【2021】N-VAN vs ハイゼットカーゴ 徹底比較まとめ【長所短所の違い】

ホンダ新型N-VANは軽商用車のクセに販売が好調らしい。既に当ブログでも【評価】新型N-VAN試乗レビューも執筆済みですが、確かに色んな意味で軽商用車の概念を覆してくれちゃってる新型N-VAN。

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(上:N-VAN、下:ハイゼットカーゴ)

そこで今回カーギークでは「ホンダ・N-VANとダイハツ・ハイゼットカーゴ」を徹底的に比較していこうと思います。軽商用車の需要もそれなりに多いと思うので、是非クルマ選びの参考にしてください。

果たして、N-VANとハイゼットカーゴはどっちが積載能力に長けているのか?

N-VANとハイゼットカーゴの「デザイン」を比較してみる

最初はホンダ・N-VANとダイハツ・ハイゼットカーゴの内外装を比べていこうと思います。さすがにデザインで選択してる人も少ないと思いますが、改めて比較してみると面白いかも知れません。

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(上:N-VAN、下:ハイゼットカーゴ)

外装デザインを改めて比較してみると、やはり2018年に発売されたばかりもあってデザインの質感はハイゼットカーゴよりもN-VANが優位だと思います。

N-VANはベース車両がNBOXそのものなんですが、デザイン的にはさながら先代NBOX風。例えば、運転席助手席側のドアノブを見ると、N-VANは上下から掴める最新タイプに対して、ハイゼットカーゴは下からのみ。どうしても古臭さは否めない。

ただハイゼットカーゴは2007年に発売された事実を考慮すれば、そこまでN-VANと比べても古臭さは感じないか。どっちもプレスラインが施されていたり、軽商用車の割にN-VANもハイゼットカーゴも意外とデザインに工夫されてることも読み取れます。

○内装インパネはN-VANに軍配が上がるが…

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(上:N-VAN、下:ハイゼットカーゴ)

続いて内装インパネ周りを比較してみると、発売されたばかりなので内装の質感もN-VANが全体的にハイゼットカーゴよりも高め。画像からは確認できませんが、N-VANのメーターには液晶ディスプレイなどが採用されております。

他にも装備面の比較は後述しますが、ハイゼットカーゴはマニュアルエアコンのみということもあってか、そこらへんの装備差も内装の質感に影響か。N-VANだと運転席側に侵入防止板みたいなんも用意されており、これが地味に便利だったりします。

とはいえ、内装インパネ周りの比較でも共通して言えますが、10年以上前に発売された軽商用車という事実を考えたら、ダイハツ・ハイゼットカーゴもそれなりにN-VANに健闘しているのかも知れない。

だから言っても、「ハイゼットカーゴ古臭ッッwww」みたいな感じはない。値段の違いも後述しますが、N-VANよりも随分と割安なことを考えれば、あくまで軽商用車としてはハイゼットカーゴの内装面も十分魅力的な商品に仕上がってるとは言えそう。

【比較】N-VANとハイゼットカーゴの積載能力の違い

続いては「積載性能の違い」を比較していこうと思います。いくらデザインや内装の質感が良くても、結局はどっちも商用車。どれだけ多くの荷物が積載できるか、また簡単に荷物の上げ下ろしできるかが重要。

そこでN-VANとハイゼットカーゴの主要諸元(車体サイズ)の違いを比べてみようと思います。先程の比較画像では同じように見えましたが、意外とN-VANとハイゼットカーゴの車体サイズが異なります。

○N-VANの主要諸元と車体サイズの違い

◆全長…3395mm
◆全幅…1475mm
◆全高…1945mm(1850mm)
◆ホイールベース…2520mm

()内はロールーフ仕様。

○ハイゼットカーゴの主要諸元と車体サイズの違い

◆全長…3395mm
◆全幅…1475mm
◆全高…1875mm(1765mm)
◆ホイールベース…2450mm

()内はロールーフ仕様。

以上、両者の違いを見ると軽自動車なので全長全幅こそ同じですが、全高がハイゼットカーゴよりも圧倒的にN-VANが高いことが分かります。ハイルーフ仕様だと6cm、ロールーフ仕様でも8.5cmほどN-VANの方が背高。

またベース車両がN-BOXのせいか、ホイールベースもN-VANの方がハイゼットカーゴよりも7cmほど長め。その分だけ普通は室内空間が広くなる。そのためこのスペックの違いだけ見たら、やはり最近発売されたN-VANの方が荷物を大量に積み込める?

