トヨタ新型ライズが2019年11月に発売。BセグメントSUVという、まさに「売れ筋×売れ筋」をかけ合わせた新型車。日本国内では圧倒的なシェアを誇るにも関わらず、トヨタは貪欲に販売台数の底上げを目論む。
一方、人気のAセグメントSUVがスズキ新型クロスビー。可愛らしい見た目と意外と広い室内も相まって、実用性と趣味車が合体したようなSUV。実はライズもクロスビーも同じ1.0L直3ターボエンジンを搭載してる。
そこで今回カーギークでは「トヨタ新型ライズとスズキ新型クロスビー」をいつものように徹底的に比較してみた。メインはトヨタ・ライズですが、その兄弟車のダイハツ新型ロッキーとクロスビーの比較も同時に兼ねております。
外観デザインの比較
まずは「外観デザイン」の比較。トヨタ新型ライズ(ダイハツ新型ロッキー)とスズキ新型クロスビーはどっちがカッコいいのか?
最初は「ホワイト色」の違いを比較。
前者のライズはトヨタの「ミニRAV4」といった雰囲気。台形のフロントグリルと特徴的なフロントグリル、立体的な造形が完全にそれ。一方、クロスビーはスズキの「ビッグハスラー」といった出で立ち。ヘッドライトは丸目で可愛らしい。
ライズの方が圧倒的にカッコ良さそうにも思えますが、並べて比較するとクロスビーの見た目が劣るという感じはしません。やはりクロスビーのフロントマスク中央の銀色のガーニッシュが存在感たっぷり。
続いては「ブラック色」の違いを比較。
先程のホワイト色とは違って、ブラックはそれぞれ個性的な違いが現れてます。前者のライズは全身真っ黒で大人びたシックさがあります。後者のクロスビーは白のツートンカラーやフロントマスクの銀のガーニッシュが差し色として効いててポップ。
あくまでデザインの方向性が異なるだけで、どっちの外観もGood。
○カラフルな車体色で比較
白や黒など定番色を比較したので、次は「カラフルな車体色」同士で比べたいと思います。
まずは「イエロー系」の違いを比較。
前者のライズの黄色はややくすみがかってますが、後者のクロスビーは明るめで好印象。改めて後述しますが、後者のクロスビーはツートンカラーが豊富。そのためライズがダサいということではないですが、クロスビーは明るい車体色が映える印象。
続いては「ブルー系」の違いを比較。
前者のライズはブラックとのツートンカラーですが、爽やかなスカイブルーと立体的なフロントマスクが相まって「これぞカッコいい」といった出で立ち。スバルのSUV車にあってもおかしくない雰囲気です。
一方、後者のクロスビーも同様にツートンカラーですが、ライズと比べると深みがかった青色。ライズと比べるとシックな雰囲気も漂います。他にもクロスビーは屋根が白色のツートンカラーも設定されてます。
だから意外とクロスビーとライズやロッキーとフロントマスクの違いは多い。
○サイド画像を比べてみる
そこでサイドやリア周りの画像を比較してみようと思います。
まずサイドの比較画像を見ると、ロッキーやライズはスズキ・イグニスに近いフォルム感。後ろ下がりのルーフはスタイリッシュさを演出するものの、一方、クロスビーの背の高さが際立ちます。
改めて室内の広さは比較しますが、ライズやロッキーはそこまで室内や荷室が大きくないことが容易に想像されます。
またサイドのフェンダーアーチモールを確認すると、スズキ新型クロスビーの存在感が際立ちます。ライズやロッキーはそこまで「オフロード感」はないか。ロッキーは「都会派的」などと表現できそうですが、「SUVらしさ」ではクロスビーに軍配か。
ただし、ロッキーやライズは「シャークフィンアンテナ」を全車で採用。一方、クロスビーはピンと伸びたアンテナを採用。価格的な違いは知りませんが、今の時代シャークフィンアンテナはデフォで付けてほしいところ。
○リア画像を比較してみる
一方、リア周りを比較するとリアランプがそれぞれ個性的。
例えば、前者のロッキーやライズは横長一直線に伸びたライトを採用し、後者のクロスビーは縦長のやや丸みを帯びたライトを採用。各々のキャラに合ったデザインが採用されており、どっちの方がおすすめできるかの評価は割愛。
でも、クロスビーのハッチゲートの持ち手がダサい・安っぽい。
リア周り全体で比較してみると、ロッキーやライズは立体感が強い。ここまでカクカクの凹凸感が施された車種は他には少ない。ちょっとしたオモチャ感もあって面白いデザイン。全体的に飽きさせないフォルム感。
一方、クロスビーは凹凸感は少ないものの、柔らかい丸みがキャラクターと合っててGood。フロントマスクと同様に銀色のガーニッシュが存在感があって可愛らしすぎない。そのため意外と男性ユーザーが購入しても恥ずかしくない。
やはり男ユーザー目線で比較するとロッキーかライズになりそうですが、クロスビーが劣ってる雰囲気はありませn。良くも悪くも、ロッキー・ライズとクロスビーと差別化されております。
ツートンカラーはクロスビーがおすすめ!
