つい先日、2020年5月の新車販売ランキングが発表されたので、普通車と軽自動車別にチェックしていこうと思います。
2020年4月の新車販売ですが、メルセデスベンツやBMWといった輸入車メーカーは軒並み3割4割ほど減らしてる。アウディに至っては約7割減でした。果たしてコロナで経済活動が停滞する中、日本の自動車メーカーは大丈夫なのか?
ヤリスとフィットは好調も…
まずは2020年5月の普通車上位5車種をチェック。
1位がトヨタ・ヤリスの10388台。2位がトヨタ・ライズの7916台。3位がホンダ・フィットの7235台。4位がトヨタ・カローラ、5位がトヨタ・アルファードと続きます。
ヤリスとフィットは2020年2月にフルモデルチェンジしたばかりだけあって、前年比で増加。もともと注文がストップするぐらい売れてたライズは1万台を割り込んだものの、これはダイハツの生産工場が停止したから。現状まだ納期は先も先とか。
一方、前年比で何故か新車販売台数を伸ばしてるのがトヨタ・アルファード。ニュースでも話題になってましたが、これはコロナ禍によって電車といった公共機関の密集空間が避けられるようになったから。結果、法人需要が伸びたと予想。
だから経済停滞で新車販売が売れない傾向が強いものの、「車だからこその強み」も改めて再認識できそう。もちろんタクシーなどは別でしょうが、一人や二人で移動する分には電車よりも車内のほうが安全と言えそう。
5割6割減の車種は当たり前
ただし、やはり全体で見ると2020年5月の新車販売台数は4月以前よりも顕著に落ち込んでます。
例えば、シエンタやルーミー、フリードといったプチバンと呼ばれる人気ジャンルであっても5割6割減。
トヨタ・ヴォクシーや日産・セレナは5割減。めちゃくちゃ試乗評価も高かったトヨタ・RAV4ですら65%減。ヴェゼルやC-HRといった本来売れ筋のSUV車が軒並み壊滅状態というのが、2020年5月の新車販売の凄惨さを物語ってる気がします。
スズキ車を見ると、ソリオやスイフトといったそこそこ売れてる車種でも7割以上の激減。2020年夏頃に新型ソリオはフルモデルチェンジする噂もありますが、それでもここまでの新車販売の落ち込みは異常。
これは日本政府が外出自粛を発表したことが大きいんですが、自動車メーカーが工場の稼働を停止してることも大きい。スズキ然り、トヨタ然り、3月4月以降で生産が落ち込んだ結果、その反動が少し遅れて5月に反映されてる。
もし供給が止まって売れてないだけだとしたら、新車を買いたい人が買えてないことになる。だから今すぐ車がほしい方は「中古車」を探してみるのもいいかも。中古車は目の前にある車がすぐ入手できるので、納期という心配がゼロ。
タントの落ち込みがヤバすぎた
続いては2020年5月の軽自動車新車販売ランキングをチェック。
1位から10位までのランキングがこちら。やはりホンダ・N-BOXが不動の一位。このコロナ禍の中でも1万台を売り上げるのはご立派としか言いようがない。続いてダイハツ・ミラ、スズキ・スペーシア、日産・ルークスなどが続きます。
一方、ダイハツ・タントはまさかの8位でわずか2497台に留まります。前月4月の新車販売と比べると、6000台以上も不自然に減らしてる。ダイハツも工場の稼働が停止した影響はあるものの、ミラが4500台も売れてるので不思議。
でも、N-BOXは「在庫」も多く抱えてる裏返しなのかも。タントは落ち込みが激しいが、逆に言うとこれまで乱売(自社登録)してなかった裏返しだとしたら、スズキ・スペーシアの落ち込みが鈍かったのもなんとなく理解できそう。
とはいえ自社登録などで水増ししててコレだったら、ダイハツ・タントはガチで不人気車ってことになりますが、とにかく金持ち向けの高級輸入車から庶民向けの軽自動車まで本当に幅広く売れてないことが分かります。
既に自動車のタイヤなどの素材を作っていたゴム製品メーカーが倒産したり、トヨタ自動車も夏以降の工場の稼働日数を減らすことを発表するなど、2020年6月以降の新車販売も厳しいことが予想できそう。
ドイツ政府は消費減税を行いましたが、日本政府や安倍政権は一体どう経済をテコ入れするつもりなんでしょう。飲食業や観光業だけではなく、自動車業界も沈没したらいよいよ日本という国がヤバそうです。
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