日産の人気スポーツカーが「フェアレディZ」。今どき珍しい2シーターのFRクーペ。フェアレディZは「Z(ゼット)」などの愛称で呼ばれ、芸能人の愛車としても結構親しまれております。
ただ現行フェアレディZ(Z34型)の搭載エンジンは「3700ccのV6エンジン」と完全なゴリゴリのスポーツカー。とても運転初心者や庶民が購入できるクルマとは思えません。実際、フェアレディZの販売台数は月販100台にも満たない。
それだけフェアレディZの価格は割高で、維持費もスポーツカーらしくお高い裏返しのようにも思えます。でも、実はフェアレディZ(Z34型)の維持費はそう高くはないらしい。フェアレディZに限らず、そもそもフェラーリの維持費もそこまで高くはないという噂も。
そこで今回カーギークでは日産新型フェアレディZ(Z34型)の維持費の詳細を徹底的にまとめてみました。他にもフェアレディZ・Z34型の実燃費や値引き、おすすめグレードなどもついでに解説。
【価格一覧】フェアレディZの値段は意外と高くない件
まずはフェアレディZの「価格一覧」を見てみると、そもそもフェアレディZの値段がお安い。
◆フェアレディZ…390万円
◆フェアレディZ ヘリテージエディション…408万円
◆フェアレディZ バージョンT…471万円
◆フェアレディZ バージョンST…510万円
◆フェアレディZニスモ…629万円
以上が日産・フェアレディZ(Z34)の価格一覧。全てが2WDの6速MT。Z34型に4WDモデルは発売されてません。また7M-ATx(セミオートマ)と呼ばれる変速機の価格は+7~12万円程度の割高になります。
冒頭でも少し触れましたが、フェアレディZはバルブ機構にVVELを採用した3700cc V6エンジンを搭載してる。最高出力は247kW(336PS)、最大トルクは365Nm(37.2kgm)を発揮するモンスターエンジン。
それでいて最廉価グレードの「フェアレディZ」は390万円と400万を割り込む価格帯。何度かの一部改良で値段は徐々に高くなってるものの、これだけのモンスターエンジンを300万円台後半から買えるフェアレディZは正直安い気がします。
フェアレディZの全体的な価格構成は、トヨタ新型クラウンよりもお安い価格帯。また同じFRスポーツカーのトヨタ・86は200万円台後半から購入できるものの、エンジンは2000cc。最高出力も200PSとフェアレディZより100馬力も見劣りする。
ある自動車ジャーナリストは「3.7Lの大排気量FRをこの価格で楽しめるのはかなりコスパが高い」とフェアレディZを評価。日産・GT-Rの価格は余裕で1000万円を超えることを考えたら、フェアレディZの価格の割安感をより実感できます。
新車価格でこの程度の値段。フェアレディZ(Z34型)の中古車の価格帯は更にお安くなるはず。当然現行のZ34型が登場して10年も経過してるので、割りと探せば良質なタマも多く眠ってそう。
【Z34】新型フェアレディZの値引き目安額は?
続いては「値引き目安額」をチェック。もちろんフェアレディZでも値引き交渉は可能。
結論から書くと、新型フェアレディZの値引き目安は「25~28万円」ほどと言われております。だから、そこそこ値引いてもらえる車種とか。もちろん交渉の腕次第になりますが、新型フェアレディZはあまり売れてないことも影響か。
他にもフェアレディZの競合車種を見ておくと、トヨタ新型クラウンやマークXあたりとか。輸入車や外車まで広げてみると、メルセデスベンツのCクラスクーペ、レクサスだとRCあたりがフェアレディZと競合しそう。
ただどれも高級セダン車的な色合いが濃く、Z34型とのエンジンの馬力感の違いが気になりますが、フェアレディZのようなスポーツカーはトヨタ・86やマツダ・ロードスターあたりと立派に競合してくれるか。
とはいえ、新型フェアレディZは前述のように販売台数が少ないため、敢えて競合車種を探す必要もなさそう。普通にオプション装備を追加して、その分だけ値引きしてもらう方が妥当か。
【日産】新型フェアレディZのおすすめ人気グレードは?