以上、外観デザインを比較してきたわけですが、まさにライズもクロスビーも甲乙はつけがたい。あとは好みや感性に委ねられるため結論をはっきり判断できないものの、実はトヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーがはっきり見劣りする部分があります。
それがツートンカラー(2トーンカラー)。
実はトヨタ・ライズやダイハツ・ロッキーのツートンカラーは3種類のみ。しかも、ライズはツートンカラーが設定できるのは上級グレードのみ。だからライズもロッキーも「選択肢の幅」という点ではかなり狭い。
一方、スズキ・クロスビーのツートンカラーはまさかの15種類前後。
むしろモノトーン色は白・黒・シルバーの3種類と少ないほど。そして、クロスビーは全グレードで選択可能。上級グレードとエントリーグレードではツートンカラーの設定色数は減りますが、それでもライズやロッキーを圧倒。
しかも、スズキ新型クロスビーは「3トーンカラー」まで設定されてる。サイドドアの部分にもオレンジ色の差し色を使うことが可能。
デザイン性の違いは好みによるため断定的な評価はしませんが、少なくともカラーラインナップの豊富さではスズキ・クロスビーに軍配が上がります。AセグBセグに限らず、新型クロスビーほど充実してる車種も少なそう。
車体サイズや乗降性の違いは?
続いては「車体サイズ」の違いを比較。トヨタ・ライズとスズキ・クロスビーはどっちが大きいのか?ちなみに、トヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーの違いは別比較記事をあとでご参照ください。
結論から書くと、トヨタ・ライズ(ダイハツ・ロッキー)の方が一回りほどサイズが大きいです。やはりスズキ・クロスビーはAセグメントサイズ。ホイールサイズを比較すると、ライズやロッキーが約100mmほど上回ります。
だから車体サイズはライズやロッキーが上回るものの、前述のように車高に関してはクロスビーが85mmほど上回ってます。そのため、クロスビーの室内高も85mmほどライズとロッキーよりも高いです。
一方、最低地上高はライズが185mmに対して、クロスビーは180mmとほぼ同じ。ただし、車高が高い分だけ乗降性の点ではクロスビーがライズを上回ると考えられます。
○ライズ・ロッキーの主要諸元
- 全長…3995mm
- 全幅…1695mm
- 全高…1620mm
- ホイールベース…2525mm
- 最小回転半径…5.0~4.9メートル
- 最低地上高…185mm
- 室内長…1955mm
- 室内幅…1695mm
- 室内高…1620mm
○クロスビーの主要諸元
- 全長…3760mm
- 全幅…1670mm
- 全高…1705mm
- ホイールベース…2435mm
- 最小回転半径…4.7メートル
- 最低地上高…180mm
- 室内長…2175mm
- 室内幅…1670mm
- 室内高…1705mm
内装の違いは?
続いては「内装インパネ周り」の違いを比較。クロスビーとライズ・ロッキーはどっちの内装がカッコいいのか?また質感が高いのか?
さっそく比較すると、内装がこちら。ちなみに、クロスビーの内装のブルーライトは4万5万のメーカーオプションになります。
後者のクロスビーの内装は「軽自動車やミニバン」に近く、前者のロッキーやライズは「より普通車」に近い作り。ダッシュボード周りは物を置くスペースが意識されてるクロスビーに対して、ライズやロッキーは独創的なデザイン重視の設計。
他にも、センターコンソール付近やシフトノブ周りも違いが顕著。後者の新型クロスビーは足元空間が広く設計されてる。一方、前者の新型ロッキーや新型ライズは足元空間は狭いものの、全体的な雰囲気は所有欲が満たされそう?
クロスビーの内装はカラフルでポップなデザインで使い勝手に優れてますが、ドアパネル部分などライズやロッキーはガッチリ仕上がってる。どっちの内装がSUV的なたくましさがあるかと問われると、おそらくライズかロッキー。
だから内装面は「実用性を取るのか?デザイン性を取るのか?」といった違いで選べばいいか。
室内の広さは?シートアレンジは?
