今年2017年は目玉となる新型車ラッシュでした。ホンダであれば新型シビック、スズキであれば新型スイフトスポーツ。
既に「ホンダ新型シビック 試乗まとめ」「スズキ新型スイフトスポーツ 試乗まとめ」といった記事もレビュー済みなので、もし興味がある方は後で読んで下さい。両者はまさに「走り」という点で評価が高いクルマ。
そこで今回カーギークでは新型シビックと新型スイフトスポーツを徹底的に比較してみたいと思います。
果たしてスイフトスポーツとシビックの性能はどっち優秀なのか?どっちがよりスポーティーな走りをしてるのか?必ずしも共通点は多くはないので比較する価値があるかはさておき、暇つぶしがてらに読んでみて下さい。
シビックとスイフトスポーツの内外装の違いを比べてみる
まずはホンダ・シビックとスズキ・スイフトスポーツの内外装を比較したいと思います。
車体スペックを細かく比べてみると、シビックハッチバックが4520×1800×1435mm(全長×全幅×全高)、シビックセダンが4650×1800×1415mm(全長×全幅×全高)、スイフトスポーツが3890×1735×1500mm(全長×全幅×全高)。つまりホンダ新型シビックの方が相当にしてサイズが大きい。
ざっくりまとめるなら、シビックは「大きめのCセグメントカー」に対して、スイフトスポーツは「小ぶりのBセグメントカー」とカテゴライズされます。リアルで両者を見ると印象としては随分違ってくるのかなーと思います。
また車重差もシビックとスイフトスポーツとでは300kg以上の違いがあるため、全体的な車格は二回りほど違うと言っても過言ではなさそう。だから両者を比較するのはちょっと無理がある気もしますが、そこら辺はスルー推奨(笑)
内装インパネの質感を比較してみる
続いて内装インパネ周りを比較してみると、こんな感じ。ちなみにシビックハッチバックとシビックセダンとの間で内装デザインが若干異なるんですが、あくまで些細なレベルではあるためこのスイスポとの比較記事では割愛してます。
基本的にどっちも質感的には肉薄してるとは思いますが、あえて個人的な感想を述べるなら若干スイフトスポーツの方がおすすめ。何故なら、シビックとスイフトスポーツの間では50~80万円以上の価格差があるから。
具体的にはスイフトスポーツの価格帯はセーフティーパッケージ装着車だと6速MTモデルが192万円。6速ATモデルが199万円。一方、シビックセダンの価格帯は250万円。シビックハッチバックは280万円(6速MTもCVTも同価格帯)。
そのため価格差以上の質感がシビックの内装インパネに施されるかと言えば、やや微妙な感じはします。要するに価格やコスパを考えると、新型スイフトスポーツの内装のほうが総合的には上回ってると評価できます。
○室内空間の広さはシビックがおすすめ
ただし、室内空間の広さはシビックに軍配。ホンダ新型シビックはCセグメントカーの中でもかなり大きい車体のため、比較画像からも分かるように室内もそれ相応にやはり開放的。センターコンソールを見ると割りと顕著。
荷室容量もスイフトスポーツが265Lに対し、シビックハッチバックでも420Lが確保されているなど差は大きい。シビックセダンの荷室容量は更にシビックよりも+100Lも大きいですから、スイフトスポーツは車格の小ささもあって荷室や室内は狭い。
走りはどっちも楽しいが、小気味良い加速感はスイフトスポーツか
続いては走りはどっちが優秀なのか?まずはシビックとスイフトスポーツの加速性能の違いを比較してみましょう。
結論から書くと、基本的にどっちも素晴らしいトルクの太さを持ち合わせており、両者ともに加速感は抜群。でも強いて言えば、加速の小気味良さはスズキ・スイフトスポーツに軍配が上がるかも知れない。
スズキ・スイフトスポーツは1.4L直4ターボエンジンを採用。最高出力は103kW(140PS)/5500rpm、最大トルクは230Nm(23.4kg・m)/2500~3500rpmを発生。
一方、ホンダ・シビックハッチバックは1.5L直4ターボエンジンを採用。最高出力は134kW(182PS)/6000rpm、最大トルクは220Nm(22.4kgf・m)/1700~5500rpm。
シビックハッチバックは排気量が100ccほど大きいため最高出力が大きく上回っていますがが、逆に最大トルクは10Nm(1.0kgm)ほどスイフトスポーツが上回ってる。実効回転域こそシビックハッチバックは低いものの、前述のようにスイフトスポーツとの車重差は300kg以上の違いがある。
もちろんシビックハッチバックもCセグカーとしては十分軽量ではあるものの、スイフトスポーツの車重は軽自動車並。そこに2200cc以上のぶっといトルクを掛け合わせる訳ですから、スイフトスポーツの出足が軽快じゃないはずがない。さすがにスイスポの加速感の良さは他の追随を許さないか。
