が劣る。
要するに、旧車は故障しやすい。どれだけ見た目をキレイに仕上げても中身はオンボロ。
例えば、15年落ちの旧車を購入しても、5年後には早くも20年落ち。普通の新車よりも、旧車は更に老いていくスピードも早い。新車を人間の赤ちゃんと例えると、旧車は60代70代のおじいちゃん。いつ死亡してもおかしくない上、介護費用もかさむ。
旧車は自動ブレーキなど予防安全機能が備わってないのは当然として、昔の旧車は衝突安全性の基準が遥かに低い。また法律上は許されてますが、旧車の中にはシートベルトがない旧車も存在します。
もちろん、そこが旧車の醍醐味。でも、危険が危険じゃないかと言えば、やはり「命の危険」を伴うリスクがある。何故、最近は自動ブレーキ搭載車をみんなこぞって買うのか?って話です。
○カスタマイズしまくった後に故障すると思い出もパー
でも、旧車は最新車と違って構造や仕組みはシンプルで修理しやすそうです。
ただ現実には古い旧車だからこそ部品が貴重なため、旧車を直そうと思うとオイル漏れだけで修理費用は15万円。油圧式のパワーステアリングの修理費用でも10万円ということもザラ。そもそも部品がなくて修理ができないことも。
また旧車はカスタマイズを楽しむ人も多い。でも逆に言うと、どこまでカスタマイズしてもキリがないのも旧車。とてつもなく改造費を使ったのに、ある日突然故障してしまうという事態も発生。
ひとの趣味にゴチャゴチャいうのもどうかと思いますが、旧車は維持費の問題も含めて「金銭的なリスク」も改めて伴うことがわかります。旧車はそれだけ長期間保有するのは一般レベルでは大変だろうと思います。
考えてみると、最近はカーリースやトヨタのKINTOなど定額乗り放題サービスも展開されてますが、旧車専門のカーリースやレンタカーサービスがあっても良いのかも知れません。数週間数カ月の短期間であれば、一定の所有欲も満たせる。
とりあえず以上の危険性やリスク、デメリットを理解した上で旧車の購入をおすすめします。
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