続いては「室内の広さ」を比較。クロスビーとライズやロッキーはどっちの方が大きいのか?
結論から書くと、クロスビーの室内空間の方が広いと思います。
何故なら、新型ライズ(ロッキー)の全長が随分と長いものの、その分だけフロントノーズなどデザインに割り振ってあるから。どっちも大柄な人でも足を組めるぐらいに膝周りの空間は広いものの、結果的に後席空間の広さは大きく変わりません。
ただし前述のサイド比較画像を見ても分かるように、全高に限っては新型クロスビーが優勢。
「後席居住性は不満を感じることはない」とはベストカーの比較記事ですが、それでもライズやロッキーの頭上空間はかなり狭いです。ライズ・ロッキーの後席空間は窮屈感を感じる人が少なくないか。
また後方視界性の比較でも、ライズやロッキーはクロスビーより劣るでしょう。だから、新型クロスビーの方が体感的にも室内が広く感じるはず。
一方、シートアレンジ力ではライズとロッキーに軍配が上がります。例えば、後席シートを比較するとライズとロッキーは「6対4」に分割できるのに対して、クロスビーは「5対5」にしか分割できないから。
ただし、クロスビーのリアシートは防汚加工(上級グレード)が施されており、アウトドア目的におすすめ。またフルフラットシート度合いでもライズやロッキーを上回るかも知れない。シートに関しては一長一短か。
荷室の大きさは?積載性能はどっちが優秀?
一方、荷室の大きさはどうなのか?
結論から書くと、荷室やラゲッジスペースはどっちも同じぐらい大きいです。だから逆に悪く言うと、新型ライズ(ロッキー)はクロスビーよりも車体は大きいものの、そこを活かした「広さの優位性」はほぼ存在しません。
例えば、荷室幅を見るとクロスビーは1305mmに対して、ライズ・ロッキーは1000mm。全幅はライズが勝るものの、荷室幅はクロスビーの圧勝です。クロスビーは9.5インチサイズのゴルフバッグも搭載可能。ライズは8.5インチ程度のゴルフバッグが限界か。
一方、後席使用時の荷室床面長はクロスビーが525mmに対して、ライズ・ロッキーは755mm。フルの5名乗車時の積載性能ではライズ・ロッキーに軍配が上がりそう。
また荷室床面高はクロスビーが800mmに対して、ライズ・ロッキーが755mm。やはり室内高や全高の違いが荷室高でも顕著に現れます。ただし、それぞれ80L前後と割と大容量のラゲッジアンダーボックスがどっちも用意されてる。
ライズやロッキーはデッキボードを使って上段下段の二段に分けられるため、下段に設定するとクロスビーより荷室床面高が高くなる。クロスビーはその巨大なアンダーボックスを取り外せるなど、それぞれ使い勝手も追求されてるのが特徴。
強いて言えば、安定してベビーカーを搭載できるのはクロスビーか。だからクロスビーの荷室の方が若干大きい気はしますが、最後にまとめると「荷室前後の長さだったらライズとロッキー。荷室上下の高さだったらクロスビー」といった所。
搭載エンジンの違いは?
続いては「搭載エンジン」の違いを考察。
冒頭でも触れたように、ライズもクロスビーも同じ1.0L直3ターボエンジンを搭載してるんですが、スペックには細かい違いがあります。
○ライズ・ロッキーの搭載エンジン
- 1000cc直3ターボエンジン
- 形式番号…1KR-VET型
- 最高出力…72kW(98PS)/6000rpm
- 最大トルク…140Nm(14.3kgm)/2400~4000rpm
- 変速機…CVT
- 車重…980~970kg(4WDは+70kg)
- カタログ燃費(WLTC)…18.6km/L(4WDは17.4km/L)
- 燃料タンク…36L
○クロスビーの搭載エンジン
- 1000cc直3ターボマイルドハイブリッドエンジン
- 形式番号…K10C型
- 最高出力…73kW(99PS)/5500rpm
- 最大トルク…150Nm(15.3kgm)/1700~4000rpm
- 電気モーター…2.3kW(3.1PS)/50Nm(5.1kgm)
- 変速機…6速AT
- 車重…960kg(4WDは+40kg)
- カタログ燃費(JC08)…22.0km/L
- 燃料タンク…32L(4WDは30L)
走行性能や乗り心地は?
続いては「走行性能や乗り心地」を比較。ライズ・ロッキーとクロスビーはどっちの走りが優れてるのか?