価格一覧をまとめたので、続いては新型フェアレディZの「おすすめ人気グレード」をチェック。
フェアレディZのおすすめ人気グレードを見ると、2016年当時は「フェアレディZ ニスモ(6速MT)」が購入者全体の21%。「フェアレディZ バージョンST(7速AT)」が16%。「フェアレディZ ニスモ(7速AT)」が16%だったらしい。
だから新型フェアレディZの価格帯は割安と言いましたが、実は一番の人気グレードは最高級グレードの「ニスモ(NISMO)」。購入者全体の40%が価格は600万円超えのニスモを選んでる結果。
二番人気の「バージョンST」も価格は二番目にお高いですら500万円前後。要するに、Z34型は最高級グレードや上級グレードほど人気という結果。
この「NISMO(ニスモ)」は最高出力が355PSと、普通のフェアレディZより20馬力ほどアップ。トヨタ86もそうですが、フェアレディZのようなスポーツカーは安売りしたからといって人気が出る訳ではないのか。
○2019年現在は「ヘリテージエディション」が人気
ただし、2018年3月に「Heritage edition(ヘリテージエディション)」と呼ばれる新グレードがフェアレディZ34に追加されました。1977年にアメリカで発売されたデザインを復刻リバイバルしたモデル。
画像のようにボディにストライプ状のオリジナルデザインがあしらわれた特別色を施せるのが特徴。内装シートもオリジナルのイエロー色があしらわれ、それでいて最廉価モデルの価格とあまり変わらない。
だから、現在の新型フェアレディZの一番人気グレードは「ヘリテージエディション」になるらしい。つまり、今の新型フェアレディZはお手頃な400万円台前半のモデル「Heritage edition」が人気とのこと。
続いて2番人気は「バージョンST」、3番人気は「NISMO」と続く模様。相変わらず高価格帯のグレードも人気ではあるものの、やはり200万円以上の価格差は無視できないか。ユーザーによっては自分でフェアレディZをカスタマイズする費用に充ててるのかも。
○【フェアレディZ】おすすめの人気色カラーは「イエロー」
それに伴って新型フェアレディZのおすすめ人気色も変化のキザシ。
2016年時点の新型フェアレディZの一番人気は「ブリリアントホワイトパール」と呼ばれる白色が48%を占め、二番人気の車体カラーは「ダイヤモンドブラックパール」が21%。三番人気が「バイブランレッド」が7%と続いていたらしい。
いくらスポーツカーとは言っても、フェアレディZも何だかんだで王道色が売れ筋。やはり「リセールバリュー」を気にしている購入者が少なくなかった模様。
ただし、フェアレディZの現在の人気カラーは「イエロー」「ホワイト」「レッド」と続きます。
とりわけ「ヘリテージエディション」の有料色のプレミアムアルティメイトイエローが人気らしい。リセールバリューを意識してか、ホワイト色は相変わらず人気。レッドもスポーツカーらしくて人気。
【維持費】フェアレディZの実燃費や燃料費は?
続いてはフェアレディZの「実燃費」をチェック。
フェアレディZのカタログ燃費はほぼ全グレードで9.2km/L。車重が1520kgもあって、前述のように3700ccエンジンということを考えたら妥当な数字。
トヨタ86でもカタログ燃費は12km/L前後。V6エンジンを搭載したスポーツカーとして考えると、新型フェアレディZの燃費性能は決して悪い数字ではありません。
じゃあ、フェアレディZの実燃費はどうなるのか?
新型フェアレディZの実燃費はATでリッター8キロ程度。MTでリッター9キロ程度。NISMOの実燃費はリッター10キロ程度と言われてます。だからフェアレディZの実燃費はほぼカタログ燃費通りの数値。
大排気量エンジンは逆にアクセルの踏みこみが少なくて済むので、実はスポーツカーはそこまで燃費が悪化しない。少なくとも、フェアレディZ34の実燃費がリッター3キロや4キロあたりまで下回ることはなさそう。
○新型フェアレディZの燃料費は年間8~16万円程度?
