【考察】電気自動車の「走行税」は現実的か?【EVの税金】

スポンサーリンク

先日、「日産新型リーフの試乗インプレッション記事」も執筆しましたが、最近は世界中で電気自動車(EV)が徐々に販売台数を伸ばしています。特に中国では環境悪化と急激な経済発展に伴って、お金持ちを筆頭に電気自動車の販売台数が激増。既に世界一を誇るEV大国らしい。

ただこれに待ったをかけたのが石油業界。2017年9月に石油連盟の会長・木村康が「税負担の公平性」を訴えててる。要約すると「揮発油税(ガソリン税)が搾取されていない電気自動車は卑怯」という内容。ガソリン車と同じようにEVにも相応の税負担を求めないと、ますます石油需要が減ってしまう危機感からとのこと。

そこで現在考えられているのが「走行税(あくまで仮称)」と呼ばれる新たな税金。その名の通り、クルマの走行距離に応じて税金を負担するというもの。今回はEV(もっといえば燃料電池車も)が本格的に到来する新たなクルマに関する税負担のあり方について考えていきたいと思います。

電気自動車にも新たな税負担は必須

結論から書いちゃうと、「電気自動車(EV)にも新たな税負担は必須」であることは明白だと思います。

何故ならガソリン税の年間の税収額はかなり膨大だから。地方税や国税など細かくゴチャゴチャ分かれてるんですが、ざっくりガソリン税として一つにまとめると、日本の税収全体に占める割合はざっくり5%台前半らしい。税収額に換算すると、ガソリン税に関連する税収は年間だけで3~4兆円程度。

EVが本格的に普及する2050年には先進国でのガソリン税など関連する税収は8割以上は落ち込むと予想されているため、最低でも2兆円程度の税収が失われる計算。2030年ですら新車販売の3割程度はEVやFCVとなると見られており、今から約10年後でもガソリン税など関連する税収は約3割減少すると考えられています。

悪名高き道路特定財源制度は民主党政権時代になくなったと記憶してますが、現在でも引き続き一般財源から新たな道路整備や道路の維持管理に税金が支出されてる。税負担が減ることは歓迎すべきですが、当然税によって救われてる一面も市民・国民にはあります。さすがにいきなり税収が失われるのは、誰が考えても問題。

EVどうこうより、自動車に関連する税が重複しすぎ!

ただこのままEV(電気自動車)に新たな税負担を求めるのを「良し」としにくいのは事実。

何故なら、既に自動車に関連する税負担が重すぎるから。前述のガソリン税にしても本則税率24.3%に対して、更に暫定税率として同額の24.3%が上乗せされてる。いつまで増税し続けてんねんって話ですが、もっと言えば自動車に関連する税金はとにかく重複しすぎてる。

石油業界が主張している「走行距離に応じての税負担」は、おそらくクルマが走れば走るほど道路の劣化を早めてしまう。「受益者負担の原則」から税負担を重くする、という理屈は理にかなってる。

ただ既にEV走行税と同様の税金は「自動車重量税」が担ってる。車両が重くなれば道路をそれだけ傷めるのは理解できますが、理屈を借りるならEV走行税は不要。重量税に一本化すればいいやんって話ですから。

既にガソリンにも地球温暖化対策税(環境税)や消費税がかかってたり、自動車に関連する税金は本当にヒドい。自民党の政治家や官僚がパッと思いついたから、テキトーにパッチワーク的にどんどん税負担を繋ぎ合わせてるだけ。いい加減、自動車に関する税制を根本から見直していい時代。

いつまで総理大臣をやり続けてるかは特に期待してませんが、これから確実に普及するであろう電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)をキッカケに、ちゃんとドライバーや消費者・有権者が納得できる自動車の制度や税負担のあり方を安倍政権は作って欲しいものです。

ついでに「電気自動車を普及させるための課題と問題点」も考察済みなので良かったら読んで下さい。