まず加速性能ではクロスビーに軍配が上がりそう。車重はせいぜい10kg程度しか軽量ではないものの、ライズやロッキーと比べるとエンジン性能が高い。トルクの太さや実行回転域の低さなど、クロスビーの加速感はライズよりも体感的に力強い。
クロスビーは変速機が6速AT。ロッキーやライズはダイレクト感が強い新型CVTを採用してるものの、踏み込み量に応じた素直な加速力はクロスビーは上回りそう。マイルドハイブリッド搭載のクロスビーは初速の静粛性は上回る。
また最小回転半径はライズが最大5.0メートルに対して、クロスビーは4.7メートル。そのため小回り性能でもクロスビーに軍配が上がりそう。それぞれの最小回転半径はライズがトヨタ・ポルテ並、クロスビーが軽自動車並。
ライズが決して運転しづらいということではないですが、町中ではクロスビーの方が運転しやすいはず。
○悪路走破性や操縦安定性はロッキーとライズに軍配?
一方、前述のようにクロスビーは車高が高い。もちろんその分だけ室内空間は広いものの、走りの面ではどうしてもバランスが悪くなる。そのため操縦安定性ではライズやロッキーに軍配が上がりそう。
もちろん町中で急激なカーブを強いられることはまずありませんが、クロスビーは曲がる動作ではやや不安定さが顔を覗かせる。乗り心地はさほど大きな違いはないものの、シャシーの剛性感やシートのホールド性能を考えるとライズやロッキーがやや上回るか。
またライズやロッキーは「4WD」の走破力が高い。電子制御カップリング式ダイナミックコントロールという新技術が取り込まれており、路面状況に応じて駆動力やトルクを前後タイヤに細かく配分できる。
そのため悪路走破性能ではクロスビーを上回ると思います。もしかすると試乗評価が高いトヨタ・RAV4の4WDの走りを意識して設計されてる雰囲気も。
ただし、ライズとロッキーの4WDはかなり割高。価格比較は後述しますが、下手すると200万台半ばから。クロスビーの4WDと20万円近い価格差がある。クロスビーもヒルホールドコントロールは標準装備されており、雪の坂道でも安定性は十分。
このクラスのSUVにどこまで走破性の高さを求めるかは悩ましいか。
燃費性能は同じぐらいだが…
続いては「実燃費の違い」を比較。ダイハツ・ロッキーやトヨタ・ライズとスズキ・クロスビーの燃費性能はどっちが上なのか?
結論から書くと、ロッキーもライズもクロスビーも燃費性能では大差ありません。
カタログ燃費に違いはありますが、あくまでモードが異なるだけ。同じJC08モードで比較すると、クロスビーもライズも燃費性能は変わりません。どっちの車重も10kg程度の違いしかなく、実際の実燃費に大きな違いは出ないでしょう。
ただ強いて言えば、クロスビーは車高が高い分だけ風の抵抗を受けやすい。そのため長距離ドライブになればなるほど、新型ライズ(ロッキー)の実燃費が少し有利になるかも。それでも税金といった維持費の点で大きな違いはなし。
でも、一番の問題は燃料タンク容量の違いが「4L」もあること。新型クロスビーの燃料タンク容量はライズやロッキーよりも割と小さい。だから、一回の給油で走れる航続距離は新型ライズ(ロッキー)の方が優勢。
アウトドア目的で使う場合はクロスビーの方がおすすめできそうですが、長距離移動を考えるとライズやロッキーの方がおすすめ。言っても知れてますが、タンク容量32Lはさすがに街乗り仕様かな。
価格や値段の違いとは?
続いては「価格や値段」の違いを比較。スズキ・クロスビーとトヨタ・ライズ(ダイハツ・ロッキー)はどっちが割高なのか?割安なのか?
結論から書くと、クロスビーもライズ・ロッキーもほぼ同価格帯になります。トヨタ・ライズはかなり割安に見えるものの、160万円台のグレードは自動ブレーキ非搭載車。ほぼ無視していい客寄せパンダグレード。
特にライズとロッキーの4WDモデルは異様に高い。
前述のようにスズキ・クロスビーは+4万円強で4WDが設定できるのに対して、トヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーは4WD化するのに+22万円高。価格帯が200万円台半ばに近付くため、簡単には手が出なくなりそう。
ちなみにトヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーの値段はそれぞれ微妙に異なるんですが、その違いについては別比較記事をご参照ください。
○ライズの値段一覧
- X…約174万円(自動ブレーキ非装着車は168万円)
- G…約189万円
- Z…約206万円
- (4WDは+22万円)
○ロッキーの値段一覧
- L…約170万円
- X…約185万円
- G…約200万円
- プレミアム…約220万円
- (4WDは+22万円)
○クロスビーの値段一覧
- ハイブリッドMX…約180万円
- ハイブリッドMZ…約204万円
- (4WDは+4.4万円)
安全装備のおすすめはライズとロッキー!
