ホンダ車と言えば、最近は自動ブレーキシステムの「ホンダセンシング」が有名ですが、やはり昔からアピールしてる技術が「センタータンクレイアウト」。前席下に燃料タンクを配置することで、軽自動車やコンパクトカーでも車内の広さを大きく確保できる。
もちろん「特許」で守られているためセンタータンクレイアウトを勝手に他の自動車メーカーが利用することは犯罪。技術的には大したことなさそうですが、アイデア的には秀逸。まさに目からウロコ。ホンダの新車販売にも貢献し続けてる。
ただし、この「センタータンクレイアウト」の特許がいよいよ切れてしまう模様。果たしてセンタータンクレイアウトの特許が切れたらホンダはどうなるのか?はたまた他の自動車メーカーへの影響は?
センタータンクレイアウトの特許出願日が2003年3月28日
まずは「センタータンクレイアウトの特許が本当に切れてしまうのか?」という疑問を確認。
そこで特許の詳細を調べられる特許情報プラットフォームで「センタータンクレイアウト」の項目を調べると、具体的には「車両用燃料タンクの配置構造」という名称の技術でホンダは特許出願している模様。
でも問題は「公開日2000年3月28日」という項目。割と知ってる人は多そうですが、特許権は原則として「20年間」と決められてます。特許権の存続期間は延長できますが、それでも「20年以上」は不可能。どの特許も20年を超えると完全に特許権が消滅してしまう。
正確には「特許出願日から20年」のため、実際にお金儲けできる特許の存続期間は体感的にはもっと短そうですが、ホンダがセンタータンクレイアウトの特許を出願した日からちょうど20年後にあたるのが「2020年3月28日」ということ。
だから、この噂は事実。センタータンクレイアウトの技術は2020年3月28日をもって、どの自動車メーカーも誰でも利用できるようになるそう。これまで企業が費やしてきた莫大な研究開発費用を考えると、もっと特許期間は長くても良さそうな気もしますが…。
全ての国産車の「室内空間」が広くなる?
続いては「センタータンクレイアウトの特許が開放されればどうなるのか?」を考察していこうと思います。
結論から書くと、ホンダ以外の「国産新型車すべての車内空間・室内空間が広くなる」ことはほぼ確定的でありましょう。
かつて三菱・i(アイ)はホンダに高い特許使用料を払ってまでセンタータンクレイアウトを採用していたようですが、それも全部タダ。トヨタを含めて、これから発売されるであろう新型車の多くは「センタータンクレイアウトを取り込んでいく」に違いない。
とりわけ軽自動車やコンパクトカーといった車体サイズが小さい車種にとってセンタータンクレイアウトは非常に効果的。近々に発売される具体的な新型車は別記事も参照してもらうとして、今回の特許が切れるタイミングとほぼ同時に発売される日産新型ルークスはさすがに難しそう。
ただスズキ新型ワゴンRやスズキ新型アルト、ダイハツ新型ムーヴなどは2020年夏以降か2021年以降にフルモデルチェンジすると見られてる。スズキのマイルドハイブリッドはバッテリーが助手席下に置かれてるため工夫は必要ですが、今後ホンダ以外の軽自動車もFMCを機に広くなりそう。
他にもトヨタ新型アクアやマツダ新型MAZDA2といったコンパクトカーも2021年頃にフルモデルチェンジすると見られてる。アクアもMAZDA2も車内が狭いことで有名。次期モデルの発売時にセンタータンクレイアウトが採用されたら面白そう。
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