最近はクルマの電動化が盛んに叫ばれて久しいです。おそらく2030年までには純粋なガソリンエンジン車は販売されてなさそう。
でも気になるのは、何故そもそもクルマに「コンセント」が存在しないのか?という疑問。もし自動車にコンセントがあれば、家電製品などが車内でも使えていろいろ便利そう。
そこで今回カーギークでは「自動車にコンセントがない理由」と「自動車でもコンセントが使える方法」を徹底的に解説してみました。
ちなみに、コンセントは英語で「electrical outlet」などと呼ばれます。コンセントはいわゆる和製英語。海外で使用しても理解されません。
自動車のバッテリー容量が少ないから
じゃあ、何故自動車はコンセントを装着してないのか?
結論から書くと、自動車は「バッテリー容量が少ない」から。
最近でこそ電気モーターで走行できるハイブリッド車やPHEV車が徐々に普及してますが、昔の自動車はガソリンエンジンの駆動力で走行する。そのため用意されたバッテリーの容量は決して多くない。
もし家電用品などが使用できてしまうと、車を動かすためのバッテリーの電力が一気に無くなってしまう。家で使用しててもブレーカーが落ちるぐらいですから、想像以上にドライヤーや電子レンジなどは電力を食う。
もちろん最近はUSB電源が確保されてることは多い。シガーライターソケットに差し込むタイプの充電器なども販売されてますが、この理由はスマホを充電する程度のバッテリーであれば影響はないから…という点に尽きます。
スマホだと充電するスピードも早くはないですから、一気に車のバッテリーの電力を消費する危険性がない。
そもそもコンセントの「周波数」と合わない
だから、現状だとキャンピングカーなど限られた車しかコンセントには対応してない。電気自動車やプラグインハイブリッド車には100V電源などに対応してることが多い。理由は言うまでもなく、大容量バッテリーを搭載して使用電力量に余裕があるから。
ただし、そもそも自動車のバッテリー容量が豊富であったとしても、必ずしもコンセントで使用する家電製品が使えるとは限りません。
何故なら、国内で流通してる家電製品が海外では使えなかったりするように(逆もしかり)、自動車で使用する電気の周波数ではそもそも家電製品の電気を動かせない。要するに、電気の周波数が合ってないからコンセントがあっても無意味。
例えば、2011年の福島原発事故でも話題になりましたが、西日本で発電した電気を東日本に送電しようと思っても、周波数が合わないのでお互い融通し合うことが難しかった。いちいち電気の周波数を変換する必要がある。
カーインバーターで周波数を変換すれば使用可能?
でも、自動車でもコンセントに対応した電化製品を使うことは一応可能です。具体的には、「ACインバーター(カーインバーター)」と呼ばれる電力を変換する装置を使えば、自動車に溜めた電気の周波数を適切に変えてくれます。
Amazonや楽天市場などでは、カーインバーターの価格は3000~6000円前後で販売されてます。割と安価な値段。カーインバーターの取付作業も大げさなものではなく、車でもコンセントに対応した電化製品が使用可能。
例えば、車内でノートパソコンで仕事するときなどに重宝。確かに液晶ナビを動かせてる以上、パソコンやカラーテレビ程度であれば電力供給には問題ないのかも知れない。さすがにドライヤーとか使う人はいないでしょうが。
ただし、実はそもそも海外では「コンセントに対応した家電製品」そのものがが発売されなくなりつつあります。最近は「USBで給電 or 充電する家電製品」が増えてる。そのため今後は自動車でもコンセントよりUSBで給電する方法が普及しそうです。
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