日産を代表するスポーツカーが「フェアレディZ」。筆者は「ドル漫」という漫画考察ブログも運営してるんですが、フェアレディZは漫画でもちょくちょく登場するなど幅広く支持されてる2シータークーペ。意外と維持費もお安くてコスパが良い。
そこで今回カーギークでは日産新型フェアレディZ(Z34型)のフルモデルチェンジ最新情報をまとめてみました。アメリカ国内では2021年8月に早々にデビューしてましたが、日本国内では2022年1月の東京オートサロンに正式デビューしました。
Z35と呼ばれない理由は?
ちなみに、当初は「Z35」に形式番号が進化すると言われていましたが、新型フェアレディZの形式番号は「Z34」のままです。一応、プラットフォームは引き続き流用されるものの、車体全体の80%近くは大掛かりなテコ入れが施されている。
他の自動車メーカーの例を見ても、プラットフォームが流用されていても形式番号が変わることも多い。2016年にフルモデルチェンジした日産セレナも、プラットフォームが流用されていても形式番号がC26型からC27型に変更されてたりします。
だから新型フェアレディZも形式番号を変更しても良さそうですが、Z35と呼ばれなかった理由は「法規上の問題」が関係しているそう。どうやら形式番号も変更してしまうと、燃費規制や安全性能が新しい基準に対応しなければいけなくなる。
でも先代フェアレディZは2008年に発売しているため、形式番号をZ34のままにしておけば「13年前の基準」に対応するだけでいいそう。かなりグレーなやり方にも思えますが、基本構造は同じという建前を取ることで許される部分も多い模様。
発売日は2022年6月下旬
続いては新型フェアレディZの発売日の最新情報を解説します。
日産新型フェアレディZの【カタログモデル】の発売日は2022年6月下旬とのこと。予約発表日は2022年4月下旬とのこと。
一方、240台限定の特別仕様車「プロトスペック(Proto Spec)」は2022年2月7日からオンライン注文が始まっていましたが、こちらの発売日は2022年4月上旬になります。だからカタログモデルの発表日も同タイミングになりそうか。
この特別仕様車の納車は2022年7月下旬以降とのことなので、カタログモデルの納車日がどれだけ遅れるかは言うまでもなさそう。できるだけ予約開始日に購入しておくのが良さそうです。
ただアメリカの発売日は2022年春と随分前から確定していましたが、日本市場はあくまで後回し感は否めません。事実、日産新型エクストレイルのフルモデルチェンジも日本国内では年単位で遅れているなど、メイン市場がどこに置かれているかは痛感させられます。
フルモデルチェンジ後もシャシーは同じ?車体サイズは?
続いてはシャシーや車体サイズの最新情報。
- 全長…4380mm
- 全幅…1845mm
- 全高…1315mm
- ホイールベース…2550mm
新型フェアレディZの車体サイズがこちら。ホイールベースは2550mmと変わらずですが、先代フェアレディZと比べると全長は+120mmほど拡張している模様。これはZ32型、Z33型を上回るサイズ感だけあって、実車の存在感は想像以上か。
最低地上高は120mmと同じ。乗降性は変わらずでしょう。また乗車定員は変わらず2名(ツーシーター)。最小回転半径は5.2メートルと、やはり取り回し性能も大きく変わらずか。
一方、室内サイズは975~990×1495×1065mm(室内長×室内幅×室内高)とほぼ変わらず。室内高は25mmほど若干狭くなります
またラゲッジ容量は241Lほど確保されています。9.5インチのゴルフバックは2個積載可能と、意外と積載性は高い。ただし、荷物を積み込みすぎると後方視界性が悪くなるなど、基本的にはおすすめされていないのは新型フェアレディZでも変わらずか。
結局プラットフォームは刷新されたの?
