先ごろの東京モーターショー2019にトヨタ自動車が「超小型EV」を発表したことが話題になりました。外観デザインがコンセプト感満載ですが、どうやらこの超小型EVは2020年冬頃に発売することは決定済みとか。
超小型を謳ってるだけあって、一回の充電で走行可能な距離は約100kmと相当短い。それでも日常生活で使う分には問題ないだろうという判断。2019年12月には出光興産が超小型EVのカーシェアリングサービスを展開しました。
じゃあ、果たして超小型EV事業は成功を収めるのか?
でもさっそく結論から書くと、おそらく「超小型EV事業は失敗する」だろうと考えられます。そこで超小型EVは何故普及しないのか理由を考察していこうと思います。
超小型EVはダサい
まず最初の超小型EVが普及しない・売れない理由は「ダサい」こと。
例えば、トヨタが発売する超小型EVはこのまま市販されるわけですが、正直ダサいと思います。せめてタイヤホイールぐらいもっとカッコ良くならないのか。バックドアが大きいため後方視界姓が良好なのはいいんですが、車体が小さいため衝突安全性が逆に気になってしまう。
少なくとも積極的に買おうと思わせるデザインではないか。
他にもトヨタはバイク風の超小型EVを発売するようですが、フロントマスクだけ見れば少しカッコいいような気もしますが、やはり全体的なフォルムが絶望的にダサい。言ってしまえば「ゴルフカート」のような雰囲気。
軽自動車もダサいと言われがちですが、やはり車体サイズが小さいほどダサくなりがち。やはり車体サイズが小さいからこそ、車体デザインに制約がありそう。超小型EVはまさにその典型。軽自動車の比ではない。やはりダサいクルマは売れない。
超小型EVは乗車定員数が少ない
続いての超小型EVが普及しない・売れない理由は「乗車定員の少なさ」が挙げられそう。
超小型EVは見た目からも分かるように、車内に乗り込める人数が少ないです。前述のトヨタの超小型EVの場合は2名のみ。運転席のドライバーと助手席の同乗者だけ。本当に「ちょっと移動するためだけ」にしか存在しない。
もちろんだからこそ超小型EVは「割安」に販売できる。おそらくトヨタ自動車にしろ出光興産にしろ、電気自動車の普及の鍵は「価格」にあると見ている模様。そのため車体を超小型に設計することで車両価格も抑えようとしてる。
ただし、昨今の軽自動車の売れ筋モデルを見ても分かるように、「車内が大きいクルマ」ほど人気の傾向。ミライースやアルトのような小さいクルマは売れない。やはり大は小を兼ねる。
超小型EVはこれだけ小さいと使い勝手が悪い。人を乗せられない。荷物を乗せられない。狭い車内は窮屈。もちろん車両価格が安くなることはいい話ですが、そこまで無理して新車を購入する人は少ない。
そもそも超小型EVが安くなると言っても、既に超小型車として販売されてるスマートのフォーツーやフォーフォーの車両価格を参考にすると最低でも200万円は超えそう。なおさら売れるはずがない。結局、電気自動車の普及の鍵を握ってるのは価格ではないんですよね。
超小型EVは商用目的としても中途半端
じゃあ、「商用目的」では普及しないのか?実際、トヨタ自動車にしても個人向けに販売するというよりも、田舎での高齢者の足として使ってもらおうなど超小型EVは「商用目的」での販売を目論んでる。カーシェアリングも好例。
でも、商用目的でも超小型EVは普及しなさそう。やはり超小型EVは「車内の狭さ」がネック。人を運ぶにしても、荷物を運ぶにしても、とにかく狭いと何もできない。ネット通販が普及拡大して久しいですが、この超小型EVで運べる荷物は限られてる。却って効率が悪い。
例えば、トヨタ自動車は農作業目的での使用も目論んでるようですが、やはり以下同文。例えばホンダは軽トラック事業から完全撤退するようですが、何故「軽トラック風の超小型EV」を発売しないのかといいたくもなります。
結局、超小型EVのサイズ感だと「原付バイク」で十分なんですよね。たかだか一人乗り二人乗り。衝突安全性の点でも不安が残る。ブランド力やデザイン性もない。もはや超小型EVは売れない要素しかない気がします。個人的にはデメリットしかない。
トヨタ自動車には小手先のことではなく、ちゃんと「必要とされる売れる電気自動車」を作って欲しいと思います。
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