最近は軽自動車でも「自動ブレーキ」が当たり前のように標準装備化されてきました。
ただ軽自動車メーカーの二大巨塔がスズキとダイハツ。
じゃあ、どっちの自動ブレーキが優れているのか?そもそもスズキとダイハツの自動ブレーキに違いはあるのか?
そこで今回カーギークでは、スズキの自動ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」とダイハツの自動ブレーキ「スマートアシスト3」を徹底的に比較してみようと思います。
果たしてスズキとダイハツの自動ブレーキはどっちが安全なのか?
【仕組み】デュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3の違い解説
まずはスズキ・デュアルセンサーブレーキサポートとダイハツ・スマートアシスト3の、自動ブレーキとしての仕組みの違いを解説しようと思います。
まずスズキのデュアルセンサーブレーキサポートは「赤外線センサー+単眼カメラ(1個のカメラ)」が組み合わさった自動ブレーキになります。
具体的には赤外線センサーで「遠方の対象物」、単眼カメラで「歩行者など動く対象物」を映像的に認識し、それぞれの特徴を組み合わせることで自動ブレーキとしての性能を高めてる。
一方、ダイハツのスマートアシスト3は「ステレオカメラ(2個のカメラ)」を組み合わせた自動ブレーキになります。赤外線センサーよりカメラの方が値段が張るため、スズキのデュアルセンサーよりも価格は割高。
言うまでもなく、1個のカメラよりも2個のカメラの方が幅広い情報を認識できるため、スマートアシスト3は赤外線センサーなど使用しなくても割と遠方まで認識可能してくれる。
スズキにも「デュアルカメラブレーキサポート」というステレオカメラ式の自動ブレーキは存在するんですが、価格面もあってか軽自動車には今回比較する自動ブレーキが主に搭載されています。
【比較】オートハイビーム&先行車発進機能はどっちもほぼ互角
まずは「オートハイビーム機能」や「先行車発進機能」でデュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3を比較してみようと思います。
オートハイビーム機能とは、対向車が来ると相手のライトを検知してロービームに切り替え、また対向車がいなくなると自動的にハイビームに戻してくれる便利なもの。
結論から書くと、デュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3もどっちにも搭載されております。基本的にスズキもダイハツも大きな違いはないものの、微妙な性能の違いも存在します。
例えば、スズキのデュアルセンサーブレーキが自車速度が30km/h以上で機能するのに対して、ダイハツのスマートアシスト3は自車速度が25km/h以上で機能してくれる。
一方、先行車発進機能。信号待ちなど停車中に前方にいる車両が進み始めて、自車から一定の距離が離れるとブザーでお知らせしてくれる。
結論から書くと、デュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3もどっちにも搭載されております。むしろ最近の自動ブレーキでは当たり前の機能なので違いはないものの、やはり微妙な性能差が存在。
スズキのデュアルセンサーブレーキが「先行車と約5メートル離れる」と反応するのに対して、ダイハツのスマートアシスト3は「先行車と約3メートル離れる」と反応する。
だから性能で細かく比較すると、ダイハツのスマートアシスト3の方が少しだけ性能に優れるらしい。強いて言えば、スマアシ3は逆に過敏に反応してウザい気も。逆にスズキの自動ブレーキは敢えて反応を鈍くしてる可能性も。
【スズキ・デュアル】誤発進抑制機能で比較してみる【ダイハツ・スマアシ】
続いては「誤発進抑制機能」。前方や後方に障害物があればアクセルを踏み込んでも突進しない。特に高齢ドライバーには欲しい安全機能。
結論から書くと、やはりデュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3もどっちにも搭載されております。例えば「前方4メートル以内」という条件も同じです。