○ハイゼットカーゴが積載性能では軍配があがるが…

でも、実は答えはNO。N-VANはFF車なんですが、ハイゼットカーゴはMR車。ざっくり違いを解説すると、エンジンの位置や駆動輪が異なる。普通は後者の方が荷室空間を多く確保できるので、軽商用車にはMR車が多い。

そのためハイゼットカーゴの方がN-VANよりも多く荷物を積み込める。だからN-VANは結構思い切った判断をしてきたカタチ。

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(ベストカー9月26日号 講談社)

実際、荷室スペースの違いを確認しておくと、荷室奥行きはN-VANが138cmに対して、ハイゼットカーゴは177cmも確保されてる。荷室幅もN-VANとハイゼットカーゴとでは約15cm前後も違う計算。

一応、N-VANが低床設計されたNBOXがベース車両に加えて、前述のように全高がめちゃんこ高い。そのため荷室高はハイゼットカーゴよりも10cm以上高いものの、それでもベストカーの比較記事によると「積み込めたダンボール箱の数は20個程度の差」もあったらしい。

N-VANはホンダの公式サイトではダンボール箱70個積載できるとアピールされてるものの、思った以上にハイゼットカーゴに大きく溝を開けられてるカタチ。同様にエブリイもN-VANより多くの荷物が積載できるはず。

だから軽商用車としての能力はハイゼットカーゴに軍配が上がりそう。

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ただし、N-VANはご存知のように「完全ピラーレス」が実現されてる。画像からも分かるように、助手席サイドの開口部は非常に広い。そのたわざわざハッチゲートから荷物を上げ下ろしする必要がなく、「使い勝手の良さ」という点ではN-VANも良い勝負かも。

N-VANは荷室高が高いのでダンボール箱も上に積み込むことができれば、そこまでハイゼットカーゴと積載能力が変わらない可能性も。またN-VANはハイゼットカーゴよりも低床設計のため頻繁に小さい荷物を配送してる場合、軽商用車としての実力はN-VANも十分蓄えていると考察されます。

【N-VAN vs ハイゼットカーゴ】走りに違いは出るか?

続いては「走行性能の違い」を比べていこうと思います。軽商用車としてどこまで質感が求められるかは不明ですが、他にも乗り心地や操縦安定性など総合的に比較してみました。

○N-VANのエンジンスペックの違い

◆660cc直3NAエンジン
◆最高出力…53PS/6800rpm
◆最大トルク…6.5kgm/4800rpm
◆車重…930~970kg
◆カタログ燃費…23.8km/L(CVT)

○ハイゼットカーゴのエンジンスペックの違い

◆660cc直3NAエンジン
◆最高出力…53PS/7200rpm
◆最大トルク…6.1kgm/4000rpm
◆車重…900~950kg
◆カタログ燃費…17.8km/L(4AT)

○走りや乗り心地の質感はN-VANに軍配!

以上が両者のエンジンスペックの比較ですが、結論から書くと、走りの質感はN-VANに軍配が上がる。やはり評判が良いNBOXがベース車両なので、N-VANは全体的に走り味は乗用車ライクに近い。一方、ハイゼットカーゴは良くも悪くも軽商用車どまり。

N-VANはピラーレスを採用したことで車重が重いものの、トルクが若干太いのでハイゼットカーゴよりも走りはやや力強い。実際、ベストカーの比較記事では0-60km/h加速は1秒ほどN-VANがハイゼットカーゴよりも速い結果に。

また車体の遮音性はどっちもどっこいどっこいですが、エンジンの静粛性もN-VANに軍配。積載性能を犠牲にした分だけ、FF車のN-VANがハイゼットカーゴよりも乗り心地も快適(ただし運転席に限る)。

軽商用車として意外と気になる操縦安定性ですが、新型N-VANは車高こそめちゃめちゃ高いものの、重心が意外と低い。そのため体感的なハンドリング性能でもハイゼットカーゴを上回るはず。

ただし、ハイゼットカーゴは前述のようにホイールベースが短い。そのため小回り性能の点ではN-VANよりもハイゼットカーゴが有利。狭い路地で仕事をする機会が多いのであれば、ハイゼットカーゴに軍配かも知れない。

ちなみにN-VANもハイゼットカーゴもターボエンジンは設定されてるものの、あくまで乗用車グレードのみに限られるため、あくまで「軽商用車同士の比較」ということで今回は割愛してます。

【N-VAN】値段の比較から考えるおすすめ度【ハイゼットカーゴ】

最後は「値段」を比較して終わります。果たしてハイゼットカーゴとN-VANはどっちがおすすめなのか?