続いては「装備面の違い」を比較。とりわけ最近は見過ごせない安全装備の違いなどをチェックしてみたいと思います。
結論から書くと、安全装備はライズとロッキーに軍配が上がります。
例えば、ライズとやロッキーは「全車速域追従クルーズコントロール」が設定。あくまで200万円を超える上級グレードのみですが、時速0km/hから対応してる高性能っぷり。一方、クロスビーの自動ブレーキにはACCの設定すらなし。
「車線逸脱防止機能」はライズとロッキーは自動的にハンドル操作を行ってくれるものの、クロスビーは警報音を鳴らすだけ。どっちもオートハイビーム機能は備わってるものの、ライズとロッキーは部分的に遮光が可能。対向車の部分だけ消灯できたりする。
他にもライズとロッキーには「標識認識機能」があるのに対して、クロスビーにはなし。
また「サイドカーテンエアバッグ」もトヨタ・ライズとダイハツ・ロッキーは全車標準装備。一方、スズキ・クロスビーに装備するにはエントリーグレードには「セーフティーサポートパッケージ(+10万円)」の装着が必須。
だからサイドカーテンエアバッグ搭載したグレード同士で比較すると、ロッキーやライズの価格帯は170万円強からに対して、クロスビーは190万円から購入できる感じ。それでもクロスビーの安全装備はライズやロッキーより見劣りする。
カスタマイズ性は五分五分?
他にも装備面をいろいろ比較してみると、ライズとクロスビーに違いも多いです。
例えば、200万円の最上級グレードに限りますが、ライズやロッキーには「シーケンシャルターンランプ(流れるライト)」が標準装備。一方、クロスビーには設定すらなし。
車体比較でも触れたように、「シャークフィンアンテナ」はライズとロッキーに標準装備。クロスビーにはなし。
ロッキーやライズは17インチタイヤが設定されてるのに対して、クロスビーは16インチだけ。大きなタイヤが乗り心地の良さに寄与するとは限りませんが、やはり見た目を考えると選択肢が多いに越したことはない。
ただし、カスタマイズ性という点ではクロスビーもライズも五分五分か。
スズキ・クロスビーはデカールステッカーなどその他諸々のメーカーオプションが非常に豊富。
一方、ライズはトヨタを代表するTRDやモデリスタといったカスタマイズオプションが豊富。エアロパーツ仕様などクロスビーに負けないほど選択肢が豊富に用意されてる。大胆に見た目を刷新することも可能。
ちなみに、ダイハツ・ロッキーにはこういったカスタマイズモデルはありません。既に「プレミアム」グレードに代表されるように装備面は充実してるものの、改めて別に用意されてるメーカーオプションの類いは乏しいです。
【比較総括】ライズ(ロッキー)とクロスビーの違いまとめ
以上、カーギークによるスズキ新型クロスビーとトヨタ新型ライズ(ダイハツ新型ロッキー)の比較レビューでした。
結論をまとめると、車体サイズの違いほどライズとロッキーはそこまで優位性はなかった気がします。クロスビーは数年前に発売されたものの、未だに商品力は意外と高いまま。乗り心地もクロスビーもライズは大差なし。
むしろ走りや加速性能や室内の広さ、実用性と言った「基本性能」ではクロスビーが上回ってる部分も多そうです。もしライズやロッキーと比べるとしたら、スズキ・イグニスあたりが適切だったかも知れない。
ただし、装備の充実っぷりではライズとロッキーが優勢です。
例えば安全装備は最新性能が担保されており、クロスビーの自動ブレーキは相対的に性能が劣る。しかも全車標準装備でもないため、クロスビーの物足りなさは否めない。それに反比例して、ライズやロッキーよりも割高感を感じてしまう?
確かにスズキ・クロスビーは車体色やカスタマイズパーツこそ品揃えはライズやロッキーよりも豊富ですが、割とメインの装備面を細かく比較していくと、やはり「発売年の違い」がそれなりに尾を引く。
コメント
クロスビーも部分的に遮光できるけど。ハイビームアシスト(autoの位置でハイビームで設定)あとシーケンシャルターンランプデザイン上不可能