先日、レクサス新型ES300hが発売されました。日本国内ではトヨタ・ウィンダムという名前でかつてお馴染みでしたが、実はアメリカではレクサス・ESは爆発的に売れてる高級サルーン。
結果的にトヨタ・ウィンダムが再販されたカタチにもなるんでしょうが、このレクサス新型ESが海外で7代目にフルモデルチェンジしたことを機に、日本国内にも満を持して再投入されたというわけ。
そこで今回カーギークでは「レクサス新型ES300h」の試乗記事を徹底的にレビューしていこうと思います。
既に発売されてるトヨタ・カムリと同じプラットフォームを採用してるんですが、果たして新型ESの走りはどんなもんなのか?やはりレクサスブランドに相応しい質感と商品力を兼ね備えてる?
【感想】レクサス新型ES 外観デザインの評価
まずはレクサス新型ESの「外観デザイン」を評価してみようと思います。
新型ESのフロントマスクは、いわゆる「レクサス顔」を採用。
そのためトヨタ・ウィンダムの雰囲気や面影はありませんが、レクサス新型ESは日本国内で2017年にフルモデルチェンジした新型LSのような顔付き。
だからレクサス新型ESのフロントマスクは、まさに清潭。フロントグリルの形状などを筆頭に、実際に試乗するなり目の当たりした方が新型ESの存在感や高級感が伝わるはず。
既にモデル末期ということもありますが、数年以内にフルモデルチェンジを予定してるレクサス新型ISよりカッコ良い。
またレクサス新型ESをサイドから確認すると、非常に流麗なスタイルであることが読み取れます。
サイドの雰囲気はトヨタ・ウィンダムの面影も残ってる気がしますが、当たり前ですが古臭いセダン車感はゼロ。シンプルにレクサス新型ESはカッチョいい。
○【車体サイズ】レクサス新型ES主要諸元まとめ
- 全長…4975mm
- 全幅…1865mm
- 全高…1445mm
- ホイールベース…2870mm
ちなみにレクサス新型ESの主要諸元がコチラ。車体サイズ的には、まさに「割と大きめの高級サルーン」といった感じ。
ドイツの高級車と比較すると、メルセデスベンツ・EクラスやBMW・5シリーズ、アウディ・A6と変わらない車格。そのためサイズ感も含めて、レクサス新型ESは「小型版LS」といったところでしょうか。
【新型ES】デジタルアウターミラーの評判はどない?【ミラーレス仕様】
続いては「先進装備」をチェック。
レクサス新型ESには全車速域の追従クルーズコントロール付きの「レクサスセーフティシステム+」が標準搭載され、実力的に新型トヨタセーフティセンス並。かつてのウィンダムの面影はゼロと言えそう。
そして、レクサス新型ESといえば量産車初の「ミラーレス」を設定したことでも話題になりました。
正確には「デジタルアウターミラー」と呼ばれるセットオプション品で、画像の部分に小型カメラが搭載されてる。あくまで全車に標準装備ではなく、最上級モデルの「バージョンL」のみに搭載できます。
じゃあ、この「ミラーレス(デジタルアウターミラー)」の評判はどうなのかというと、「正直、時期尚早」と否定的な評価を下すのはカートップの試乗レビュー。
どうしても対象車両との距離感が掴みにくい部分もあり、「夜間は実際よりも後方のクルマが近く感じ、高速道路での車線変更などで戸惑う」とはベストカーの試乗記事。ドライバーには多少の慣れが求められそうです。
例えば画像を見ても分かるように、ドアミラーそのものが完全に消えたわけではないため、それなりに死角は存在したまま。そのため「完全なミラーレス」というニュアンスとはまだまだ遠い気はします。
○【感想】個人的に20万円の価値はないと思うが…
またカメラの画素数はまだまだ低く、Aピラー付近の液晶ディスプレイ画面に映る情報もちょっと荒い。そもそも中央の12インチモニターと比べると、やはり画面そのものが5インチと小さいか。
だからデジタルアウターミラーはそこまで直感的に運転することはできず、敢えて装着する意味は乏しそう。そのため「+21万円という価格と見合うかは微妙」とカーギークでは結果的に評価してみる。
ただ「凝視はしないので問題ありません」と好意的に見るのは、マガジンXの試乗レビュー。
やはり一度や二度の試乗だけでは違和感を感じるだけで、レクサス新型ESを購入して何度も乗ってるうちに慣れるのかも知れない。そのためデジタルアウターミラーに好意的な感想も少なくない。
例えば、カメラはヒーターなどを内蔵しており、雪や雨などによって視界が悪化する心配が不要。レクサス新型ESの「バージョンL」の約700万円という価格帯も考えると、言っても+20万円程度のオプション装備に過ぎない。
だから、現時点では「バージョンL」の実際の購入者の7割がデジタルアウターミラーを装着してるとか。そのため新型ESを購入できる年収の方であれば、興味がズバッと買えばいいと思います。後付けできませんから。
【試乗】新型ES 内装インテリアの評判・評価まとめ【レクサス】
続いては、レクサス新型ESの「内装インパネ」周りを評価。高級サルーンらしい居住性や室内の広さなどもしっかり担保されてるんでしょうか?