続いてはプラットフォームの最新情報。
新型フェアレディZのシャシーは「FR-Lプラットフォーム(FMプラットフォーム)」が引き続き採用されます。それでも車体の8割近くが新開発ということで、新型フェアレディZは車体剛性などが大幅アップする見込み。
具体的には、車体のねじり剛性は5%ほど改善し、回頭性は15%ほど改善しているそう。ハッチゲートの剛性も23.8%も改善するなど、路面からの突き上げ感や凹凸感が減衰されて乗り心地も改善。
サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式は変わらないものの、新設計の大径モノチューブダンパーに変更されることで、車体の動きがより抑えられているそう。またその取り付け位置などを変更することで直進安定性もアップ。
他にもステアリングにはEPS(ラックアシストタイプ)を初採用することで、新型フェアレディZではコーナリング性能も13%アップしているそう。申し分ない操縦フィールが更に実現されているっぽい。
マフラー周りもテコ入れされて、エンジン音がよりダイレクトかつ心地良いサウンドを発生させているそう。だから情報だけ聞いても車好きをワクワクさせる商品作りがなされている予感。
スカイラインの「3.0L V6ツインターボ」搭載へ?
続いてはパワートレインの最新情報。
日産新型フェアレディZの搭載エンジンは「3.0L V6ツインターボエンジン(VR30DDTT)」が採用されます。
この3.0L V6ツインターボ(VR30DDTT)は日産スカイライン・400Rに搭載されているものと同じだけあって、良い意味でフェアレディZには不釣り合いなほどパワフル。V6ツインターボという文字面だけでもワクワクします。
先代Zは3.7L V6NAエンジンを搭載していたため排気量こそ見劣りするものの、新型フェアレディZの最高出力は298kW(405PS)/6400rpm、最大トルクは475Nm(48.4kgm)/1600~5600rpm。先代比で70PS/100Nmほど向上します。
ホンダ・シビックタイプRが最高出力320PSですから、いかにモンスターエンジンを積んでいるかが分かります。いずれ発売されるであろうフェアレディNISMOのスペックは482PS/62.4kgmまで覚醒するという予想も納得です。
ただスカイラインと同エンジンと言っても、遠心振り子式アブソーバー内蔵のデュアルマスフライホイールやリサーキュレーションバルブを採用するなど改良が施されている模様。ローンチコントロールなども新たに加わることで、スカイラインよりも引き出せるスピードの加減速がよりダイレクト感が増しているとか。
またエンジンモードは「ノーマル」と「スポーツ」が設定されるそう。
新型フェアレディZのカタログ燃費は?
続いてはカタログ燃費や変速機の最新情報を解説。
引き続き駆動方式は2WDのみですが、新型フェアレディZの変速機は【6速MT(3ペダル式)】と【9速AT(パドルシフト付き)】の二種類が用意されます。ちなみにグレードによって【S】はMTのみ、【T】はATのみと変則的な仕様になっている模様。
変速機も油圧制御を緻密に仕上げることで、変速スピードや応答性は7速ATだった先代フェアレディZよりも5倍近く速くなるそう。強化されたトルクに対応するべくクラッチディスクなども大幅に強化。パワーステアリングも油圧式から電動式に進化し、その剛性感は72%も向上します。
走りの中身は、やはりGT-Rやスカイラインに近く進化する模様です。
一方、新型フェアレディZの車両重量は6速MTが1570~1590kg。9速ATが1600~1620kgになります。上級グレードほど装備が充実するため、その分だけ車重も増えている模様。先代比で70kg以上の増加。
ただ圧縮比は10.3とスカイラインと変わらないものの、新型フェアレディZの車重はそれより200kg以上も軽量。そのためスカイラインを参考にすると、新型フェアレディZのカタログ燃費は11~12km/L前後と予想してみる。先代フェアレディZが8km/Lだったので大幅進化は間違いなし。
また燃料タンク容量は62Lと大容量なので、少なくとも走行距離を考えたら不満感はゼロでしょう。
ちなみに環境規制が厳しいアメリカ市場での展望を考えると、そう遠くない未来において、フェアレディZもこの先発売していくのであれば電動化は必須でしょう。
新型フェアレディZの外観デザインは?