ただし、スマートアシスト3は「後方の障害物」にも対応してるのが特徴。フロントガラス付近にカメラだけではなく、リアバンパーにソナーを接地。そのためバックで駐車する時でも、間違ってアクセルを強く踏んでも車両が飛び出さない。
一方、スズキ・ソリオなどに搭載されてる「デュアルカメラブレーキサポート」なら後方にも対応してるものの、今回の軽自動車向けの「デュアルセンサーブレーキ」では不可。
そのため敢えて比較するなら、ダイハツのスマートアシスト3がやや優勢。
車線逸脱防止支援システムで比較してみる
続いては「車線逸脱防止支援システム」で比較。車線を車両がはみ出しそうになるとブザー音で警告したり、ハンドル操作も行って事故を未然に防いでくれる。
結論から書くと、どっちも性能的には同じです。スズキもダイハツも時速60km/h以上で車線をはみ出しそうになると、警告ブザーが鳴らして注意喚起を行ってくれる。
ただし、デュアルセンサーブレーキとスマートアシスト3も「警告止まり」という点でも同じ。例えばホンダセンシングのようにハンドル制御まで行って、車線のはみ出しを防止することはできません。
また強いて言えば、スズキのデュアルセンサーブレーキは「ふらつき防止」にも対応してるのが強み。いわゆる「蛇行運転」でも警告してくれる。一方、ダイハツのスマートアシスト3はあくまで車線のはみ出しだけにしか対応してない。
そのため車線逸脱防止支援システムで、スズキのデュアルセンサーブレーキの方がやや優勢。
【作動速度比較】結局、自動ブレーキとしての性能はどっちが優秀なん?
最後は「自動ブレーキが作動する条件」を比較して終わりたいと思います。具体的には何km/hからブレーキが作動し、また歩行者にも対応してくれるのかなど。
結論から書くと、スズキ・デュアルカメラブレーキサポートもダイハツのスマートアシスト3も性能差はほぼないと思います。どっちも歩行者にも自動ブレーキは作動するなど、軽自動車としては優秀。
例えば、誰もが想像する「衝突軽減ブレーキ機能」の速度作動域を比較したいと思います。
スズキのデュアルセンサーブレーキは「自車速度が5~100km/hで走行中」なのに対して、ダイハツのスマートアシスト3は「自車速度が4~80km/h」。
一見すると速度作動域の幅はスズキが勝ってるものの、デュアルセンサーブレーキサポートで最終的に衝突回避できる可能性は「自車速度が5~50km/h未満の場合」とされております。
一方、ダイハツ・スマートアシスト3は「対象車両などとの速度差が30~80km/h未満」だったら衝突回避できるとされており、言い回しが異なるだけでどっちも「自車速度が最大50km/h」までしか基本的に対応できない。
対歩行者に関しても同様で、スズキもダイハツも「自車速度が最大30km/h未満」のみに条件は限られます。ややダイハツのスマアシ3が優勢のようにも思えますが、JNCAPの実験なども合わせるとスズキのデュアルセンサーと大きな差はないでしょう。
【結論まとめ】スズキもダイハツもどっちの自動ブレーキもそこそこ優秀です!
以上、カーギークによるスズキとダイハツの自動ブレーキの違いでした。
オートハイビーム機能など全体的にダイハツ・スマアシ3が有利な点は多いものの、自動ブレーキとしての根本部分はスズキ・デュアルセンサーブレーキと大差はないと思います。
どちらかと言うと車が最終的に停止できるかどうかは、自動ブレーキの性能よりも車両重量がどれだけ重いか、また道路が濡れてるか凍ってるなど路面状況に左右されそう。
例えば、900kg近いスペーシアと600kg台のアルトを比較した場合、どっちの制動力が優れてるか(結果的に安全に止まれるか)は言うまでもないでしょう。それは自動ブレーキの点においても同じ。
つまり、結論をまとめると「どっちの自動ブレーキも比較的優秀」ということ。予防安全性能の点でスズキ車とダイハツ車のどっちがいいかなど、あまり思い悩んで比較する必要はないと思います。
ちなみに【人気】スズキおすすめ軽自動車ランキングまとめや【人気】ダイハツおすすめ軽自動車ランキングまとめなども併せてご参照ください。
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