結論から書くと、レクサス新型ESの内装インパネは非常に質感が高いと思います。
例えば、デザインはドライバーを包み込むような連続性があり、いかにもレクサス的なラグジュアリー空間が設計されてる。「スイッチ類は視線の変化が少ない配置」と評価するのはベストカーの試乗レビュー。
他にも真ん中の12インチディスプレイも大型で見やすく、音声コントロールにも対応し、ここでエアコン類の設定も操作することも。センターコンソール付近には急速充電可能なUSBポートも用意されるなど、レクサス新型ESは使い勝手の良さも追求されてるのもGood。
また「バージョンL」に限ってですが、リアアームレストにシートのリクライニング機構を操作できるボタンが設置されるなど、レクサス新型ESの内装はベース車両のカムリより全体的に質感が高いと評価して良さそう。
○新型ES「Fスポーツ」の内装が実に刺激的!
だからレクサス新型ESのシートの座り心地は、高級サルーンらしく快適そのもの。シート表皮の触り心地も含めて、本当に想像した通りの「それ」が待ってる。またドライバーの姿勢変化が少なく、運転しててもストレスが溜まることはなさそう。
とりわけ新型ESの後席シートが快適なんです。上質な座り心地だけではなく、広々とした足回りも含めて、まさに上質なラグジュアリーな居住空間が演出されております。むしろ誰かに運転させて、後席でドカッと同乗してる方が良いかも。
、あた、レクサス新型ESは初めての「Fスポーツ」も設定されてる点も特筆。高級サルーンの雰囲気に赤いシートが合うのかはさておき、この赤いシートは見てるだけで気分が高揚してくる。
他にも「Fスポーツ」はメーター類も専用設計にデザインされており、かなりスポーティーに仕上がってる。フロントグリルもメッシュ状のデザインでスペシャリティ感があり、乗り味については後述しますが、サス周りなども当然Fスポーツ専用。
それでも新型ES「Fスポーツ」の値段は最上級モデルのバージョンL」よりも70万円ほど割安な価格帯に収まってるので、個人的には一番お買い得かも知れない。
レクサス新型ES300h 搭載エンジンまとめ
続いて新型ESの試乗レビューに入る前に、まずは搭載エンジンの詳細スペックをチェック。「ES300h」というグレード名からも分かるように、搭載エンジンは「ハイブリッド一択」になります。
○A25A-FXS 詳細スペック
- 2500cc直4ガソリンエンジン
- 最高出力…131kW(178PS)/5700rpm
- 最大トルク…221Nm(22.5kgm)/3600~5200rpm
- 車重…1730kg
- 燃料タンク容量…50L
○電気モーター 詳細スペック
- 最高出力…88kW(120PS)
- 最大トルク…202Nm(20.6kgm)
- 駆動用電池…ニッケル水素電池
○カタログ燃費(WLTCモード)
- 総合燃費…20.6km/L
- 市街地モード…16.6km/L
- 郊外モード…22.7km/L
- 高速道路モード…21.4km/L
【試乗】新型ESの走りはフラッグシップセダン並に乗り心地は上質!
