レクサスの最上級SUVが「LX」。ライバルはメルセデスベンツGクラスなどに限られますが、レクサスLXは世界で累計50万台を販売するほど人気。
レクサス現行LXは海外では2007年に発売されているんですが、日本国内への導入は2015年と割との最近の話だったりします。そのためほとんどの日本人にとってLXはそこまで古臭さを感じないと思いますが、既に発売から14年近くが経過してる計算。
そこで今回カーギークではレクサス新型LXのフルモデルチェンジ最新情報をまとめてみました。2021年10月14日に中東アジアで正式デビューした次期LXは、いつ日本国内に導入されるのか?
発売日は2022年1月12日?
まずは発売時期の最新情報
レクサス新型LXの発売時期は2022年1月12日とのこと。ベース車両のトヨタ新型ランドクルーザー300系のフルモデルチェンジから半年も経過していませんが、これはランクルの発売時期が大幅に遅れていたことも影響しているのでしょう。
2021年6月にレクサス新型NXが初お披露目される際、隣にもう一台の新型車がヴェールに隠されていました。それこそが実は新型LXだった。その時点で新型LXは市販車に近い状態だった。既に2021年11月25日から新型LXの予約注文は始まってます。
ちなみに2022年後半以降にレクサス新型RXのフルモデルチェンジも行われると言われます。
新型LXもGA-Fプラットフォームを採用【ラダーフレーム構造】
続いてはシャシーの最新情報。
レクサス新型LXのシャシーは「GA-Fプラットフォーム」を採用します。ランクル300系と同じく、TNGA設計のもとに開発されたラダーフレーム仕様の骨格が採用。スポット溶接などを増やすことで、先代LXと比べて車体剛性は20%ほど増している模様。
試乗レビューでもランクル300系の走りは好評なので、次期LXも以下同文。
レクサス新型LXの悪路走破性も健在。登坂能力も最大45度まで対応し、川も700mmまでの深さならOK。それでも過度な傾斜に入ってオイルレベルが著しく下がった場合、油面計の低下を警告するオイルレベルセンサーなどが標準装備されます。
また【マルチテレインセレクト】も引き続き採用します。オンロードからオフロードまで、最大6場面で路面状況に応じた走行モードができる。新型LXでは更に駆動力やサスペンションに至るまで、総合的にいろいろ制御できるように進化。
ベアリングやオイルシールは防水防塵仕様になるなど、レクサス新型LXはランクルに負けず劣らずの悪路走破性が担保されている模様。
一方、レクサス新型LXではボンネットフードやルーフ、全ドアパネルなどはあらゆる部分でアルミニウム素材を採用して軽量化が図られている。最大5mmの厚板と薄板の鋼板をレーザー溶接とプレスで接合する世界初の技術(曲線テーラード・ウエルドブランク)も新たに採用。
その結果、更に200kg近い軽量化が施されたことで、燃費性能の面でも新型LXは期待できそう。
レクサス新型LXの足回りは?
続いてはレクサス新型LXの足回りの最新情報。
レクサス新型LXのフロントサスペンションにはハイマウントダブルウィッシュボーン、リアサスペンションにはトレーリングリンク車軸式を引き続き採用します。
ただサスペンションストロークを+15~20mmほど大きくし、リアショックアブソーバーをロアコントロールアームより外側に配置することで、タイヤの上下動に追従しやすくなって減衰効果を高めることで走破性、路面追従性も上昇。
またレクサス新型LXでも「AHC」と「AVS」を引き続き採用します。AHCとは自動的に車高を調整してくれるシステム、AVSとは路面状況に応じて減衰力を自動的に切り替えてくれるシステムのこと。
ただAHCは後輪にも採用することで、車高を変えるスピードがフルモデルチェンジ前より短縮化。AVSもリニアソレノイドバルブ方式に変更することで、新型LXでは更に乗り心地が改善されている模様。それでも基本的には「オフローダーの顔」は隠し切れないか。
他にも電動パワーステアリングでは油圧式からモーターと減速機を用いた方式に変更することで、ステアリング操作がより緻密に制御できるように進化。特に低速時において操作感が増しているため、駐車場に車を停める際などの挙動が安定しそう。
【LX600】3.5L V6ターボにダウンサイジング?