続いては「次期デザイン」の最新情報。
日産新型フェアレディZのフロント画像がこちら。
やはり大型の角張ったエアインテークが目を引きますが、先進的な近未来感を漂わせる中に「どこか懐かしいZらしさ」を感じさせます。これまでの系譜を辿ると、歴代フェアレディZもバンパー中央の四角いエアインテークが比較的採用されがちでした。
ただ意味もなく奇をてらったわけではなく、ツインターボエンジンが発する熱を放出するために追求したデザインだそう。まさに機能美。
また半円を上下に重ねたようなヘッドライトも印象的です。初代フェアレディZ(S30)がモチーフと言われます。内部にオレンジのウインカーポジションが配されています。
新型フェアレディZと歴代フェアレディZと比較してみるとこんな感じ。めっちゃ似てるかと言われると微妙ですが、フォルム感などは過去と現在が見事に融合してる雰囲気です。めちゃくちゃ長い時間軸で捉えると、「キープコンセプト」と言えるのか。
メッキ感や凹凸感でゴリゴリに主張していない雰囲気も今風ではあるため、まさに温故知新なデザイン。
○歴代フェアレディZの面影も色濃く残る
だから新型フェアレディZは未来的な雰囲気の中に「かつてのフェアレディZの面影」を随所に散りばめているデザインに仕上がっているのが特徴です。
例えば、新型フェアレディのサイド。
ロングノーズと強めに傾斜した後ろ下がりのルーフは、「日本刀」をイメージして設計されているそうですが、低いリアデッキは初代フェアレディZ(S30型)に原点回帰。今風のツートンルーフとも見事にマッチし、フォルム感は初代S30型フェアレディZの流麗さを彷彿とさせます。
またドアハンドルの位置も歴代フェアレディZを踏襲しております。敢えて「パッと見は分からない」ようなデザインに仕上がってる。「Zマーク」はフロントフェンダーからリアピラーに移動し、やはり初代S30を彷彿とさせる仕掛けが施されている。
先代フェアレディZはV字型でしたが、リアコンビネーションランプもZ32型を踏襲したデザインに設計されております。丸みを帯びた長方形が2本で構成されて、これが浮かび上がって見えるフローティング手法が用いられているのが未来的。
まさに温故知新。スポイラーには「カーボン素材」を採用することで軽量化にも寄与。
○新型フェアレディZは塗装にも力が入っている
ちなみに、カタログモデルでは車体カラーは合計9色ほど用意される見通しです。
新色のブルーとイエローを筆頭にカタログモデルでは全6色が黒と組み合わせたツートンカラーになっております。つまり、モノトーン色は3色(黒・グレー・赤)のみ。だからフェアレディZはツートンカラーが主役になっている模様。
例えば、画像のイカヅチイエローは新開発の黄色顔料が採用されている。具体的には4層構造を採用した人工パールフレークを用いた塗装膜の構造に仕上げたことで、紫外線を吸収する効果を持っているそう。炎天下の夏は車内温度を下げることができそう。
これ以外にも、車体カラー全般にはGT-Rのアルティメイトシャイニーオレンジの塗装技術が応用されているそう。高輝度アルミを織り交ぜることで陰影がハッキリし、より目を引く鮮やかさを実現。また世界初の超低温塗装では表面の凹凸感が減少し、より映り込みが滑らかに見えるそう。
だから新型フェアレディZは実車で見た方が購買意欲がそそられそう。
内装はフルデジタルメーター採用!
一方、新型フェアレディZの「内装デザイン」は顕著に質感が高いレベルに仕上がっております。
新型フェアレディZの内装インパネ画像がこちら。
ハンドル中央の「Zマーク」もシンプルに購買意欲をそそりますが、前後に位置を調整できるテレスコピック機構が標準装備されます。左右スポーク内臓のスイッチは静電式に変更。ステアリングホイールはGT-Rと同じ形状と採用し、グリップ感や握り心地でも質感が高いものとなっていそう。
3連の空調コントロールは引き続き継承されますが、インパネ周辺はピアノブラック調に仕上がっててシンプルに質感が高そうです。
またシート素材には本革とスエード調ファブリックコンビシートが採用されます。イエローのステッチなどが縫われるなど、フェアレディZらしい空気感が体現されている模様です。またMT車にはMTシフトノブブーツなどに専用カラーがあしらわれます。
新型フェアレディZの内装を横から見ると、質感とスポーティーさが両立されてる印象です。
特に新型フェアレディZの内装で目を引くのが「高精細な大型12.3インチのフルデジタルディスプレイ」でしょう。ここにレッドゾーン7000rpmのタコメーターが表示されるんですが、まさに「伝統と最新技術」が融合されてる印象。
メーターパネルは「ノーマル」「エンハンス」「スポーツ」の3種類のモードが用意されてる。スポーツモードだけでも数億円のコストが掛かっているそう。タコメーターのレッドゾーンである7000rpmに到達するとインジケーターがフル点灯するなど、それだけ映像的な仕掛けがいろいろ施されているそう。
これだと輸入車ユーザーもしっかり取り込めそう。
安全装備はプロパイロット2.0?