ということで試乗記事の本題。
結論から書くと、レクサス新型ESの走りは相当レベルが高いと思います。
まず2.5Lハイブリッドエンジンの加速性能は力強くて穏やか。トヨタ新型クラウンハイブリッドと同じ電気モーターを搭載してるんですが、新型ESでは出力は9馬力ほど低下してる。それでも加速感は必要にして十分。
そしてシームレスに緻密に加速してくれるため、スピードの加減速が楽。静かなエンジン音も相まって、「気が付けばスピードが乗っている」とはカートップの新型ESの試乗レビュー。クラウンハイブリッドより、味付け的には新型ESの方が似合うかも。
またカムリと同じTNGA設計で開発された「GA-Kプラットフォーム」は車体剛性は極めて高く、ライントレース性能や直進安定性は抜群。「ワインディングになるとピタッと吸い付く」とはベストカーの試乗記事。
あくまでスポーティーな刺激は少ないものの、あらゆる面でじっくり噛みしめるように走りたくなる懐の深さがあり、新型ESの走りは極めて上品。まさに高級サルーンらしい快適な走り味に仕上がっていると思います。
○【感想】新型ESは乗り心地がとにかく極上です【試乗】
そして、とにかく個人的におすすめしたいのが「一級品の乗り味」。
いろんな自動車雑誌の試乗記事でも称賛されてますが、新型ESの乗り心地にネガティブな感想を持つ人はほぼいない。「乗り心地極まる」とレクサス新型ESを好意的に評価するのはベストカーの試乗記事。
何故なら、レクサス新型ESには「スイングバルブショックアブソーバー(SVSA)」なるものが採用されており、これが実に良い。
SVSAの詳しい仕組みは分かりませんが、ショックアブソーバのオイル流路に設けられた非接触バルブが何やかんや効果を発揮して、極めて低い速度域からでもダンパーの減衰力が発揮してくれるらしい。
そのため「ビルの駐車場から道路に出るときに出くわす段差などの突き上げが吸収され違いがわかる」とはベストカーの試乗レビュー。一方で中速域においてもマイルド感は相殺されず、街乗り程度ならずっと高級感を味わえる。
おそらくレクサス新型ESの乗り心地の良さは新型クラウンよりも上と評価できそう。
一方、「Fスポーツ」には別の「アダプティブバリアブルサスペンション」なる電子制御式のサスペンションが採用。低速域ではSVSAより劣るものの、高速域では19インチタイヤも相まって乗り心地の質感は増す。
他にも静粛性の高さも相まって、「長時間走っていたい気分にさせてくれます」とするマガジンXの試乗の感想にレクサス新型ESの良さの全てが集約されているのではないか。
ちなみにベストカーの試乗によると、レクサス新型ESの実燃費は18.3km/Lだったらしい。経済性に優れてる点でもずっと乗っていたくなるラグジュアリーサルーンと言えそうです。
【試乗】新型ESの感想評価・評判口コミまとめ【レクサス】
以上、カーギークによるレクサス新型ESの試乗インプレッションでした。
今回の試乗レビューをまとめると、レクサス新型ESの良さは前評判以上でした。レクサスが目指す快適さや上品さが見事に体現されており、ESは「クラウンの上位互換」と言っちゃってもいいぐらい。
もはやレクサスのフラッグシップモデルの新型LSと肩を並べる商品力の高さを誇り、「センチュリーは大きな壁だが、LSは超えられそうだ」とレクサス新型ESを評価するのはカートップの試乗記事。
そのため突き抜けた最強感こそないものの、「何気ない生活の一部での上質さ」にこだわったというレクサスの中の人の狙い通り、まさに新型ESではそれらが高い次元で実現されてると言えましょう。
やはりレクサス・LSは最高で1600万円を超えるなど、さすがに高価。一方、新型ESの値段は600~700万円程度に収まるため、およそLSの半分程度の価格で購入できる計算。もちろんFF車とFR車の違いなどはたくさんあるものの、この値段の違いは魅力的。
値段的にベンツ・Cクラスなど魅力的なライバル車種も少なくないものの、そのためレクサス・LSの代わりに新型ESを購入するのは全然アリ。「ちょっと贅沢な選択肢」としてユーザーの満足感を確実に満たしてくれるはず。
またレクサス新型ESは経済性にも優れるので、年収1000万円前後の人でも無理せずに購入できる「ベストバイな高級サルーン」とカーギークでは評価してみる。
ちなみに【感想】トヨタ新型クラウン試乗レビューや【評価】レクサス新型UX試乗レビューなどもご参照ください。
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