【理由】リトラクタブル・ヘッドライトは何故消滅したか?【復活】

かつてカーギークでは「ハードトップ車が消滅した理由」も解説しましたが、今回は「リトラクタブル・ヘッドライトが消滅した理由」を解説していこうと思います。

かつて一世風靡したほど人気のカッコいいヘッドライトだったものの、現在ではリトラクタブルヘッドライトの存在を知らない世代も増えております。では何故リトラクタブルヘッドライトは最近確認できないのか?

【解説】リトラクタブル・ヘッドライトとは?【仕組み】

そもそもリトラクタブル・ヘッドライトとは何ぞや?

(Wikipedia マツダ・コスモ)

リトラクタブル・ヘッドライトとはボンネット内部に格納できるヘッドライトのこと。そのためリトラクタブルヘッドライトの正式名称は「格納式前照灯」と呼ばれます。

画像はリトラクタブル・ヘッドライトが露出した状態ですが、基本的に消灯時はパタンと車体内部に格納されます。そのためリトラクタブル・ヘッドライト装着車は、一見するとヘッドライトが見えないように設計されてる。

筆者はバブル時代に幼少期を迎えたので、このヘッドライトを格納するという構造にドンピシャにハマった記憶。本当にリトラクタブルヘッドライトを見てカッコいいと思えるギリギリの世代か。

○「空気抵抗」を減らす構造が大きな利点

リトラクタブル・ヘッドライトの利点は「空気抵抗を減らす」こと。何故ならリトラクタブルヘッドライト装着車は、車体前方部分(フロントノーズ)を極端に低く設計することができたから。

ヘッドライトの位置は低すぎると遠くまで照らせないので、実は法律の安全基準でヘッドライトは一定の高さ以上に設定するように求められている。逆に考えると、点灯時さえヘッドライトが一定の高さまで維持されれば違法性はない。

そのため点灯時以外はボンネット内部に格納できるリトラクタブルヘッドライトを装着した車はフロントノーズが異様に低く設計され、かつてスポーツカーなどに多く採用されました。そういった経緯もあって「リトラクタブルヘッドライト=バブルの象徴」と思われてる所以かも知れません。

日本初のリトラクタブルヘッドライト車は?最後の日本車は?

そこでリトラクタブルヘッドライト装着車を調べてみると、やはりバブル世代(1980年代後半)に発売されたスポーツカーが多かったらしい。

トヨタ車だとカローラⅡやセリカ、スープラ、スプリンタートレノ。ホンダ車だとクイントインテグラ、アコード、プレリュード。三菱車だとGTOやスタリオンなどがリトラクタブルヘッドライトを採用しておりました。

日産車だとシルビア系、エクサ、フェアレディZ。マツダ車だとRX7、ロードスター、ユーノス100、コスモ、ファミリアアスティナなどもリトラクタブルヘッドライトを採用していたらしい。

そして日本初のリトラクタブルヘッドライト車は、おそらく1967年に発売されたトヨタ・2000GT。また最後に発売された日本車は2002年に販売終了したマツダ・RX7だと考察されます。

そのため日本車では2000年代以降、リトラクタブルヘッドライト車は全く発売されていないカタチ。

【悲報】リトラクタブルヘッドライトは復活しない理由

じゃあリトラクタブルヘッドライト車は今後復活する可能性はあるのか?最近国産車メーカーは原点回帰というか、昔流行った車などを再販しているケースもなくはない。

ただ結論から書くと、リトラクタブルヘッドライト車はもう復活しないと思います。理由は至ってシンプル。前述のメリットは言っても知れておりますし、逆にデメリットや問題点の方が多いから。

○リトラクタブルヘッドライトは高抵抗・高コスト

例えば、リトラクタブルヘッドライト車のデメリットは「かえって空気抵抗が増大」してしまうこと。

前述のようにリトラクタブルヘッドライト空気抵抗を減らす目的で作られたものの、実際に点灯する時の多くはおそらく走行中。そのためヘッドライト展開時に空気抵抗が増してしまう。メリットをまさに相殺してくれるデメリット。

リトラクタブルヘッドライトの形状は丸みを帯びておらず、デザイン的に露骨を風を真正面から受けてしまう。またフロントノーズはただでさえエンジン配置で重いのに、リトラクタブルヘッドライトを搭載することで更に前後重量配分が悪化しがち。

結果的にスポーツカーに多く採用されていたにも関わらず、リトラクタブルヘッドライト車は走りの面ではメリットどころかデメリットしかない。

○復活しない最大の理由は「安全面」

そして、リトラクタブルヘッドライトが復活しない最大の理由があります。それが「安全面」。

最近はボンネット部分に歩行者用エアバッグを搭載した車種も増加してますが、もしリトラクタブルヘッドライト車が人身事故を起こした場合、歩行者が更にダメージを負ってしまう可能性がある。

最近は「安全性」に関して消費者も非常に敏感になっており、メーカー側もシビアに捉えてることが分かります。他にも不具合によってヘッドライトが格納されたまま展開しないこともあったとか。

部品点数が増えて高コストになるのも問題点があったりして、確かにリトラクタブルヘッドライトはカッコいいっちゃカッコいいんですが、今後日本車に限らず、世界でも復活する可能性は低いと考えます。

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