最近、全車速域追従クルーズコントロール(ACC)など自動運転車が普及しつつあります。日産新型デイズやダイハツ新型タントやホンダ新型N-WGNといった軽自動車ですらACCが搭載されているほど。
ただし、高度な技術が要求されるため自動運転技術を巡っては、各自動車メーカー同士が密接に連携しつつあります。やはり莫大な開発資金や投資が必要になるため、トヨタですら一社では対応できない。
そこで自動運転技術に関連して聞かれるようになったワードが「MaaS(マーズ)」。一見するとウイルスのサーズなどが想起されますが、どうやらMaaSは今後自動車産業や社会のあり方を変えていく模様。
ということ今回カーギークでは「MaaS(マーズ)」の意味を徹底的に解説しようと思います。
【正式名称】MaaSは「Mobility-as-a-Service」の略語
まず「MaaS」とは一体どういう意味なのか?MaaSの正式名称は何なのか?
結論から書くと、MaaSとは「自動車を利用したサービス全般」のこと。最初は2017年のフィンランド・ヘルシンキから始まった比較的新しいサービスとされます。ちなみに、前述のようにMaaSの読み方は「マーズ」。
MaaSの正式名称は「Mobility-as-a-Service」。これを直訳すると「サービスとしての自動車」。更に分かりやすく意訳するのであれば、「サービスとして位置付ける自動車の役割」みたいなところ。
本来、乗用車は「個人の所有物」という概念で自動車メーカーが販売していましたが、今後は「自動車を使ってどういった別のサービスを展開できるのか?利益を出せるのか?」という発想でクルマを捉え直したのがMaaS。
とりわけ世界トップクラスの販売台数を誇るトヨタ自動車などは「個人に直接売る」ことから、今回のMaaSで利益をあげようと様々なIT企業などと手を組むようになりました。
実際アメリカの市場調査会社によれば、MaaS関連の市場規模は2017年から2023年の間に36%程度の勢いで成長すると見られ、2023年には世界で約254億ドル(2兆7000億円)に匹敵すると予想されてる。
MaaSにはどういったサービスや会社がある?
じゃあ、MaaSには一体どういったサービスが存在するのか?どういった企業がMaaSを展開しているのか?
例えば、「Uber(ウーバー)」もMaaSの一種。ウーバーはスマホアプリを利用して、個人間(エンドユーザー同士)でタクシーのようなサービスを行う。日本だと「ウーバーイーツ」の方が有名で利用者が多いかも知れない。
だから最近は日本でもようやく電子決済が普及しつつありますが、資金のやり取りが個人間でも可能になったこともMaaSを普及させる背景の一つにあります。副業解禁の世間の流れもMaaSを後押しか。
他にも、「カーシェアリング」やトヨタのKINTOといった「サブスクリプション(定額サービス)」もMaaSの一種とされます。だから2017年に最初に始まったとされますが、意外とMaaSの形態は古いとも言えそう。
似たような言葉に「SaaS(Software as a Service)」もありますが、やはり「ソフトウェアを所有しない」という意味ではMaaSと同じ。
また最近は自動運転技術が発達しつつありますが、今後は無人バスを利用した公共サービスも展開されそう。そのため究極的に自動運転技術が発達すれば、Uberといった既存のMaaSが廃れる可能性もありそう。
だから、MaaSの未来はまだまだ発展途上。良くも悪くも変化していく余地は大きい市場。
【マーズ】MaaSのメリットやデメリットは?
じゃあ、MaaS(マーズ)のメリットやデメリットは何なのか?このメリット・デメリットはどう自動車社会に影響を与えるのか?
まずMaaSのメリットは「安価に移動できる」こと。正式なタクシー会社を介さないため、支払う利用料金は少なくて済む。自動運転技術が普及すれば、更に旅行先などで安価にユーザーは移動可能。
また効率的に目的に移動できるため、個人の車が排出する二酸化炭素排出量の低減にもつながる。タクシーと違って必要な時にだけしか使用されないため、MaaSは都市部であれば渋滞解消なども期待されてる。
一方、デメリットは自動車を個人で所有するメリットが低減するため、MaaSが普及することで「自家用車を持つ世帯が減る」と指摘されております。サブスクリプションやカーシェアリングは言うまでもなし。
またMaaSは誰でも参入できるため、既存のタクシー会社などで働いている従業員の雇用を悪化 or 奪ってしまうこともデメリットに挙げられます。当然、自家用車を持つ世帯が減れば、自動車メーカーで働いてる労働者も減るかも知れません。
ただし、前述のようにMaaS市場はあと5年以内に世界で2兆円以上の規模にまで拡大すると見られてる。デメリットは多いものの、今後ユーザーの利便性を考えるとMaaSが普及する流れは止められなさそうです。
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