先日、2020年4月の新車販売ランキングが確定。そこでカーギークではいつものように新車販売ランクの中身を簡単に考察していこうと思います。自動車メーカーの業績にも既に反映されてますが、コロナの影響は出てるのか?
ヤリスに軍配
まずは「普通車」の2020年4月の新車販売ランキングをチェック。
上位5車種を見てみると、1位がトヨタ新型ヤリス、2位がホンダ新型フィット、3位がトヨタ新型シエンタ、4位以降はトヨタ新型カローラ、ホンダ新型フリード、トヨタ新型アルファードと続きます。
前月3月の新車販売ではフィットがヤリスを上回っていたことから、4月はヤリスが追い抜いた形。ヤリスと違って、フィットは先代モデルの販売台数も含めていた数字だったので4月はその分が消えたことが悪影響したんだと思います。
例のデザインが市場にどう評価されてるかはもう少し長い目で見ないと分かりませんが、商品力の点でヤリスが上回るのかも知れない。コンパクトカーそのものの需要が少なくなってる現状、ヤリスのように方向性がハッキリさせた方が売れるのかも。
それ以外の車種は昨年末頃にマイナーチェンジといったテコ入れした効果も大きいですが、どれも前年比で90%以上を維持しており、ミニバン車の底堅さが伺えます。
またアルファードの販売台数の安定っぷりを見る限り、やはりヴェルファイアはフルモデルチェンジを機にお役御免となるのか。
コロナの影響は顕著
続いては7位以下の普通車のランキングをチェックしたいと思います。
2020年4月の7位以下の販売台数ですが、トヨタ新型ライズ、トヨタ新型ルーミー、トヨタ新型プリウス、トヨタ新型アクア、トヨタ新型ヴォクシー、トヨタ新型タンク、日産新型ノートと続きます。
ほぼトヨタ車ばかりですが、どれも前年比で50%前後の販売減。やはりコロナの影響が顕著に出てることが伺えます。ライズは一時期まで販売ランク1位を保持してましたが、受注を停止してるものの生産停止が効いてるのかも。実際、ライズの納期が短くなってないのがその証拠か。
改めて軽自動車のランクでも触れますが、そもそも生産ができないのでは販売を伸ばしようがない。トヨタ新型アクアのフルモデルチェンジやトヨタ新型ノアヴォクシーのフルモデルチェンジは2021年を予定してますが、もしかすると早期のテコ入れのために販売時期が早まる可能性もありそう。
一方、急速な販売減で大赤字となった日産ですが、ノートの販売減からも一端が読み取れます。ただし、新型ノートは2020年にフルモデルチェンジを予定しており、モデル末期という状況が影響してる可能性も。
マツダ全体の販売台数がヤバい
そして、日産自動車以上にヤバそうなのがマツダ。数千億円の借り入れで話題になりましたが、経営状態が再びヤバいというニュースも話題になりましたが、実際、販売台数の面でもヤバそう。
具体的には2020年4月に一番売れた車種がマツダ新型CX30の1278台。続いてマツダ新型MAZDA2の1258台。CX30は価格帯的にまあそんなもんかなって感じですが、コンパクトカーのMAZDA2がこの程度しか売れないのは悲惨としか言いようがない。
もちろんコンパクトカーの中では価格帯は割高ですが、スズキのスイフトですら1406台、クロスビーですら1106台も売れてますからね。コンパクトカーは数を売ってなんぼ。旗から見てても厳しいのが伝わります。しかも、MAZDA2などはマツダの中でまだ売れてる方。
そこに続くMAZDA3は964台、CX-5は947台と1000台を割り込む。ホンダ・シャトルにすら負けてる始末。MAZDA3は最近フルモデルチェンジしたばかり。かつての売れ線モデルだったCX-5はモデル末期の日産新型エクストレイルとほぼ同じ。
もしかするとマツダ新型CX-5のフルモデルチェンジも早まる可能性がありそう。
軽自動車もコロナの影響は大きいが…
続いては2020年4月の軽自動車の新車販売を考察していこうと思います。
まず1位から順番に見てみると、ホンダ新型N-BOX、ダイハツ新型タント、ダイハツ新型ムーヴ、スズキ新型スペーシア、ダイハツ新型ミラと続きます。
やはり2020年4月でも、N-BOXはド安定。売れてない売れてないと言われつつも、タントはフルモデルチェンジしたばかりだけあってそれなりに販売台数を維持。ムーヴもフルモデルチェンジを控えてますが、キャンバスが健闘。
一方、スペーシアはタントと比べると随分と販売台数を落としてますが、確かスズキは工場の停止が影響。ハスラー、ワゴンRといった車種も軒並み販売台数を落としてる。そこらへんで相対的にダイハツ勢が健闘してるように見えるのかも。
とはいえ、それでもN-BOXを含めてコロナの影響は甚大。上位車種でも3割り程度の販売減が確認されます。
とりわけ3月にフルモデルチェンジしたばかりの日産新型ルークスの販売台数は2868台と惨憺たる数字。デイズも以下同文ですが、つくづくタイミングが悪い。
前述の普通車も含めて、2020年4月の日産の台数はヤバいことが分かります。やはりコロナの影響でみんなディーラーに足を運んでないんだと思います。そもそも商談が起きないのでは新車が売れようない。
特に軽自動車はファミリー層やクルマに興味がない人も多いでしょうから、なおさらなんでしょうね。自動車業界の再編もコロナを機に加速する可能性は高そう。自粛解除の流れも強まりつつありますが、トヨタは既に6月の工場稼働の日数を減らすことを発表しており、4月以降の販売台数も厳しそうです。
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