一方、一切の自動ブレーキシステムが搭載されていなかった安全装備はどうなるのか?
新型フェアレディZの安全装備は「インテリジェントクルーズコントロール」が標準装備されます。ルームミラー付近にカメラやセンサーの類が確認できると思いますが、いわゆる追従クルーズコントロールのこと。ただし、MTモデルには踏み間違いアシストなどもなし。
そのため自動ブレーキシステムの類いが一切搭載されなかった先代Zより大幅に安全性能が格段に向上するわけですが、スカイラインに初めて設定されたハンズフリーの半自動運転が可能なプロパイロット2.0は設定されない見通し。
今回の特別仕様車「プロトスペック」は高級モデルの位置付けにあたるため、基本的にフェアレディZにはプロパイロット2.0は設定されないと考えた方が良いでしょう。そこらへんはスカイラインとの差別化も意識されているのか。
それでも新型フェアレディZではサイドカーテンエアバッグなども標準装備されます。また地図データなどが自動的にネット通信で更新できたり、Wi-Fi機能や車内のドアロックも遠隔操作が可能な【日産コネクト】専用の通信ユニットが全車標準装備されます。
だから新型フェアレディZは走りの面以外でも、かなり高機能に進化します。
特別仕様車プロトスペックの価格は696万6300円だが…
続いては価格の最新情報を解説します。
まず特別仕様車「プロトスペック」の価格は696万6300円になります。アメリカ向けフェアレディZも同特別仕様車が導入されているものの、価格は4万ドル(約450万円前後)にとどまることから日本向け仕様は異様なほど割高。
また同エンジンを搭載するスカイラインの価格帯は435~644万円ですから、新型フェアレディZの価格帯はそれを遥かに凌ぐ水準になっています。
一方、グレード構成は【標準グレード】【バージョンS】【バージョンT】【バージョンS-T】の合計4グレードが用意される見通し。
エントリーモデルの「ベースグレード」、スポーティーモデルの「バージョンS」、高機能路線の「バージョンT」、両方を合わせた「バージョンST」といったキャラクター分けがされます。だから先代フェアレディZと基本構成は同じ。
現時点で詳細な価格は不明ですが、カタログモデルの価格帯は車両価格は500万円~600万円台前半と見られます。最上級モデルは800万円に匹敵するという情報もありますが、特別限定車プロトスペックが最高価格となっているはず。
それでも先代フェアレディZの値段が397万~530万円だったので、お手軽に購入できるスポーツカーではなくなった感は否めない。
○カタログモデルの価格帯は?
それぞれの装備面をチェック。
【ベースグレード】は18インチアルミホイール、LEDヘッドライト、日産コネクトやETC2.0、ドアミラーウインカー、自動ブレーキシステム、バックビューモニター、自動ブレーキシステム、ブラインドスポット警告やリアクロストラフィック警告、サイドカーテンエアバッグなどが標準装備。
スポーティー仕様の【バージョンS】はレイズ製の19インチアルミホイール、アルミキャリバー対向ピストンブレーキ、前後スポイラー、機械式LSDなどが新たに加わります。
装備が充実した【バージョンT】は本革スエード調シート、左右パワーシート、8スピーカーBOSEサウンドシステムなどがベースグレードから新たに追加されます。そして、最上級モデルの【バージョンST】はその両グレードの装備がそれぞれ合算されます。
だから、標準グレードでも装備がかなり充実しているため、今回の予想価格から更に最大+50万円ほど割高になることも覚悟しておいた方が良いか。
そこでカタログモデルの値段を具体的に予想しておくと、、【標準グレード】の価格が500~530万円前後、【T】も【S】も価格はほぼ同じ550~590万円前後、【ST】の価格が620~660万円前後と予想してみる。
コメント
新型日産フェアレディZはビッグマイナーチェンジみたいだったそうですよ!
日産フェアレディZはビッグマイナーチェンジモデル最後にして生産終了する噂があるみたいですよ!