続いては「搭載エンジン」の最新情報。
レクサス新型LXのパワートレインは「3.5L V6ツインターボガソリンエンジン(V35A-FTS)」が搭載されます。ランクル300系と同様、エンジンの位置を車両後方に70mm、下方に20mmほどズラして重心の位置を変えることで走行安定性も高めている。
これはレクサス・LSなどにも搭載されるツインターボエンジンですが、最高出力は305kW(415PS)、最大トルクは650Nmを発生します。新型LXの方が50Nmほどトルクが太い模様。
今回のフルモデルチェンジを機にグレード名がLX570から【LX600】に変更されるんですが、V6の600を意味していた?300系のちょうど二倍というのも意味深。
また変速機は10速ATに進化します。現行LXは8速ATを採用していますが、新型LXではクロスレシオ化によって全車速域でダイレクトな加速フィールを体現。ターボエンジンですが高回転域でも比較的伸びやかなトルク特性を発揮。燃費性能にも優れるはず。
一方、新型ランクル300系に搭載された3.3L V6ツインターボエンジンは搭載されません。排気ガス処理の尿素水タンクの関係もあってスペースが犠牲になってしまう。また噂されていたマイルドハイブリッドシステムなどの搭載もなし。
フルモデルチェンジ後はハイブリッド化される?
続いては「ハイブリッド化」の最新情報。
レクサス新型LXの「マイルドハイブリッド化」は既定路線と見られてます。トヨタのハイブリッドシステムと言えば2モーター式THSシリーズが有名ですが、スズキや日産の軽自動車のような【1モーター式ハイブリッド】を採用すると言われてます。
実はポルシェといった海外の高級車ブランドでも、48V仕様のマイルドハイブリッドを搭載するのは主流。小型の電気モーターを1個組み込むだけなので燃費向上の効果は薄いものの、構造も簡素なため手頃な値段でハイブリッド化できる。
そのため前述の3.5L V6ツインターボ(正確には変速機?)にマイルドHVが組み込まれる可能性が高い。アメリカ専売のピックアップトラックのトヨタ新型タンドラやトヨタ新型ランクル300系にもいずれ搭載されると見られます。
ただ2021年は「世界的な半導体不足」で自動車業界は苦しめられているため、新型LXがいずれマイルドハイブリッドモデルが発売されるとしても相当先の話になりそうです。
新型LXの次期デザインはどうなる?
続いては次期デザインの最新情報。
レクサス新型LXの次期デザインがこちら。デザインはプロトタイプということですが、ほぼこのまま発売されるはず。
新型LXのフロントグリルはダサいという評判もありましたが、ランドローバー車のような顔付きで若者ウケしそうです。7本のメッキバーも整然と並んでいるため、存在感は強いもののスッキリ感もあるデザインに仕上がってる印象。
このメッキバーは冷却機能を高める効果もあるため、まさに【機能美】といったところか。L字型のデイライトもほどほどに目立たず、良い意味で癖がない。独特のスピンドルグリルも縁取る物がないため、他のレクサス車ともしっかり差別化できている気がします。
レクサスでは初の22インチタイヤを採用したことで、フルモデルチェンジ後はよりマッシブで存在感があるデザインに仕上がっている。新型LXも実質的な中身はオフローダーですから、「ランドクルーザーを素直に洗練させたデザイン」といった所。
また三眼式ヘッドライトは「アダプティブハイビーム」にも対応。ヘッドライト内のブレードミラーを高速で回転させることで、自動的に配光を細かく変えることが可能。価格さえ気にならなかったら、素直に購買意欲がそそられる先進的なデザインに違いない。
レクサス新型LXのリア周りがこちら。
レクサス・UXから始まる横一文字型のコンビネーションランプが採用されております。トヨタ新型ノアやトヨタ新型アルファードなどにも組み込まれるなど、サイドの広がり感を強めるデザインが流行りっぽい。またロゴも「LEXUS」の文字に変更されてる点も見過ごせない。
新型LXの内装はどうなる?
続いては内装インテリアをチェック。
レクサス新型LXの内装インパネがこちら。画像は海外向けの左ハンドル仕様ですが、よりコクピット感が強いデザインに変更。中央のアームレストには菱形の模様が縫われるなど、質感は現行LXよりも上質に高まっている印象です。
また上下2画面の【デュアルディスプレイ】を採用した点も特徴。現行LXはT字型のインパネを採用していましたが、新型LXではまず二連タッチパネルを前面にアピールしたい模様。オーディオ操作などを行う上画面が12.3インチ、空調の操作などを行う下画面が7インチ。
上画面ではカメラの映像を表示しながら、下画面では車両の状態を表示させるなど、同時に色んな情報を得ることが可能。トヨタ・プリウスPHVのような巨大な一枚ディスプレイも考えられますが、操作感を考えると敢えて2画面の方が実用性は高いのか。
これらはアップルカープレイやアンドロイドオートに対応し、Wi-Fiによる無線接続が可能。他にも音声認識機能にも対応しており、ステアリングスイッチでいろいろ操作が可能。
また【後退時に撮影した過去の映像】と合成して、車両を擬似的にリアルタイムで透過させる機能(バックアンダーフロアビュー)なども標準装備されるそう。後方の障害物を把握する機能はコンパクトカーなどでも採用されていますが、その上位互換的な機能?