ただし、フェアレディZはスポーツカーらしくハイオク仕様車。いわゆるプレミアムガソリンで走行するため、普通のレギュラーガソリンよりも燃料費は結果的に高くなります。
2019年3月現在、ハイオクの価格は全国平均で150円前後なのに対して、レギュラーは140円前後。ガソリン価格は時代に応じて変化するものの、ハイオクとの価格差は常に10円程度になります。
そのため実燃費リッター8kmの新型フェアレディZ(Z34)の年間走行距離が4500km程度と仮定すると、約年間のガソリン代は約84000円程度の負担額になりそう。一般的な乗用車が走る年間走行距離は10000kmと言われており、もしフェアレディZ34を日常的な足車として使うなら燃料代は更に倍近く跳ね上がります。
だから、フェアレディZの維持費を考えるとハイオク仕様がやや痛い印象はありますが、それでもレギュラー車と比べても年間1万2万円程度の差額なので特に気にする必要はないか。
【フェアレディZ】各々の維持費の内訳まとめ
いよいよラストは本題の「維持費」。燃料代については実燃費は既に書いたので、続いてはフェアレディZ34にかかる税金や保険代を見ていきたいと思います。
◯【維持費】車検代・車検費用は10万円超
最初は車検費用。
新車でフェアレディZを購入した場合は、初めての車検は3年後になります。その後で2年ペースで車検が待ってます。フェアレディZを中古車で購入する人も多いと思いますが、最初以外は2年おき。
フェアレディZの自賠責保険は27840円。フェアレディZの車重は全車1500kg超えなので、自動車重量税は4万9200円。1700円の印紙代なども含めると約8万円ほどかかります。
そこに車検の代行費用の数万円などを含めると、最低でもフェアレディZの車検費用は「総額10万円ちょい」はかかりそう。この負担が数年おきにかかります。
◯【維持費】自動車税は6万6500円
続いては自動車税。
フェアレディZの排気量は3700cc。毎年4月から5月に課税される自動車税は排気量で計算されているので、フェアレディZ34型は3500~4000ccの区分に該当します。
つまり、フェアレディZの自動車税は「年額6万6500円」。減税が50%でもあれば自動車税は3万3500円まで下がるんですが、仮に次期Z35型が発売されることがあったとしても期待薄でしょう。
◯【維持費】自動車保険料・任意保険料は年間10万円以上
続いては自動車保険料(任意保険料)。
やはりフェアレディZはスポーツカー。特にフェアレディZの購入者は若者も多いはずですから、自動車保険の契約においてはかなり不利に働きます。
フェアレディZの自動車保険は「年間10万円超」と考えておくといいでしょう。ダイレクト自動車保険などには加入できないケースもあるらしいので注意したい所。
◯【フェアレディZ34】修理費用≒カスタマイズ費用?
最後は「修理費用」や「パーツの交換費用」をチェック。ここらへんは確定された維持費ではないものの、大まかな維持費の総額を予想してみようと思います。やはりフェアレディZ34はスポーツカーだけあってそれなりに維持費はかかりそう。
まず「エンジン」の維持費。
新型フェアレディZは大排気量エンジンだからといって壊れやすいことはありません。むしろ常用回転域が低いので部品が摩耗・消耗しづらく故障しにくい。適度に走行させてる分には、フェアレディZが頻繁にエンジントラブルに巻き込まれることは少ないはず。
ただし、逆にエンジンは動かさないと故障トラブルの原因になります。フェアレディZを趣味車としてあまり走行しない場合、普通の一般的なエンジンよりも修理費用は高く付く可能性もあります。
また大排気量エンジンであるがゆえに、フェアレディZではブレーキや足回りのパワーが求められる。それだけ高性能な部品を使っているので、Z34型以前のフェアレディZでも修理費用はかさむと考えられます。
バンパースポイラーに関しても、フェアレディZ向けのピンきりですが5~20万円程度。インパル(IMPUL)のバンパースポイラーだと10万円前後。取付費用や塗装費用を考慮すると更に維持費がかさみます。
タイヤに関しても、新型フェアレディZは前後でタイヤのサイズが異なる。
18インチタイヤの場合は、フロントが225/50R18、リアが245/45R18。19インチタイヤの場合、フロントは245/40R19、リアは275/35R19。こういった部分も維持費という点ではデメリット。
きっとフェアレディZを改造カスタマイズする人も多いと思われますので、リヤウイングの装着などの費用を言い出せばキリがない部分なので割愛します。
【総括】フェアレディZ(Z34)の維持費まとめ
ということで以上、日産新型フェアレディZ(Z34)の維持費でした。
結論をまとめると、フェアレディZの維持費は燃料代で年間8~16万円前後。フェアレディZの車検代費用は2年で10万円超。自動車税は年間6万6500円。駐車場代などを割愛した上での維持費になりますが、Z34型の維持費は「最低でも年間30万円前後」ほどは無条件でかかる計算です。
とりあえず他にもいろいろ全部含めると、フェアレディZの維持費は何やかんやで年間60~70万円を見積もっておけばいいと思います。決して安くはないですが、軽自動車や普通車と比べて抜きん出て維持費がかかるわけでもないはず。
フェアレディZの価格帯を考えたら十分お手頃な維持費か。やはりZ34型の3.7L V6エンジンの魅力は捨てがたい。くるま好きだったら一度は乗っておきたいのがフェアレディZでもあるのかなーと思います。
コメント