○N-VANの値段一覧

◆N-VAN G…126.7万円
◆N-VAN L…134.1万円
◆N-VAN +STYLE FUN…156.0万円
◆N-VAN +STYLE FUN・ターボ…166.8万円
◆N-VAN +STYLE COOL…156.0万円(ロールーフ)
◆N-VAN +STYLE COOL・ターボ…166.8万円(ロールーフ)

4WDモデルは+13万円ほど。N-VANは全グレードに自動ブレーキが採用されているため、「ホンダセンシング」の名称は割愛。逆に言うと、N-VANには自動ブレーキ未搭載のグレードはありません。

○ハイゼットカーゴの値段一覧

◆スペシャルSAⅢ…106.4万円(ロールーフ)
◆スペシャルクリーンSAⅢ…108.5万円(ロールーフ)
◆デラックスSAⅢ…115.5万円
◆クルーズSAⅢ…124.2万円
◆クルーズターボSAⅢ…136.0万円

4WDモデルは+13万円ほど。敢えてN-VANと比較しやすいように、自動ブレーキ搭載グレードのみ記載。

一応、ハイゼットカーゴは自動ブレーキ未搭載のグレードはそれぞれに用意されており、値段は上記の値段からマイナス13万円ほど下がります。ハイゼットカーゴの最廉価グレードは、自動ブレーキ未搭載の「スペシャル(5速MT)」の93.4万円になります。

○N-VANはハイゼットカーゴより割高だが装備が充実!

一覧にして比較すると一目瞭然ですが、N-VANの値段は明らかにハイゼットカーゴより割高になります。

ただし、N-VANの乗用車向けの「+SYTLE」がロールーフに対して、ハイゼットカーゴは商用車向けのグレードがロールーフ。つまり軽商用車として比較した場合、N-VANの方が圧倒的に巨大。

そのため軽商用車用同士の比較では価格差が約20万円程度ではあるものの、商品性は意外と真逆。じゃあ値段の違いに意味があるのか?って話ですが、装備面を比較してみると、やはり違いはそれなりに多い。

例えば、自動ブレーキ。ハイゼットカーゴも対人対応の自動ブレーキが標準装備ですが、N-VANはホンダセンシングのためACC(追従クルーズコントロール)が搭載されてる。軽商用車としてはまさにオーバースペック。

また、前述のようにN-VANはフルオートエアコン(集塵フィルター)が標準装備なのに対して、ハイゼットカーゴは全グレードでマニュアルエアコンのみ。全部手動で調整しなきゃいけない。

他にも、N-VANには運転席アームレストも「L」には標準装備されてるのに対して、ハイゼットカーゴは軽商用車グレードには設定すらされず。またすっかりスマートフォンが定着した感がありますが、いざというときのUSBジャックもN-VANには複数用意。

ここにピラーレスも装備として付いてくることを考慮すれば、まさにN-VANの装備面は軽商用車としては破格。N-VANの割高な値段に比例するように、ハイゼットカーゴは車体の古さも含めてN-VANと比べると何周遅れ感は否めない。

確かに「軽商用車にそこまで充実した装備は要らないよ。軽商用車なら安い方で十分」という人も多そうですが、どうせ100万円以上の買い物をする以上はセコセコせず、最低限の装備があった方が仕事も捗りそうです。

【比較】N-VANとハイゼットカーゴ 違いまとめ

以上、カーギークによるホンダ・N-VANとダイハツ・ハイゼットカーゴの比較記事でした。

結論をまとめると、商品としてのクオリティや質感の高さはN-VANに軍配が上がります。車体ベースがNBOXのため中身はしっかりしており、走りや乗り味はハイゼットカーゴと比較するのが少し可哀想なほど。

値段に比例するように、N-VANは装備面でも充実。特に「ピラーレス」という飛び道具はハマれば、仕事車として使っていく上で手放せなくなるか。積載性の比較ではハイゼットカーゴがMR車だけあって有利なものの、おそらくピラーレスやフルフラット構造のメリットが相殺してくれるはず。

ただハイゼットカーゴの方がN-VANよりも数十万円ほど割安なため、商売人からすれば見過ごせない負担額。単純な装備差で納得できる金額かと言うと、そこらへんはシビアに考えれば微妙な部分かも。

だからあくまで「軽商用車として比較」した場合、N-VANとハイゼットカーゴのどちらがベストバイかまでは甲乙付けがたいのかなーと思います。あとは価格やコスパを求めるかによって、自ずと結論は出てくるはずです。

ちなみに【比較】N-VAN vs N-BOX【比較】ハイゼットカーゴ vs エブリイなどもご参照ください。

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