また安全面ではランクル300系と同じく、新型LXも「指紋認証」に対応してます。現行LXは中古車でも1000万円前後で販売されるほどの人気。これほどありがたい盗難防止機能もなさそうです。
他にも新型LXは大容量のスピーカー(サブウーファー含む)を10個近く標準装備するなど、ランクル300系より装備面で充実。
LX600のグレード構成は3種類?
続いてはLX600のグレード構成に関する最新情報。
レクサス新型LXのグレード構成は「ベースグレード」と「Executive(以下エグゼクティブ)」と「OFFROAD(オフロード)」の3種類が用意されます。具体的には「LX600」「LX600 Executive」「LX600 OFFROAD」のように発売されるんですが、オフロードは日本専売グレードとのこと。
ただエグゼクティブとオフロードには大きな違いがあります。そこでそれぞれのグレードの詳細を解説しようと思います。
○エグゼクティブは2列シート & 4人乗り
LX600 エグゼクティブは【2列シート & 4人乗り仕様】のグレードになります。現行LXにも「2列シートの5人乗り仕様」と「3列シートの8人乗り仕様」が用意されておりましたが、新型LXでは専用グレードとして2列シートモデルが用意されます。
ただエグゼクティブでは「キャプテンシート」が採用されます。
現行LXの2列シート仕様ではアルファードのようなベンチシートが採用されてたんですが、新型LXでは後席専用のコンソールを設置するなど豪華感がすごい。そのため真ん中に誰も座ることができないため、一般的な乗用車では珍しい4人乗り仕様になる。
ただ凹凸感あるエグゼクティブ専用シートは見るからに乗り心地が良さそう。ウォークスルーはできないものの、レッグスペースは最大で1000mmが確保されるなど完全な個室。後席空間の快適性やプライベート感を重視したモデルに仕上がってます。
例えば、エグゼクティブの2列目シートに座るとこんな感じになる模様。アームレスト代わりのセンターコンソールには、空調パネルやUSB・HDMIソケット、カップホルダーなど多種多様に用意されてる。非接触型のスマホ充電機能なども備わっているそう。
またエアコンの吹出口を新たに天井やコンソール部分の足元に追加するなど、現行LX以上の先進的な空調機能が更に進化。前席シートの背面にはディスプレイを配置するなど、2列目の後席には「前席以上の上質な空間」が実現されているっぽい。
○オフロードは3列シート & 7人乗り(2列 & 5人乗り)
一方、LX600 オフロードは【3列シート & 7人乗り仕様】【2列シート & 5人乗り】のグレードになります。標準のベースグレードも同様の構成になります。だから現行LXと同じ。
オフロードの2列目シートは現行LXと同様にベンチシートが採用されます。先程のエグゼクティブの2列目と比較すると、明らかにホールド感が違います。ヘッドレストの大きさも全然違う。でもその分だけシートアレンジの点では優れる。
事実、LX600の3列目シートは【電動リクライニング】が可能になります。
また全てのシートを電動で動かすことがボタン一つで可能。「ラゲージスペース拡大機構」ではフロントシートも動かして広大な荷室空間を生み出し、「ウォークイン機構」では2列目シートを跳ね上げて自動的に格納して、3列目シートに移動しやすくすることも可能。
他にもオフロードには3つのディファレンシャルロックを標準装備し、マットグレー塗装の18インチタイヤを標準装備します。他にもホイールアーチモールなどブラック塗装やグレーメタリック塗装するなど、オフロード専用の力強いエクステリアに仕上がってるそう。
新型LXの価格や値段は?
続いてはレクサス新型LXの価格や値段の最新情報。
- ベースグレード…1250万円
- オフロード…1290万円
- エグゼクティブ…1800万円
新型LXの価格一覧がこちら。
エントリーモデルの標準グレードが1250万円。日本専売のオフロードグレードが1290万円。最上級グレードのエグゼクティブグレードが1800万円になっております。特にエグゼクティブに関してはLS500hエグゼクティブの1680万円を軽く上回る。
当初は新型ランクル300系(730万円~770万円)の2倍超程度の値段に落ち着くだろうと読んでいましたが、結果的にはエントリーグレードの価格はちょっと安かった感じです。だからLSを購入できるような人は余裕で新型LXも購入できます。
ちなみに、レクサスからは【LF】と呼ばれるLXを上回る最上級SUVの投入も噂されているんですが、LFの価格は間違いなく2000万円は超えてきそうです。
コメント