またカタログ燃費を見ると、スイフトスポーツは16.4km/L。シビックハッチバックは18.0km/L。実はシビックの方が燃費性能に優れてる。逆に裏を返せば、それだけスイフトスポーツの方が走りに重きを置いてる証拠。
Bセグメントというサイズ感も相まって、街中ではスイフトスポーツの方がキビキビと小気味よく走ってくれると思います。
高速域や加速の伸びはシビックがおすすめ
ただスイスポはあくまで街乗り限定。
高速域での加速の伸びはシビックハッチバックに軍配が上がると思います。スイスポはトルクは太いもののの6000rpm付近で加速にリミッターがかかるため、レース場でエンジンを最高速までブン回したいような本格派からするとやや物足りなさも残るはず。
実際様々な試乗記事を読む限り、特にレース場などかなりぶん回すシーンにおいては、スイフトスポーツの限界も垣間見えるらしい。どっちもいいクルマだから甲乙を付けるのは非常に難しいとは思いますが…。
ちなみに、シビックタイプRは「2.0L直4ターボエンジン」を搭載。最高出力は320PS、最大トルク400Nmを発生するなど、まさにスイスポとは比較の対象にならないほど強力なエンジンのため割愛。
例えるならタイプRが「ズドドーン!!!」と加速するなら、スイスポは「ピューン!」ぐらいの違いはあるかも知れない。シビックタイプRはポルシェといったスポーツカーと比較するのが適切でしょう(^_^;)
乗り心地や操縦性はシビックに軍配か
続いてはシビックとスイフトスポーツの乗り心地や操縦性の違いを比較したいと思います。
結論から書くと、乗り心地はシビックに軍配が上がると思います。
先程は新型スイフトスポーツの内装に軍配が上がると書きましたが、シートの座り心地やホールド感はシビックが上。スイスポの乗り味は若干固め。もちろん70万円80万円の価格差並の違いがあるかまでは微妙ですが、車格の違いぐらいの差はあると考えて良さそう。
シビックとスイフトスポーツの足回りの差
またサスペンションといった足回りも違いが大きい。
例えばリアサスペンション。スイフトスポーツがトーションビーム式を採用してるのに対して、シビックはマルチリンク式を採用してる。ざっくり違いを説明するなら、マルチリンク式の方が高性能で高価。ものすごくサスペンションが上下独立してなめらかに動いてくれるため、シビックの方が路面に対する追従性が高い。
スイフトスポーツもキビキビとよく曲がってくれるものの、シビックは吸い付くように走ってくれる足回りの良さも相まって、全体的なフットワークの軽さではスイスポを上回る気がします。
またスイスポは軽量である反面、逆に剛性の高さもシビックには劣る。カッコ良い表現を使うなら「動的な質感」は全体的にシビックが上回る気がします。
つまり、シビックは価格相応に装備にもしっかりお金がかかってるということ。だからスイフトスポーツもスポーツカー色を強めた220万円230万円程度の高級グレードを発売しても良さそう。もしスイスポの足回りがマルチリンク式に強化すれば、もはや敵なしか。
シビックとスイフトスポーツの比較総括【違いまとめ】
以上、ホンダ新型シビックとスズキ新型スイフトスポーツの比較記事でした。
結論をまとめると、全体的にはホンダ新型シビックの実力が上回ると思います。やはり車格の大きさやエンジン排気量など、スペック的にはほぼ新型スイフトスポーツを上回ってるので当然っちゃ当然。
先程も言及してますがシビックと比較してみて改めて痛感するのは、スイフトスポーツも230万円前後の上級グレードを新たに販売して欲しい。何故ならシビックの販売状況を見ていると、純粋にスペックを高めれば売れる。
抜群のコスパの良さは誰もが新型スイフトスポーツを評価するものの、一方で足回りやエンジンスペックなどもっとスポーティーに味付けできる余地は残されてる。結果的にスイフトスポーツの裾野がもっと広がる気がします。
ただそれでもコストや価格との兼ね合いを考えると、やっぱりスズキ新型スイフトスポーツの商品力の高さは指折りかつ魅力的。両者の価格差や日常的にどこまで頻繁に乗るかまで考慮すれば、新型スイフトスポーツを購入した方が幸せになれそう。
結局、シビックとスイフトスポーツのどっちを購入するか、その車選びの判断基準としては走りといった「スポーツカーとしての性能をどこまで求めてるか」「どこまでお金を出せるか」によって変わってきそうです。
ちなみに【比較】カローラスポーツ vs スイフトスポーツなども併せてご参照ください。
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